真夜中に少しだけ、ほんの少しだけ寒いと感じてしまう季節。煌めいて見えた夏が過ぎ去り、残ったのは空虚な想いと立ちはだかる現実。目が醒めてしまった。
一抹の寂しさと秋の訪れとの狭間に投げ出された僕は、どこへ向かえばいいのか。どうにも気持ちが落ち着かなくて、ふらふらと街へ繰り出した。あてもなく彷徨う僕をすれ違う人々は、奇異なものを見るような目線を向けてきた。
「ねぇ?君?どうしたの?なんか困ってる?私に任せなって」
平均的にも小柄に見える少女が僕に話しかけた。
ひまわりよりも大きく、太陽よりも眩しい。
星よりも瞬き、月よりも闇夜を照らすその笑顔に、一瞬戸惑った。
「あ、そっか、ごめんごめん。まずはそっちから質問してもらおっか。時間はあるしね」
にしし、と面白いことを見つけた子供のように無邪気にはしゃぐ君が面白くて、思わず吹き出してしまう。
「なんで笑うのさ。あ、折角だし私のお店においでよ」
すぐそこなんだ、と彼女が向けた視線を追うと、「自家焙煎」と書かれた黄色い看板が立っているのが見えた。空へと少し向けると「喫茶朱夏」という文字が書かれた看板があった。
匂いがした。コーヒー豆を煎た匂いだ。
それだけじゃない、コーヒー豆に紛れているけれど、微かに鼻孔を擽る。
この匂いは……そう、これは夏の匂いだ。白露に揺蕩う朱色の夏の匂いだ。
カラン、カラン、と鈴の音が鳴る。鼓膜を揺らすジャズミュージックと控えめなライトが目に飛び込む。
「いらっしゃいませ。ようこそ、喫茶朱夏へ」
- はじめに
- ゆの展
- オープニングアクト
- 聞きたい?聞かせて?
- しゅかしゅーのコレやってみよう
- レア企画 斉藤朱夏のお宝大公開!
- 遊園地デート
- M1 セカイノハテ
- M2 ワンピース
- M3 secret base〜大切なもの〜(カバー)
- M4 シャボン
- M5 ひまわり
- M6 リフレクトライト
- 終わりに
はじめに
さらいんです。もうサクッと自己紹介をすべきだと思ったので、まずは名前だけでも覚えて貰いたいと思います。
さて、今回本稿で語らせていただきますのは、先日9月11日に開催されました斉藤朱夏さんFCイベント「喫茶朱夏~聞きたい?聞かせて?~」についてです。
斉藤さんに、一か月に一度逢う予定があるのも、なかなか無いと思います。先日、Zeppツアーの東京公演昼の部に参加させていただきましたが、本当に忘れられない夏になりました。その当時の感想を綴った記事はこちらになります。お時間ある時に、ぜひ目を通していただけたらな、と思います。
今年からファンクラブに入会したので、これまでどんなイベントを開催してきたのか、よくは知りません。今回、そんな新参者の私が感じたこと、思ったことを綴ることで、少しでも斉藤さんのことを知っていけたら嬉しいです。
会場となったのは、よみうりランド。名前を聞いたことはありますが、実際に足を運ぶのは初めてです。テーマパークとしても有名なよみうりランドですが、その前に私は表参道へと足を運びました。
ゆの展
斉藤さんとも、そしてAqoursとも馴染みがあるイラストレーターのゆのさん。「Pieces of Aqours」では大変お世話になりました。そんなゆのさんが表参道のカフェでなにやら個展を開いている、という噂を嗅ぎ付けた私は、その個展を見学しに行くことを決めました。
