いつの日か、君が紡いだ言葉を思い出した。
「残りの3曲まだあるんですけど、残りの3曲はいつか……君と絶対会うための約束の曲として残しておきたいなと思うので……」
覚えてる。覚えてるよ。
ずっと……ずっと。心に刻んでいた約束の言葉。
直接逢えたあの8月14日。
太陽照り付ける空の下、満面の笑みで歌い踊る君が眩しくて……暖かくて。もっと君を知りたくなった。
今度のライブ、行ってみよう。
そんな気持ちが芽生えた。
それでも少し迷う自分もいた。本当に大丈夫か?
お前は行けるのか?葛藤しながらも、ようやく腹を括り応募をしたライブツアー。
一般抽選で見事当選。よし、ようやく君のライブに行ける。そう心からワクワクしていた。
そして……
その夢が叶うことはなかった。
流行病に阻まれ、尽く君のステージは闇に呑まれていった。暗闇のステージは、君が立つことを待っていると言うのに……どうしてこんな日々が続くのだろうか。
笑えない日々。思うような生活が出来ない。
常に頭によぎる数多の可能性……震える夜をなんとかやり過ごす毎日に嫌気がさした頃、君は言った。
「やっぱり私ひとりでは掴めない太陽が沢山あって"君"と一緒に、色んな太陽をね、掴んでいけたらいいかなって。これからもね、みんなのことを置いてかないように、私もあの、みんなと同じくらいのスピードでね走るので、皆さん、ぜひそれについてきてくれたら嬉しいです。」
ライブが出来ない中、一生懸命考えて、考えて……オンラインライブという形をとった君は、笑っていた。
こんな日々さえも楽しむかのような全力のパフォーマンスに、心を奪われた。失いかけていた情熱の火を灯してくれた。
消えないように、絶やさないように……。
はじめに
皆さん、こんばんは。さらいんです。
さて、この記事が上がっているということは、私は「やりきったぞおぉぉぉ!!!」となっている頃か、「明日からまた現実だぜぇぇえ!!!」となっているかのどちらか、いやどちらの状態にもなっていることでしょう。
わちゃわちゃしとるやんけ、序盤からと思われた方、いますよね?はい、わちゃわちゃさせてもらってます。
なんたってブログの形は自由ですからね!
十人十色の言葉の紡ぎ方があるとは思いますが、そんなおちゃらけ全開の私が今回この記事で伝えることは、「朱演2021 LIVE HOUSE TOUR『真夏のハイウェイ』東京公演」についてです。今回はその第1部について書いていこうと思います。
朱演ってなんですか……めちゃくちゃ良い言葉じゃないですか……。(おい、早く語ろうぜ)は、す、すみませんっ!
先日8月16日、斉藤朱夏さんのお誕生日でもあるこの日に開催されましたライブについて語りたいと思います。
いつも通り、見たこと、聴いたこと、感じたこと……そのままを落とし込むようなイメージで書かせていただきます。
御付き合い、よろしくお願いします。
開演前
今か今かと待ちわびるファンの多さにまず圧倒されました。まずそもそも斉藤朱夏さんの現場に足を踏み入れたのは、これで2回目。
場所は懐かしのZepp TOKYO。実は先週もある都合で足を運んでいた場所ではあったのですが、同時に2年前を思い出しました。
彼女がアーティストデビューを飾った日に行われた「8401」というイベントを覚えていますでしょうか。
あの日、私はあの場所にいました。
朱色に染まる空を眺めながら、今か今かと彼女の登場を待ち侘びていました。
それまで……足を運んだことはありませんでした。
「Aqours」として、渡辺曜役としての側面はずっと見てきたつもりです。
ですが、それだけでした。
ただ……目が離せなかったんです。
どこにいても、こっちが真剣に見てるのに、思わず頬が上がってしまうくらい笑っているから、自然と……グループの中で1番大好きな笑顔に変わっていました。
そんな斉藤さんがアーティストデビューを飾ると聞いて、1度彼女を一個人として見てみたい!という想いが強くなりました。
……圧倒されました。
表情の豊かさ、「動」の表現力、人生にしっかり根付いた軸、そして……彼女の天真爛漫な裏側に隠れていた感情。
それが、私が彼女を知りたい!と心の底から思った瞬間でした。そしてその後は……序章で語った通りです。
ですが、ようやく……ようやく斉藤さんに会える。
その夢が叶うことが何よりも嬉しかった私は、緊張よりも興奮の方が勝っていたと思います。
実際席もかなり良い場所で見れたので、今年の席運には感謝しなければいけません。神様よりも自分を信じて、と彼女が歌ったように、これからの私を信じて……次も期待しています。
1.月で星で太陽だ!
