2016年、10月23日。
この日にちが何か分かる人はいますか?
……きっと多くは、誰かの誕生日、何かの発売日と口にするでしょう。
ただ、私の場合は少し違います。
今日は、私のお話をさせていただきます。
ちょっとばかり長いかもしれませんし、「自分語りなんて……」と思われる方もいるかもしれません。
感じたこと、思ったことをそのままに綴っていきます。
私の言葉に耳を傾けてもいいよ、という方はそのままスクロールを続けてください。
今日が何の日か、それは私が伊波杏樹さんに憧れ、「理想の女性」としての軸にした瞬間でもあります。7年前、私は伊波さんの言葉に触れ、追い掛けるようになったのです。
Aqoursとしての活動をきっかけに、私は伊波さんと出会うこととなったのですが、はじめは所謂”推し”という存在でした。スクフェス感謝祭の公開録音だったか、「ちょっと掴んでもいい?」という一言の可愛さに脳殺され、彼女に惹かれました。
それから「ラブライブ!サンシャイン‼」TVアニメ1期が始まって、高海千歌という存在を意識し始めます。彼女の言葉もそうですが、きっと伊波さんの影響も多くあると思います。
2016年、10月23日。私の人生が変わった日。
その日は、私の住む地域で開催された学園祭のトークショーがありました。その学園祭に、伊波さんが呼ばれるという噂を聞きつけ、受験生の身でありながら、そのトークショーへと参加できたこと、いやしたことは人生の中で、一番と言えるほどの最適解だったと思います。
その選択をしなければ、今の私はいません。断言できます。
まだ伊波さんのファンとの交流がなかった頃、高校3年生であった自分は、Twitterというツールで知り合った数少ないファンの方とそのイベントが始まるまでを楽しんでいました。
そのトークショーの内容を、すべて覚えているわけではありませんでした。ですが、たったひとつの言葉が、私のこれまでの7年を支えてきたのです。その言葉というのが……
「来るもの拒まずの姿勢でいること。自分が苦手だなと思ったことに対してでも、とにかくまずは受け入れる」
それだけ?と思われるかもしれませんが、あの当時の自分にはとても突き刺さる言葉でした。私は、とにかく人といざこざになる、喧嘩するというものが苦手で、臆病なのです。それは今も変わりません。簡単に人を嫌いになれないというか、なりたくないというか。
それは、小・中での経験があったからだと思うのです。典型的なスクールカーストで、威張り散らす女子と委縮するクラス。なんと滑稽なことか、と思うと同時に自分の中の勝手な正義感が、それを良しとはせず、立ち向かっていった結果……孤独になるのは、本当のことなんですよね。
1人でも生きていける、と半分くらいは信じていたのですが、正直泣きそうになる瞬間もあって。けれども、先生にも親にも迷惑を掛けたくない。黙って過ごすうちに、二度と誰かを同じ想いにさせたくない。自分が手を取れるうちは、その手を離さない。そんな人になろう。
と、青臭い考えを抱いていたわけです。恥ずかしい……。
語るのは簡単です。ただそれを実行するのは、とても難しい。
その「理想」は高く、簡単なことではないことをようやく自覚したのです。
ただの”普通”な人間の私には、難しいことを。高校生となり、自分よりもできる人間が山ほどいる場所へ入学すると、自己肯定感は更に低くなっていきます。
プライドの高い女子高という環境が、私をネガティブ人間へと変えていく……かのように思えました。伊波さんと出逢うまでは。
初めてでした。こんなにも自分の「理想」を体現する女性に出逢ったのは。
不器用なくらい真っすぐで、自分の信念を曲げない。軸がぶれない。他人に意見を押し付けるのではなく、尊重し、手を差し伸べる。隅っこにいるような人に声を掛け、引き込み……リーダーとして、誰よりも正面に立ちぶつかっていく。
その生き様は、私が思い描いていた人物と相違ありません。
その瞬間から、私の中で伊波さんは「女性としての理想像」である、と定めたのです。7年間、その軸がぶれずに追い掛けることができたのは、伊波さんのおかげであり、私にとっては大きな自信となりました。
普通の”私”にとって、何かを成し遂げるということは、成長でもあります。俯きがちで、控えめな自分の性格をそう簡単に変えることはできませんが、少しでも伊波さんのような女性になりたいと、改めて思います。
ただ、私は常に思っているのが「自分は伊波杏樹さんにはなれない」ということです。役者でもないですし、生まれた家庭も、育ってきた環境も……歩んできた道が違います。
だから、私は伊波さんにはなりたいとは思いません。伊波さんのような、自分の道を時には回り道をしながらも、自分の足でしっかりと歩いていけるような人でありたいのです。
そして、その生き様を、背中を、未来ある人々へ見せていきたいと思います。
おこがましいかもしれませんが、こんな人間でもできることはあるんだ!という意味もあって企画をしている部分もあります。自分が企画を通して伝えたいこと、やりたいこと、それは"きっかけづくり"です。
社会人になっても、何度だって"青春"は出来るんだ。
伊波さんに想いを届けたいけど"勇気"が出ない。
何か新しいことに自分も"挑戦"してみたい。
そんな誰かの背中を……押せる人間でありたいなと思うのです。
自分が企画をして、こんなんあるよー!!と開拓することによって、また新しい誰かが伊波さんを知ったり、何か生み出そうとしたり……そうやって盛り上がっていくこの居場所を、私なりに大切にしたいなと思います。
と色々と語ってはきましたが、そんな伊波さんと出会い、救われたこの人生を通して恩返しをするために、初めて企画したのが誕生日にメッセージアルバムを贈る企画でした。
9月から企画していた「伊波杏樹さん生誕祭〜輝跡〜」
— さらいん (@nanoha1007) 2018年2月7日
本日、郵送いたしました。参加者の皆様、本当にありがとうございました!