表参道というと、今放送中の「ラブライブ!スーパースター‼」の舞台でもあり、いわゆる聖地巡礼でもあります。どこか見覚えのある景色を傍目に見つつ、降り出した雨が大粒にならないうちに、と急ぎ足で目的地へと向かいました。
通りから少し奥へと入ると、目に入ったカフェ。窓ガラスに描かれた絵を見て、ここで間違いないことを確かめた私は、勇気を振り絞って店内へ足を踏み入れました。「いらっしゃいませ」と女性の店員が温かく迎え入れてくださいました。
ワンドリンクオーダーをお願い、という言葉に倣って、レジで注文を。フレーバーカフェラテのホットチョコレートを頼んだ後、出来上がるまで店内を眺めていました。飾られたイラストの数々。そのどれもが見覚えのある絵のタッチ。そして、比較的窓側に面したスペースにゆのさんとマネージャーさんがいらっしゃいました。
個人的には、超絶有名人。天と地ほどの差を感じていたのに、本当にご本人がいらっしゃるんだな、とどこか夢見心地な自分がいました。出来上がったラテアートに心を落ち着かせ、ようやく近づいて作品を拝見させていただくことにしました。
平日ならリクエストを承っていたようですが、祝日はライブドローイングを行っていました。ぜひお近くでご覧ください、とゆのさんからもマネージャーさんからも声を掛けてもらい、コミュ障のオタクである自分は涙が出そうでした。
ライブドローイングが始まった瞬間、世界が一変しました。吸い寄せられるようにして、そのペン先に視線が奪われました。
線画から始まるわけですが、雲が流れるように軽やかに伸ばしていく線たちを見て、心が震えました。まるでその線一本一本が生きているような、そんないきいきとした絵に見えました。あまりの筆の速さに、これがプロなんだ……と、職人技を間近で見られる幸せを噛み締めていました。
線画が完成すると、ここからは色を落とし込んでいきます。ペン、絵具、色鉛筆……多種多様なツールを使って、彩りを与えていきます。色付いた瞬間、その絵が息をしだしたように見えました。
風景が色付くと、途端に風の音や車のエンジン音、歩行者信号、足音……日常に馴染んだ音たちがその絵から聞こえてきました。なにをおおげさな、と思われるかもしれませんが、鼓膜を揺らされたのです。その絵の世界観が、訴えかけてきたのです。
30分めいいっぱい、まるまる時間をかけて描いてくださった作品がこちら。
今日、何度も何度も目にしてはうっとりしてしまうほど、その世界観に浸る自分がいました。スケジュール帳の表紙に使われているクラフト紙に描かれているというのもポイントだと思います。そこにイラストが描かれることは、あまり見ません。
珍しいな、という理由もありますが、もうひとつ購入した理由があります。
それは、スケジュール帳選びに困っていたからです。毎年この季節に、私はスケジュール帳を新しくします。割と悩むタイプです。雑貨屋さんに足を運び、30分から1時間吟味して選んでいます。
昨年は、たまたまAqoursのスケジュール帳を見つけたので、それを使わせてもらっていますが、さて今年はどうしたものか……と悩んでいた矢先に出会ったので、迷わず購入いたしました。
少し早い、自分への誕生日プレゼントだなぁ、と思いつつ、喜びを噛み締めるようにお話をさせていただきました。オフレコのお話などもあったので、多くは語れないのですが、とてもフランクに、気さくに話してくださって、緊張していた自分はいつの間にかどこかへ隠れてしまいました。
改めてこの場をお借りして、御礼申し上げます。ありがとうございました!