「Your Way My Way」のアレンジVerがかかり、シルエットとして映し出されたのはバンドメンバー。斉藤朱夏さんのバンドメンバーは、全員女性という点もひとつの魅力でもあると思います。
「ラブライブ!」シリーズでお馴染みの畑亜貴さんが作詞したこの楽曲。突風のような勢いを実際に肌で感じて、「俺達も着いて行くぞー!!!!」という気持ちになりました。
あと斉藤さん、会場中走り回りすぎでは?と思うほど、気付いたら下手にいるし、上手に移動してるし、この人瞬間移動使えるのかな?と思いました。
2.リフレクトライト
私事なのですが……実は、「後輩」と言って可愛がっている子がいます。
このご時世になり、通話から始まった仲なのですが、気付いたら何時間も喋る仲にまでなり、お互いに斉藤さんのことも話す機会も増えました。
「そういやさ、好きな曲何?」
「リフレクトライト」
「それ」
3コマ漫画のような綺麗な切り返しと共に互いの解釈が一致しました。シンプルに楽しいし、お祝いごとで絶対採用したい楽曲NO.1です。
その曲調に合わせて、陽気な振りと照明の明かりに照らされた斉藤さん、マジで友達には1人いて欲しい存在でした。
君がいるから僕も輝けるとか
ねえ 君もそんな風に思ってくれたなら
ああ 世界は素晴らしい!
と、あんな清々しい笑顔で歌われてしまったら、この世界は素晴らしいと思わないわけがない。
斉藤朱夏さんが生きるこの世界、素晴らしすぎ。
3.ゼンシンゼンレイ
「朱演2021 LIVE HOUSE TOUR『真夏のハイウェイ』、今日はゼンシンゼンレイで遊ぼうね!東京!!」
「リフレクトライト」のドラムロールそのままに、「ゼンシンゼンレイ」へと繋ぐステージング。これを遊ぼう!と誘ってきた斉藤さんに対してどう答えるか。
答えは単純。こちらも思いっきり遊んでしまうだけです!
サイリウムを振る手に、より一層力が入りました。なんとなく他のファンの皆様のサイリウムの振りも力強くなったような気がします。
最速配信された時にずーっと聴いていた曲でした。当時はまだアルバイトをやっていて、朝の7時からシフトが入っていた時は、モチベを上げるためにも毎日聴いていました。
その曲を改めて聴くと……不思議な気持ちになりますね。
もちろん斉藤さんだけではありません。バンドメンバーも、全力で遊び奏でていたと気がします。私、実はボーカルの方を見るのも好きですが、バンドメンバーを見るのも好きなんですよね。
MC①
ざっくばらんとした挨拶から、もう肩の力が抜けますね。天候のことを心配していたようで……「ごめん。大阪が晴れすぎちゃってさ……大阪ね観測史上2位の記録出しちゃったの」と、さらっととんでもない事を言っていて、こちらがびっくりしました。
え、斉藤さん、太陽の子ですか?
会場からは拍手が止まない止まない。天候に対して「ざけんなよぉ〜」と友達への悪ノリのようなトークで、「今日お誕生日だよね?この人」と思うくらいファンとの距離の近さを感じました。
「なんてたって、今日は朱夏の誕生日だよね?25歳になっちゃいました!」と、友達に誇らしげに言うかのようなトーンに思わず目頭が熱く……いや、その私、逆にこの距離感が嬉しすぎるんですよね。
斉藤さん、境界線を超えてくると言えばいいのか……他の方と比べて、パーソナルスペースが広い気がすると言えばいいのか。
あくまでも私の考え方なのですが、彼女のパーソナルスペースっていくつか段階があるんじゃないかと思っていて、そのうち1番外側が私たちファンが覗ける部分だと思います。
そこが他の方よりも広いからこそ、距離の近さを感じるのかなぁ……なんて思いました。あくまでも一個人の感じ方ではありますが。
「大人なレディーなわけですよ。今まで通用してきてた技が通用しなくなっちゃうんですよ。」と、ちょっと背伸びした話を笑いに変えてしまうところもまた彼女の魅力のひとつですよね。
「今日はここにいる君と最高の夏を作りたいので……みんな、最高の夏、作る準備出来てる?あともうちょっとで8月終わっちゃうよね。あっちゅう間に9月、あっちゅう間に10月、あっちゅう間に11月、あっちゅう間に12月。2022年ですよ、もう。たまったもんじゃない。」
時の流れの速さを語る斉藤さん。あっちゅう間に、っていう声のトーン、好きです。2022年も斉藤さん、よろしくお願いします。
4.誰よりも弱い人でかまわない
「多分うちのスタッフがね、巻いて巻いてってやってるから次の曲にいきます。せっかくなので次の曲はしっとり聞いて欲しいので着席してください。ここにいる君の時間を私は今日頂いています。1分1秒無駄にしないように、みんなこの目で、しっかりいっぱいシャッターを切ってください。」
と語ると、流れ出したのは「誰よりも弱い人でかまわない」
ここから語るのはあくまでも一個人の考えであり、私から見た斉藤さんの印象になっていきます。
私はこの曲に対しての斉藤さんのインタビューで心に残っている言葉があります。それは「自分の言葉で誰かを守れる人になりたい」という言葉です。
おこがましいようですが、ソロデビューのお話をいただいたときに一番最初に思ったのが、「自分の言葉で誰かを守れる人になりたい」ということでした。だからこそ「私もみんなと同じ、弱いところもいっぱいあるよ」という素顔を見せたかったんです。今回収録した6曲も自分のことを歌ってはいるんですが、聴く人にとっても「これは私の歌だ」と感じてもらえるような要素がいろいろ詰め込めたんじゃないかなと思っています。だから、ぜひ歌詞も読んでもらえるとうれしいです。
ソロデビューしてからの彼女は、間違いなく「弱さ」をさらけ出していたと思います。強くなきゃいけない、という想いがずっと彼女の中にはあって……だから、Aqoursのステージで1度も涙を見せたことがない。
勝手に強い人だと思っていたんです。私も含めてきっと他の方もそうなんじゃないかって思います。
でも実際は誰よりも努力家で、誰よりも臆病で、誰よりも妥協したくなくて、完璧でい続けたいと思っている。
そんな彼女だからこそ、より多くの人を魅了させてるんじゃないかと考えています。「弱さ」をさらけ出せるということは、その空間が自分の弱さを受け入れてくれるということ、つまり信頼しているということにも繋がると思います。
「誰よりも弱い人でかまわない」というのは、そんな斉藤さんの弱さと優しい空間が生み出した名曲なんだと思います。
強くて優しい人だ。
……あれ、おかしいな。頬が濡れてるや。
5.シャボン
ふわり浮かんだシャボン玉。
消えないように、そっと息を吹き込んで飛ばす。
彼方まで届けと、僕の思いを運んでおくれ。
幼少期の頃の記憶を思い出しました。庭先で、シャボン玉を作って、どちらが1番空高くまで飛ぶか幼馴染と競ったものです。