オープニングアクト
さて、ここからは少しずつ本公演について言及していきます。9月とはいえ、太陽の日差しはまだまだ眩しい。まさしく朱夏晴れに恵まれた天候の中、斉藤さんのイベントは行われました。
運よく両部チケットを握れたので、盛りだくさんな記事となりますが、よろしければお付き合いください。
普段はアシカショーとして使われているステージは姿を変え、斉藤さんのために着飾られていました。感染対策の検温、消毒、身分証のチェックを通り、会場へと足を踏み入れると、ステージとの距離の近さに驚きました。
後に調べると、あの会場のキャパが1000人らしく、座席をひとつ空けていたことからおそらく500人程度、の人があの会場にいたようです。その狭き門にまずは踏み入れることができたのが、本当に奇跡だと思いました。
開演2分前。場内アナウンスが流れてきたわけですが、聞き覚えのある声が。「みなさん、こんにちは。斉藤朱夏です」と、まさかの本人の声に驚きが隠し切れません。思わず声になってしまうのを堪え耳を傾けると、斉藤さんからは注意事項が述べられます。
斉藤さんらしいアナウンスに思わず顔が綻び、緊張できりきりしていた胃の調子がよくなったような気がしました。声だけで癒せる斉藤さんは、もしかしたらヒーラーかもしれませんね。(ゲーム脳のオタク)
ブザー音が開演を告げ、スクリーンが上がっていくと中央に佇む人影が。流れ出した音楽に合わせ、ステップを刻むのは斉藤さんご本人。ダンス歴9年目となるその動きは、普段魅せる彼女とは似て異なる。
指先、腰使い、上半身の使い方……素人の私ですら、このダンスパフォーマンスのレベルの高さを感じ取ることが出来ます。
これが、斉藤さんのダンスなのか!と、圧倒的な表現力に魅了されます。adoさんの「レディメイド」という楽曲に合わせた振り付けは、斉藤さんが考えたのでしょうか……?
いつかそのお話を聴けたらいいなぁ、と思います。
めちゃくちゃバカッコイイ楽曲なので、ぜひ聞いてみてください。
聞きたい?聞かせて?
最初のコーナーから、イベントタイトルを回収していく斉藤さん。醍醐味と言うべきか、なんと例えるべきか。
実は、気付いた時には質問の募集が終わっていて、肩を落とした経緯があります。皆さん、締切日はきちんと覚えておきましょう。先生との約束ですよ。
ステージセットとして、喫茶店でよく見かける自家焙煎と書かれたランプと店内をイメージしたテーブルと椅子には🧸と🐊のぬいぐるみが。
空いてるままじゃ寂しいから、ぬいぐるみ置いてください、とスタッフさんにお願いしたらしく、あまりの可愛さに悶絶しました。
「募集した質問を元に、一方的にお喋りします」と置いてけぼりな勢いかと思いましたが、なんだかんだ言いつつも寄り添ってくれるのが彼女らしい所でもあると思います。
質問①
─喫茶店のメニューにあったら食べてしまうものを聞かせて!─
昼の部一番目の回答は、実にタイトルに相応しい質問ですね。斉藤さんは、「クロックムッシュ」と答えておりました。ん?クロックムッシュって何ですか……喫茶に馴染みのない私には、どこかの業界用語にも思えました。
お店によって異なりますが、斉藤さんの行きつけのお店にはハムとチーズが挟まっているようです。検索をかけると完全に飯テロなので、お腹が空いているときに調べるのはやめておきましょう。
気分によって紅茶とコーヒーにするそうですが、ブラックはダメ、と可愛らしい一面も見せてくれました。本当はだめだけど、砂糖をたくさん入れていると話し、甘党なのだなぁ、と思いました。
質問②
─大人になった、もしくはまだまだ子供だなぁ……と思うところはありますか?─
小さい頃とあまり変わらない、と答えていました。3歳の頃から通っていたピアノ教室の先生に久しぶりに会い「3歳の頃から変わっていない」と言われたそうですが「流石に変わってるでしょ」と笑いながら話していました。
「年齢は重ねていくけれど、少年少女の心を持ったまま成長している」と深いお言葉をいただきました。これからは「美しい」と言われたいそうです。垢ぬけた斉藤さんは、見るたびに綺麗だな、と私は感じます。ですが、その天真爛漫な笑顔はあの頃のまま。
どんなに時間が経とうとも、彼女は彼女のままなのでしょう。
質問③
─ライブ中に食事をするとしたら、次は何を食べたいですか?─
これはZeppツアーのお話ですね。「親愛なるMyメン」という楽曲の間奏で、すべての感情を掻っ攫い、ラーメンのことしか考えられなくなってしまいました。どうしても舞台上でラーメンを食べたかったそうで、みんなも本気で啜るとは思わなかったでしょ?と同意の声を投げかけていました。
「本気で生きてるんだよ、私」と生き様を語る斉藤さんがかっこよすぎて、改めて惚れざる負えません。
納豆が食べたいけど、匂いがアウト。ハンバーグは胃もたれしてしまうから、重過ぎる。などと、様々な意見が出る中、最終的に出した結論はオムライス。「なんか可愛くない?」と見た目から判断したようですね。
質問④
─「人」との関わりで特に大切にしていることは何ですか?─
色んなプロがこの世界にはいて、すごく尊敬してばかりだそうです。大層真面目に語っており、「性格も含め、尊敬と愛を大事にしている」と話しておりました。
実は、この質問をしたのが自分の知ってるフォロワーさんで、会場でとても驚きました。「もし友達がいたら、教えてあげてね」と言われたので、終演後真っ先に伝えました。
なんだか自分が知っている人の質問で、こんなにも熱く語っている斉藤さんを見て、心が暖かくなりました。
尊敬と愛、どこか推しの言葉に似ているような気もしますが、どちらも大事なことですよね。他人を尊敬することが出来たら、と自分も何度も思いますが、中々上手くいかず四苦八苦しているところです。
質問⑤
─しゅかしゅーが最近挑戦してみたいことは何ですか?─
ギターに挑戦している、と楽しそうに語ってくれました。その練習の影響で左指が痛いとも言っていましたね。
「いつかみんなの前でギターの弾き語りをしたい」と話していました。その他にもピアノにもチャレンジしたいですと語り、「斉藤朱夏がピアノで弾き語りしてる所を想像してください。5秒あげます」と、謎のシンキングタイム5秒が与えられ、空想の世界で彼女が演奏している姿を思い描きます。
「エモくない?」とファンの言葉を代弁してくれる斉藤さんに大きな拍手が贈られています。いや、そりゃあもう……エモですよね。
ピアノを弾きながらしっとりと歌い上げる斉藤さん。見たくないわけが無い。断じて有り得ません。
質問①
─先日Twitterで、朱夏さんの呼び方をみんなに聞いていましたが、あれは本当に突然知りたくなったのですか?─
夜の部一発目の質問がこちら。多くの方がこの質問を斉藤さんにぶつけていたようです。確かに本当にいきなりでしたよね……。笑
めっちゃ急なんだけど(本当急)
— 斉藤 朱夏 (@Saito_Shuka) 2021年9月5日
みんな最近あたしのこと何て呼んでる?
ラジオとかで朱夏ちゃんや斉藤さんと呼ばれることが増え、しゅかしゅーと呼ばれることが少なくなってきたそうです。
Aqoursでもお馴染みの小林愛香さんの話も上がりましたね。命名した本人の話がちょこっと出るのは、なんだか嬉しくなりますよね。
彼女自身、特に意識していたわけではない様子ですが「好きに呼んでください」と話していました。呼び捨てでも構わんよ、と話した後に、「朱夏って呼びたくなるよね?」と笑いを誘うような問い掛けには、笑いが堪えきれません。
「私とみんなとの距離感が友達感覚だから、呼び捨てでもなんでもいいよ」と笑う彼女。ファンのことを「君」と呼ぶ所以はここからあったのかもしれませんね。
質問②
─しゅかママと喧嘩したことはありますか?また、過去一で喧嘩したのはどんな時ですか?─
この質問に対して斉藤さんの答えは意外でした。
「本当の話なんだけど、ママと喧嘩したことがなくて……」
ん?んん???え???