そんなありふれた日常にそっと馴染むような歌声に惹かれました。
……最近、よく聴いていました。
どこか切なさを含んだ、でも前を向けるような曲。
立ち止まりそうな人に、ほんの少しだけ勇気をくれる。
焦りと不安で忙殺されそうな人に、ちょっとだけ休息をくれる。
ライブ中、特に刺さったフレーズがあります。
気づいてるさ 永遠なんて無いんだね
きっと きっと きっと
だけど今は 今が弾けないように
そっと そっと そっと
空まで浮かべ
「永遠なんて無いんだね」って、歌われてしまったら、もう涙が止まりませんでした。この瞬間が永遠であって欲しいという場面には数多遭遇してきましたが、必ず終わってしまう。
それでも、その瞬間をどんな時間よりも楽しみ、慈しむことを繰り返してきて今の自分がいる。
シャボンというのは、きっとそんな自分を思い描いたものじゃないかって思うんです。
太陽の光が当たる角度によって色を変えながら、ひとりひとり違う高さまで飛んで、別のタイミングで儚く散っていく。
人生という有限な時間を例えたのが、この「シャボン」なのかなと思います。「空まで浮かべ」という言葉がとても力強くて、「命令」のようにも聞こえるけれども私はそうは思いません。
「願望」なんじゃないかなって思います。
この先もみんなの旅路がより良いものでありますように。空高くまで浮かぶようなシャボン玉でありますように。
そう歌う心に、私は強く感情を揺れ動かされました。だから、きっと……ふと目頭が熱くなったのかもしれません。
MC②
さぁ、どんな話が出るのかと思えばお昼ご飯の話。バンドメンバーは、フィナンシェを食べたそうです。なんとお洒落な食べ物……ではなく、お菓子ですね。
斉藤さんはライブの2時間前、ご飯が食べれないそうで、今日もゼリーしか食べてないそうです。バンドメンバーからは「可哀想」という労いの言葉も。
「みんな、食べていいね。いいよね。ずるいよ。」と、大人レディーを目指そうとしてたのに拗ねてしまった斉藤さんが可愛らしい。あとで食べたものをリプして欲しいそうです。
名古屋、大阪では「朱夏飯店」なるお店があったそうで……美味しいラーメンが出てくるそうです。あったらラーメン食べたいんです!と強く宣言しておりました。
そして一言「ラーメン一丁!」「はい、ラーメン一丁!」
6.親愛なるMyメン
私はステージ、しかも曲の間奏中にラーメンを啜る女性アーティストを見たことがありません。
今後一生見ることもないと思います。
食べ物がたくさん散りばめられたこの曲。名古屋、大阪であった「朱夏飯店」は……東京でもステージに来てくれました。朱夏飯店、開店です。
東京公演第1部で用意されたのは「サッポロ一番の塩ラーメン」と「チキンラーメン」
いや、2つも出るんかい!!と斉藤さん自身も驚きつつも、本当に食べだしました。だから、物販も納得ですよね。なんかラーメン屋に置いてありそうなものばかりだなぁ……とは思っていたのですが、まさかここに繋がるとは思いませんでした。
食べてみると「麺纏まってるじゃん。解れてないじゃん。」やら「もう1ついいですか?固い。」と辛辣なコメント。ステージ上の店長、副店長、更には従業員らしき人も登場して驚きの連続でしたね。笑
誰だよ、って斉藤さんも言ってて笑いました。
え、この曲、これでいいの?え、これライブでやる曲?と思うくらいに自分も動揺していたというか、頭が追い付いていませんでした。
その後、バンドメンバーの紹介というわけで、ひとりひとりのパフォーマンスが。これが生バンドならではですよね。
朱夏スタッフからのマイクスタンドを自慢しており、本当にひとつひとつ、ステージでの出来事を楽しんでいる。一緒に分かちあってくれている。そのスタンスが紛れもなく斉藤朱夏さんの個性だと思います。
7.ぴぴぴ
パッチワークに収録されている新曲。振り付け講座がありましたね。