衝撃のカミングアウトに驚きが隠せません。
普通誰もが通る道ですよね。お母さんと喧嘩をする、と言うのは。私も毎日のように喧嘩、というべきか小言の言い合いと言うべきか。
とにかくひとつくらいはムッとするようなことをされたり、してる気がします。何故、朱夏ママは怒らないのか。
率直な疑問を斉藤さんは朱夏ママに投げ掛けました。すると「んー、めんどくさい」という答えが帰ってきたそうです。
この予想外の展開に会場からも思わず拍手が。いや、拍手してる場合じゃないのですが、予想外の展開になってしまいました。
加えて、斉藤さんのお母さんは斉藤さんが語るにめちゃめちゃ可愛いらしく、昔写真を手帳に入れていたこともあったそうです。
「反抗期って言うものを味わってみたい」と笑って話していましたし、今度巫山戯てママと喧嘩してみますと言っていたので、今後の動向が気になりますね。
ママとのプチ思い出を語ってくださり、本当に斉藤さんママのことが好きなんだろうな、とこちらまでニコニコしてしまうような暖かいお話を聞くことが出来て幸せでした。
質問③
─こんにちは!朱夏さん、今ギターにハマっているそうですが、ギターを始めたきっかけとかってありますか?─
ラジオやインタビューでも頻りにこのお話を聞いておりましたが、昨日も「あと1メートル」の簡単な譜面を練習していたそうです。
小学生の時に器楽クラブに入っていたそうで、楽器に触れる時間が長かったからこそ、大人になってからも携わりたかったと話してくれました。
「今すぐには無理かもしれないけれど、披露する機会があるかもしれないから……」とアコギについて約束を私たちファンと誓い、会場からも拍手で声援が送られていました。
質問④
─朱夏ちゃんに聞きたいこと。お仕事休みの日は、何をして過ごしていることが多いですか?─
プライベートな話が気になる質問が多かったようで、斉藤さんは基本的に不定期なお休みなために、何をしていいか分からないと話しました。
1日家にいるか、1人でお買い物をすることが多いと伝える斉藤さん、気になるお店があると1人でふらっと行ってしまい、毎回友達に「今どこにいるの?」と電話を貰うそうです。
休みの日っていっても仕事に向けての準備ばかりをしているけれども、韓国ドラマを見たり、ダラダラゴロゴロしている様子。昔は1日1回は外に出なきゃ、という認識があったそうで、今は気付いたら夜。ご飯も食べるのを忘れてしまうこともあるようです。
ゲームしてる人、映画鑑賞する人、漫画読む人、丸一日何もしないよって人……と、斉藤さんからの質問に会場も手を挙げていきます。素直に挙げた人達に対して「あめあめふらるら、聴いてください」とジャパネットほにゃらさんに並ぶダイレクトマーケティングに、内心で拍手喝采でした。
こんな何にも無い日があってもいいよね
やる気でなくたって今日はいいよね
明日から頑張れるならいいよね
頑張れなくたっていいよね
土日の過ごし方、割とこれに近いわけですが、そんな日もきっと素敵な1日に変えてくれるのが斉藤さんのこの楽曲だと思うので、ぜひ視聴してみてください。
質問⑤
─最高に暑かった朱夏の夏について、感想や1番印象に残った場面などあれば聞かせて欲しいです─
「8月、暑かったねー」と意味深な言葉に対して共感の拍手が送られました。FCイベント参加者のほとんどがZeppツアーに参戦しており、「8月は斉藤朱夏の月だ」とご本人も話しておりました。
山の日のように朱夏の日を作ってほしい、という願望を伝えると、割れんばかりの拍手が。皆さんの心はひとつ。多くの休みが欲しい、ということですよね。
Zeppツアーの当時を振り返って、「あの時、あの瞬間に斉藤朱夏のライブが見えたんだよね」と口にした斉藤さん。自分自身でも感じたライブの形。
来てくれたみんなが凄い熱量で、声がなくても暑い。自然と身体が動いたり、クラップをしてしまうような……そんな気持ちが伝わってくるようなライブだったと話していました。
個人的なハイライトとしては、斉藤朱夏泣き崩れたという所だそうです。Zeppツアー夜の部、サプライズでケーキが出てきた所までは予想の範疇でしたが、横断幕が出てきた瞬間崩れ落ちたそうです。
あのツアーは斉藤さんにとってリベンジでもあり、人一倍想いも強かったと思います。「その日が来るまで、疑い続けることがある。本当にあるって」と、斉藤さんは疑っていたそうで、今日のFCイベも本当にあるの?と考えているそうです。
「どこを切り取っても、色んな景色を見ることが出来たなって思う」と言葉にし、「来てくれた君には感謝しかないです。本当にありがとう」と感謝を伝えてくれました。
こちらこそ、ありがとうなんですよね。
しゅかしゅーのコレやってみよう
簡単に説明すると、挑戦企画です。ざっくりとした説明です。はい。
斉藤さんが今回挑戦するのはレトロゲーム。昔の喫茶店に置いてあったであろうレトロゲームに挑戦し、与えられたミッションをクリアするとファンの方5名にサイン入りTシャツが渡せる、という夢のようなコーナーです。
つまり斉藤さんに頑張ってもらうコーナーです。
インベーダーゲームで700点以上取るかテトリスで3分間プレイすることがミッションとなっていました。
あまり細々とは語れないのですか、「ゲームが下手なの」と自称していた斉藤さん。説明書もルールも見ずにプレイする辺り、当たって砕けろ感がありましたね。
実際「え、何これ?」と困惑気味な声をひたすらに上げていましたが、なんだかんだミッションを達成してる辺りゲームに慣れるのが早いのかなぁ、なんて思いました。
ピンボールは30000点以上、パックマンは敵を5匹倒すというミッションが課せられていましたが、どちらも見事達成。
ピンボールに関しては、勝手に中央辺りでボールが弾けて点数を稼いでいたので斉藤さんも笑いが堪えきれていませんでした。
パックマンは、ギリギリ敵を躱し逃げていて、大いに会場を盛り上げてくれました。手に汗握る展開とは正にこのことか、と思いました。
レア企画 斉藤朱夏のお宝大公開!
続いては、FCイベ限定企画。斉藤朱夏さんのお宝を、ここにいる人たちだけに公開しちゃうぞ!というコーナーです。
ですので……申し訳ございません。
これ以上私からは語ることは難しい所が多くあります。
いつかまた機会がありましたら、こちらの話は色濃く語らせてください。そしてここで斉藤さんはステージからはけます。
遊園地デート
──これはとある夏の日。朱夏ちゃんと遊園地でデート。大人になっても遊園地。遊園地でお散歩、楽しんでくれるかな?
はけた後、斉藤さんとよみうりランドをデートするような映像が会場に流れ、甘い空間が広がっていきました。
まずは腹ごしらえということで、フードコートに足を運ぶ斉藤さん。コラボフードのフライドポテトを決めるために、ベーコン、オニオン、ガーリックの3種類の味を楽しむ姿に、ニコニコしてしまいます。
どれも美味しそうに食べるから、こっちまで笑顔になってしまいますよね。こんな遊園地デートしてみたいです。
腹ごしらえも済み、どこへ向かうのか?と問いかけると、甘いものが食べたいですねということで向かった先はコラボフードのクレープ屋さん。
生クリームに苺、そしてカラースプレーといつシンプルだけど1番最強なトッピングにご満悦な様子。カラースプレーが大好きだそうで、ほんと可愛いですよね。もうメロメロですよ。
お腹も満たされたところで、次に足を運んだのはアシカショーが行われるらんらんよみうりホール。本会場ともなっているこの場所は、元々アシカショーが行われていたんですね。
2階からアシカショーを楽しみ、身体を揺らす姿はまるで無邪気にはしゃぐ子供のよう。先程綴った少年少女の心を持ったまま成長している、という言葉を体現していますね。
目を癒した後に挑戦したのは、そうガチャガチャ。300円程度で引けるあのガチャガチャを、斉藤さんも嗜んでいらっしゃり、そこで名言が出てきました。
「ガチャガチャは沼なんですよ」
おっしゃる通りです。まさしく沼です。
何千、何万と溶かそうとも、お目当てな物を当てるまで後には引けない。プライドがあるんですよね。譲れないプライドが。