頭に2つ角を生やして、アンテナの代わり。「君に」で前を指差しで、またアンテナを張る。その後に、片手の指差しを上へと伸ばしていって、ゆらゆらさせる。続いては、手のひらを頭上でクラップ。もう一度クラップ。そしてゆらゆら揺れながら、リズムに乗る。
という簡単な振り付け講座をしていたわけですが、斉藤さんのオタク、凄すぎる。あんな短時間で出来るんですね、皆さん。
音楽に合わせて始まったわけですが、ピアノが入ってきた瞬間にめちゃくちゃお洒落な曲に変わりすぎて、ド肝も抜かれました。
この曲、こんなにもお洒落な楽曲だったんですね。てっきり「パパパ」だから、その次の「ぴぴぴ」を選んだのかなぁ……なんて考えていました。
その他にも、照明がミラーボールになったりとどことなくディスコ感あるなぁ……と思いながら、全力で振り付けをしていました。これは、癖になる楽しさですね。
8.パパパ
「ぴぴぴ」と来たら、「パパパ」ですよね。知らんけど。
とお巫山戯ではなく、この曲はダンスシーンがとても印象的ですよね。特にMVのシンクロ率というべきか、斉藤さんのダンスもキラリと光る曲のひとつです。
最近、雨が降ることが多く、気持ち的に滅入ってしまうこともありましたが、不思議とよく口ずさんでいたフレーズがありました。
それがこの「パパパ」でした。
軽快な曲ですよね。足に羽が生えたみたいに軽くて、思わずスニーカーを鳴らしちゃうような曲。
「パ パ パ」のリズムで、ファンも一緒に手のひらを向けるのも凄く楽しいんですよね。なんか息が合っているような気持ちになって、同じ感情を共有してるような……そんな感覚。また一緒に踊りたいです。
MC③
「本当にこの2周年さ、色んなことがあって正直自分が思い描いてた2年とは全然違かったのね、やっぱり。どうしても止まらないといけないときがあったりとか、どうすればいいんだと去年とか斉藤朱夏突っ走って行くぞ!って、お前ら着いてこい!お!みたいな気持ちだったわけですよ。」
この2年の想いを斉藤さんは語ってくれました。
朱演2020『手つかずの明日』というイベントがあったことは皆さんご存知だとは思います。
●3月8日(日) 大阪:Zepp Osaka Bayside 開場17:00 / 開演18:00
●3月18日(水)愛知:Zepp Nagoya 開場18:00 / 開演19:00
●3月21日(土)東京:Zepp Tokyo 開場17:00 / 開演18:00
当時は、この日程で組まれていたんですよね。私も21日の東京公演に参加する予定でした。
しかし、昨今の情勢から振替公演が決まり、
●9月29日(火)東京:Zepp Tokyo 開場18:00 / 開演19:00
●9月30日(水)愛知:Zepp Nagoya 開場18:00 / 開演19:00
●10月6日(火)大阪:Zepp Osaka Bayside 開場18:00 / 開演19:00
へと変更になりました。ですが……その振替公演ですら、開催されることは叶いませんでした。
足掻き続けても、走り続けても、彼女の前にはずっと壁がありました。さぁこれからだ!という時に、この足止めを食らって、彼女は私たちの想像以上に葛藤していたと思います。
「予想もしなかった2年間でしたけど、自分の中で、この2年間で色んな道を走ってみました。この道はどうかな?じゃあ、この道はどうかな?あ、この道はダメなんだ……とか、色んなことを経験して、ちょっとだけですけどここにいる君のおかげで、前へと1歩前進しました。本当に君のおかげです。ありがとう。」
斉藤さんは、私たちファンのことを「君」と呼びます。信頼の表れでもあり、距離の近さを証明する通称ですよね。
色んな道を試した結果、1歩前進した。それは私たちファンのおかげだと言う斉藤さんですが、逆も然りですよね。ファンの皆さんも斉藤さんがいたからこの2年頑張って来れたと思います。
「誰かを応援することって凄いことだなって思うのね。それなのにやっぱり会えない日があっても君がいてくれて、君にたくさん勇気や笑顔をもらって、こんなにもたくさんの人がいるんだったら、じゃあもっともっと突っ走って、いつか君に会えるために、私は準備をしておかなきゃいけないと凄くあの2年間で感じました。