これでもか!ってくらいガチャを回していて、思わず笑いが零れてしまいました。会場の皆さんもきっと「まだやるんかい!!」と心の中で突っ込んでいたことでしょう。
さて会場を後にし、次へ向かったのはフラワーパーク「HANA・BIYORI」
四季折々で季節を彩る花が咲き乱れるであろうこの場所で、斉藤さんも心を咲かせていました。300本植えられているというミニヒマワリの花壇を急に駆け出したかと思えば、「これ、埋まっちゃうよ」としゃがんで背丈を合わせる姿も可愛い。
スマホ片手に写真を撮る姿、しゃなりしゃなりと風鈴が鳴り響く中佇む姿、雨の日にぱっと咲く花のように飾られた傘を見上げる姿……そんなひとつひとつの彼女の姿が愛おしく思える。
勘違いしちゃいますよ、こんなの見せられたら。
最後に訪れたのは、観覧車。2人で乗り込んだ観覧車から見下ろす景色は、この先もきっと忘れられない思い出になることでしょう。
──楽しかった夏のデート。こんな時がずっと続けばいいと思った。でも、でも……僕は思った。僕はやっぱり……斉藤朱夏のステージに立つ姿が見たい。
M1 セカイノハテ
映像が流れている間にキーボードが用意され、スクリーンに写った言葉と共に腰をかけた女性は十中八九朱夏バンドのバンマス兼キーボードの西野さんで間違いないでしょう。あの人しかいないじゃないですか、斉藤さんを包み込めるのは。
個人的な話を言いますと、私はこのFCイベに来られてよかったと思うのです。これなかった人にも届けたいくらい、それくらいこのライブパートが心に突き刺さりました。
それこそナンバーワンなんじゃないかってくらい、幸せな空間でした。お触り程度ではありますが、ピアノという楽器には触れていて、そんな私にとっては唯一ともいえる楽器と歌声、という演奏形態が中学生になった辺りから大好きでした。
よくアニソンのピアノアレンジなどを聞いて、思いを馳せていたころが懐かしいです。セカイノハテは、もう斉藤さんの代名詞ともいえる楽曲だと思うのですが、こんなにも自分自身を信じよう、と思える楽曲はほかにないと思います。
実はライブ中トラブルがありました。あまりここでは多く語りませんが、ひとつ言葉にするとしたら、ひとりで壁を超えるのではなく、仲間と一緒に壁を切り開けば恐れることはないと思います。それを今日、誰よりもきっと感じたのは斉藤さん自身かもしれません。
M2 ワンピース
こちらもまた斉藤さんのことを紡いだ楽曲であり、本人が作詞した楽曲ですね。
何度も何度もハヤシケイさんと擦り合わせて作った共同作品とも言える「ワンピース」は、斉藤さんご自身を体現した楽曲と言っても過言ではありません。
天才なんかじゃないし 才能もないし
だから汗と涙をシャワーに流し
このフレーズにいつも胸がギュッと掴まれます。本当、斉藤さんって努力の塊のような人だと思います。努力を努力と言わず、努力することは当たり前だとインタビューで目にしたことがあります。
「努力をして当たり前、人に見せるものではないと思っていますね。」
〈2017.10.18 My Girl "VOICE ACTRESS EDITION" vol.20〉
この言葉を読んだ瞬間、鳥肌が立ちました。努力って、苦しいものだっていう認識をしていたわけです。そんな偏見で見ていた自分の概念を覆してくれたわけです。
コンバースを履いてる率が多かったのも印象的ですね。スニーカーと言えば斉藤さんと言うくらい凄く馴染んでいますよね。いつかコラボスニーカーとか出された時に、お財布と相談になると思います。
M3 secret base〜大切なもの〜(カバー)
イントロのコードで全てを察した私は、崩れ落ちました。
知らないわけがない、この名曲を。
君と夏の終わりを噛み締められる楽曲を、まさか斉藤さんが選んでくれるとは思いもしませんでした。
夏は終わっちゃったけれども、夏の思い出はまだまだ作りたいよ、っていう彼女のメッセージが歌声にも込められているような気がしました。
私、もしかしたら斉藤さんが儚げに歌う姿が好きなのかもしれません。溌剌としていて、満面な笑みを見せる彼女も好きですが、ギャップというのでしょうか。
斉藤さんのこういった表情をもっと見たいですね。というか、もうこの楽曲やったの天才ですよ。これを見るためだけにチケ代払っても文句はありません。
M4 シャボン
MCを挟んで入れられてしまった楽曲この楽曲に関しては、語りません。全てです。
はい、おしまい。(本気でおしまいにしやがった)
(いや、溶けるしかないんですよ、これ)(放心状態で聴いていました)(本当、これで終わらせます)
あの……詳しく聞きたい方は、直接聞くか前述したブログをご覧下さい。
ひとつ言えることがあるもするなら、直前のMCで「皆さんは好きな人がいますか?大切な人でもいいです。家族、友達、恋人……そんな大切な人を思い浮かべながら聞いてください」というお話を持ってきたおかげで、更にこの曲が完成してしまったということです。
M5 ひまわり
ピアノアレンジの特殊イントロ。そこで、私の記憶は途切れました。
無理なんですよ、平静を保っているのが無理なんです。天を仰ぎ、地を向け、次に見たのはステージに咲いたひまわり。冒頭で触れた記事の中で、このひまわりについては書いています。
簡単に綴りますと、私が一番思いを抱えている楽曲です。それ故に、どう言葉にすべきか迷うところでもあります。
歌いだしは、そっと。一粒の種を植えるかのような優しい歌声は、芽吹くための栄養を与えているかのよう。小さな蕾も、一生懸命水をあげなければ枯れてしまうように、私たちもまたどこかで彼女の歌声を求めているのかもしれません。
9月に入り、私たちの背丈よりも大きかったひまわりは、今は下を向いています。ですが、彼らは最後の力を振り絞って、子孫を残していく。それと同じように、斉藤さんも最後の夏の思い出を刻んでいきました。
また来年、ひまわりを見るたびに彼女とこの楽曲を思い出すことでしょう。
(本音を綴ると、無理だ。語彙力無くした人間に、この曲は語れません)
M6 リフレクトライト
ラストを飾るのに相応しい1曲。軽やかに踊るピアノのメロディーに合わせて、歌声が弾む。
弾き踊るピアノに合わせて、会場のクラップが重なり合う。まるで、ファンと対話をしているようなこの楽曲は、いつ聴いてもウキウキな気分になります。
「あぁ世界は素晴らしい」 と歌う姿が本当に眩しくて……こうして斉藤さんと出逢えることが出来たのも、幾千回ものループを繰り返し、奇跡のように出逢ったのだと思います。
あの日、選択を間違っていたら、別の道を選んでいたら、きっと彼女と出会う事も、そしてこの記事を書くことも無かったことでしょう。
縁っていうのは不思議なもんです。
反射した光で照らされたこの世界は、今は混沌に包まれているのかもしれませんが、何となく大丈夫な気がします。
終わりに
「朱夏の顔を忘れないで」とライブパートが終わったあとに斉藤さんは伝えました。全部やりきった、という安堵の表情を浮かべた彼女は、誇らしげでした、
そして、彼女は言いました。
「大丈夫。この言葉があれば大丈夫!」
その一言がずっと心に刻まれています。今こうして書いているこの瞬間も、ずっと、ずっと。
簡単に言えるのかもしれないけれども、きっと誰よりもこの言葉を噛み締めて、贈っているのは斉藤さんでしょう。
どれだけ花を植えようとも、人はまた簡単にその花を吹き飛ばす。それでも、大丈夫。そう言ってずっと花を植え続けていくことが、強さなのかもしれません。
「手洗い、うがい、頑張ろうぜっ!」
ニカッと笑う彼女を見たら、そう思えました。誰よりも弱い人でかまわない、そう言う彼女だからこそ誰よりも強い人であり続けられる。
根っこを強く張って、大きく綺麗な花を咲かせることが出来る。
夏の思い出を飾る花は、またひとつ大きく成長しました。
私たちはどうでしょうか?
昨日の自分よりも今日。今日の自分よりも明日。
そうやって1歩ずつ進むしかありません。
彼女との夏の思い出を紡ぎたいから。
──また来年、逢おうね。