「誰かを応援することって凄いこと」と斉藤さんは、私たちファンに伝えてくれました。奇異な目で見られることも多い立ち位置の私たちが、それでもずっと大好きだと、応援していたいと思うのは、それだけ応援する人が素晴らしいということ。
私たちに会うための準備期間としてこの2年間を過ごしてきた斉藤さんだから、声を大にして伝えたいことがきっと山ほどあると思います。
「色んなことがあった2年間だったし、色んな道を行った2年間だったけど、すごくマイナスなイメージは持ってなくて、凄くプラスなイメージを持ってます。あの2年間がなかったら、今の私はいません。ただただ、この一瞬、この瞬間をここにいる君とただ生きたいだけ。そのために私はここまで走ってきました。」
「あの2年間がなかったら、今の私はいません」と言いきった斉藤さんには、その強さがありました。
きっと「君と生きたい」という原動力がここまで斉藤さんを引っ張ってきたのだと思います。いつか会えるその日まで、私は負けねぇぞ!と、掛かってこい!と、そんな強気な斉藤さんが私は好きです。
そして起こること、起きたこと全てをプラスな方向へと、イメージへと変えていく力を持つ斉藤さんは、最高にかっこいいです。
「だから、これからも、この先もきっといやーなこととか、何でだよって思うこと、たっくさんあるかもしれないけど、だけど……みんな、この1年間が苦しかったと思うんだけど、まだまだ分からない世の中だけど、でもそれを経験出来た私たちは最強に強いです。」
「最強に強い」と彼女に言われてしまったら、この先も何でも乗り越えられる気がします。そう強く語った斉藤さんに、会場からは溢れんばかりの拍手が贈られました。
まるで、その言葉にパワーを貰ったかのように……ひとりひとりの顔には笑顔と未来を見据えた眼差しがあったも思います。
「私はこの経験が出来たことをある意味感謝しています。中々ないよ、こんなこと。いずれ新しい命が宿って、色んなちっちゃい子たちにこういうことあったんだよ!って私たちが教えてあげよ。本当にこの2年間、色々あったけど、君がいてくれて、君が隣で見てくれて、凄く良かったなと思います。」
そして、今日ということを、こんな状況のことを未来へと語り継いで行こうとするその姿勢に可能性を感じました。
斉藤さんがいれば、もう何も恐れる必要は無いのだと。この先のことも全部嫌な思い出ではなく、良い思い出に変えていけると、信じることが出来るようになりました。
「私は私の道をこれからも進むし、君は君の道を進んでください。その先でお互いがちょっと道で会った時に、よ!って言って会おう。」
朱夏さんがライブに対する概念と言うべきか、考え方が私と似ていたんですよね。
私自身、他人と同じ道を歩むことは絶対ないと思っていて。それが、少し私の憧れの人でもある伊波杏樹さんの話と重なってしまうんですけども、それを語ると長くなってしまうので割愛させて頂くのですが……私の道とあの人の道が交わる瞬間というのが、ひとつだけあって。
それがこのライブだったり、イベントなんですよね。だから、私はこれらを「合流地点」という捉え方をしていたので、斉藤さんの言葉を聞いた時、思わず手をぎゅっと握り締めました。
「3年目もがむしゃらに、ただただ走り続けていくので、どんな壁があっても皆さん、ぜひ着いてきてください!でも君のペースでいいです。無理やりは、だめ。だから君のペースで、朱夏にちょっと追いつきたいなって、朱夏と一緒に走りたいなって思ったら、一緒に走ってください。そして本当にいつもいつも、ありがとう。」
どんな時も「君のペースでいいんだよ」と笑ってくれる斉藤さん。私は、彼女のあの言葉を反芻していました。
一緒に走ってくれたら嬉しいです
寄り道してもいいです。
でもまた一緒に走りたくなったら
君が戻ってこれるように隣あけておきます。
いつでも気軽に戻ってこれる
そんな空間を創り上げて行きたいと思ってます。
「きみの居場所」
「わたしの居場所」
どんな時も変わらずそこにいてくれる斉藤さんは、ヒーローです。
9.セカイノハテ
「それでは聞いてください。セカイノハテ」
「壁」を語った直後のこの選曲、あまりにも感情を揺さぶられました。
何がって逆光の中歌う斉藤朱夏さんなんですよ。セカイノハテの1番サビまでは、MVにもある通り壁に阻まれているんですよね。
ですが、サビで一気にその壁が取り払われる演出がカッコよくて、何度MVを見直したことか。そんな取り払う瞬間をどうライブでは表現するのかと思えば、一気に斉藤さんを照らすように照明が動きますからね。
それはそれは、鳥肌が立ちますよ。なんなら、あまりにも震えすぎて、サイリウムを握る手も震えましたし、変な汗も出てきましたね。
それくらいギアがもう一段階上がったような錯覚をする程の表現力で歌う斉藤さんから、もう離せませんでした。
加えて、超個人的なお話ではございますが、2021年現在1番聴いている曲がこの「セカイノハテ」でした。
TVアニメ「バック・アロウ」の1クール目のEDだったわけですが、ようやくつい先日このアニメを全て見まして……改めて聴き直すと、物語の登場人物と重なることが多くて、涙腺が崩壊していました。
これからも私の応援ソングです。
10.Your Way My Way
疾走感No.1楽曲と言っても過言ではないのかな、と一個人としては考えてはいるのですが、それはさておき。
この楽曲の最大の魅力と言えば「旗振りゲーム」でしょう。
観客席が半分に別れ、サイリウムの色を赤色と青色に変えて行うゲームです。斉藤さんが持つ旗の色と掛け声に合わせて、それぞれのサイリウムを空に突き上げるという誰もが通ってきたゲームですよね。
このご時世で声が出せないからこそ、せめてこのサイリウムで何か楽しいことをしたい!と思ったのかもしれません。実に斉藤さんらしい。
ライブって今は声が出せないから楽しめないじゃんという方。大丈夫、声が出せないからこそ楽しめる方法を、楽しんでもらう方法をアーティストさんたちは試行錯誤してくれています。
それにファンは乗っかるだけでいいんです。
それだけで、アーティストさんの力にもなれています。斉藤さんだってきっと同じ気持ちなんじゃないかな、って私は信じています。
EN1.ワンピース
アルコールに応えて登場した斉藤さんの1曲目は自身が作詞を手掛けた「ワンピース」
この曲のために、私はコンバースを買ったと言っても過言ではありません。
韻の踏み方が好きなんですよね。そして、何よりもこの曲に斉藤朱夏さんの2年が詰まっているような気がします。
天才なんかじゃないし 才能もないし
だから汗と涙をシャワーに流し
大丈夫 私を見てる君がいる
それだけで足は動く
ワンピース揺らし コンバース鳴らし
転んでもそれはそれでいとをかし
大団円にはまだ距離があるけど
走り続けるよ まっすぐに まっすぐに
天才じゃない、才能もない、それでも君が見てくれているだけで前へ進める。ある意味で私たちの応援に応えるアンサーソングにも聴こえて、心が暖かくなります。
「大団円」という例えも、今の情勢を表す一言で、それでもまっすぐに走り続ける斉藤さんが眩しくて、ずっと目がチカチカしています。
この曲に関しては、あまりにも受け止めきれてないことが多すぎるのでまた別の形で言葉を紡ぎたいと思っています。
MC④
「ワンピース」はやっぱりどの公演で歌っても緊張します、と赤裸々に気持ちを伝えてくれました。
朱演2021ホールツアー開催決定、パッチワーク発売、などと発表を改めて教えてくださいました。これまでの斉藤朱夏を知って欲しい、とソロ活動では自分を表現する斉藤さん。
「どんどんアーティスト活動をしてて、多分この芸能生活だと6年、7年目にいくのよ。グループもやって、その中でソロアーティスト活動もやって、その中で色んな景色を見てしまって……ちょっと欲張りになりました、私は。」
欲張りになった斉藤さんは、きっとこれからも止まることなく、走り続けていくでしょう。何よりもきっと彼女の言葉が照明してくれています。
「チケットを取ったけど、来れなかったよっていう人も多分たくさんいると思うの。だから、君とまた会うためもそうだし、チケットを取って中々来れないよって人とは、あと海外にいる人とかいたので、私は一生ステージ立ち続けようって思いました。」
斉藤朱夏、ステージに立ち続ける宣言。宣言した斉藤朱夏さんの眼差しは本気でした。飾った言葉ではなく、彼女は本当に一生立っていると思います。
「だから、この先君と会えなくなってしまったら、きっと朱夏は居なくなってしまうので、皆さん会いに来てください!」
今しかありません。彼女に会えるのは、一生立つとは誓ってくれましたが、25歳の斉藤さんに会えるのは今年一年しかありません。
12月10日につぎはぎのステージ、あります。9月にはファンクラブのイベントもあります。まだまだ止まらないので、是非一度足を運んでみてください。
人生、変わります。
「25歳になりました。まだまだ人生の道は長いです。その中でも君と色々な思い出作っていきたいです。これからも色んな思い出作っていきましょう。」
斉藤さんに出会って、世界は変わりました。
壁の向こう側にある世界を知りたくなる自分がいました。
自分が勝手に作っていた心の壁を壊して、何か掴みたくなりました。面白いですよ、今最高に。斉藤朱夏さんが強すぎるせいです。
負けたくないんですよね。
EN2.ひまわり
本気で向き合おうとして、常にその熱量に負かされています。私はこの曲にまだまだ向き合える自信がありません。
斉藤さんは、いつでも真面目に、ド正面から向かってきてくれています。目線を交わし、呼吸を合わせ、感情を共有する。
ファンと斉藤さんが一体となったあの空間こそが斉藤朱夏さんのライブの魅力なんじゃないかなって思います。
距離が近いからこそ、互いに互いを高めあっているからこそ織り成すことの出来るライブというのは、やっぱり生だなぁ……と思います。
「ひまわり」という曲は、斉藤さんを詰め込んだ曲です。あのハヤシケイさんとタッグを組んだ斉藤さんの曲は、毎回私の心を震わせてきます。
いつも 追いかけていたいよ
力強い歌声でした。
これが斉藤朱夏の覚悟なんだと思いました。
2年前、ソロデビューをした斉藤さんは、まだ子葉が咲いただけだったかもしれません。小さな種が芽吹いたけれども、水をあげないと伸びていかない。
2年間、雨風に晒されながら、それでも地面にしっかりと足をつけて、根を張って。
手を広げて、葉っぱを大きくして。
成長を続けて、茎を伸ばし続けて。
ひまわりという花を咲かせました。
「まだまだ私は、君のひまわりにはなれてないかもしれないけど、でもそれでもこれからも私は太陽に向かってまっすぐ伸びていくよ。だから君も私の背中を見ててください。」
朱演に咲く黄色の花は、いつだって太陽を見つめています。夜がやってきて、地面を向いたとしても、また明日の太陽に向かって伸び続けています。
そうやって手を伸ばし続けた結果、手づかずの明日にようやく手が届きました。
終わりに
ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
夜公演の感想ツイートを覗くと、色々と感情を吐露していた様子が伺えて凄く安心しました。
今日、1cm。明日も1cm。
そうやって成長していくのでしょう。
向日葵の成長スピードは、私たちの予測を遥かに超えていきます。気付いたら、自分の背丈よりもおっきくなっています。
それが、斉藤朱夏さんなんですよね。
気付いたら自分よりも高い所で花を咲かせていて、それでもまだまだ伸び続けている。
私たちにいつだって、熱い夏を呼んでくれる。
雨降り止まない今日だって、明日も必ずやってくる。
向日葵が枯れたとしても、また来年必ず……向日葵は咲く。
そう約束してくれたから。
──Keep your eyes on sunflower.