企画自体初めての経験、ましてやアルバム作りなど初でしたので…至らぬ部分もございますが、真心込めて制作させていただきました。
今年1年が幸せで溢れますように… pic.twitter.com/Hq7L20IBtG
今ではもう当たり前のように造っているのですが、あの当時は怖くて怖くて……正直、自信はありませんでした。ただただ、参加して下さった皆様の想いを届けることに必死で、夢中でした。
それから毎年ひとつ、またひとつと手作りのアルバムを作る度に、「きっと届いてるかなぁ……届いているといいなぁ」と願うだけでした。
参加して下さった皆様がいるからこそ、成し遂げられた企画が多く、それは段々自信へと変わっていきました。
本当に、参加して下さり、ありがとうございました!!!!!
別に返信を求めていたわけでもないですし、私が届けたいからやる、作るの精神でいました。見返りが欲しいから、とかそういうわけではないのですが……想いはきちんと届く、というのはこんなにも幸せなことなのだと知りました。
2023年、10月19日。
とある画像がインスタで公開されます。
そのタイミングは、丁度運転していた時。運動会へ向けて、髪を切ろうかな……と床屋さんへと向かっている最中の出来事でした。
いつものようにインスタの更新通知。なんとなくその通知が「あー。もしかしたらちょっと前のやつかなぁ」と思った自分がいました。
ほら、よくありませんか?通知が次の日にやってくると。とか。ついったさんとか特にそうだなーって思っていて。
いつもと変わらず、伊波さんの自撮り……オフショットの写真だと思っていました。
タップして……思わず目を疑いました。
このアルバムに、私は見覚えがあります。
数週間前まで、なんなら触っていた(言い方)ものです。我が子のように、丁寧に作り上げたアルバム。
「ラブライブ!サンシャイン!! 沼津地元愛まつり 2023」に出演される伊波さんへ、89人のファンから贈ったものでした。
「伊波杏樹さん応援メッセージ企画~SUKI,NUMAZU,SUNSHINE~」へのご参加、誠にありがとうございました!!!!!
— さらいん (@nanoha1007) 2023年9月29日
本日、宅急便にて郵送させていただきました。
中身をパラパラと、爆速でお見せします。
曲とページをアタフタと捲っている、最高にシュールな動画をお楽しみください!!! pic.twitter.com/LRw8Vg41Xj
どこかで話はしましたが……去年の8月に開催された地元愛祭りでは、Aqoursで唯一伊波さんだけが参加されませんでした。
当時、ミュージカルで全国を回っていたからでしょうか。理解する自分がいましたが、そんな彼女へ向けて赤い言葉、青い言葉が飛び交っていたことを今でも思い出します。
「Aqoursを踏み台にしている」
そんなわけが無いだろう。と思うけれども、実際そう見えてしまうのだろうか。確かに1人だけ参加しないのは寂しい気持ちもあります。
ただそれを考えずに発信するのは違うと思い、何も言えない自分がいました。あの時ほど、自分の無力さを呪ったことがありません。
極めつけは、その年の12月25日にあった単独イベントで、伊波さんが吐露した感情に、思わず握り拳を作って震えていました。
自分一人の力がなんとちっぽけなことか、と。
だからこそ、沢山のファンと力を合わせたい。いな民を増やしたい。絆を固くしたい。
そんな想いが積み重なっていき、この地元愛祭りでアルバムを贈ることを決めました。
去年、あまりにも悲しい出来事があったから。
伊波さんが安心してイベントを楽しんで欲しかったから。
「おかえり」と出迎えられるような暖かい場所を作りたかったから。
そんな想いが溢れ、愛する沼津の好きなところと伊波さんへ向けたメッセージを募り、形にして、彼女の事務所へと送りました。
届いたタイミングがいつなのか、それは分かりません。
ですが、何より託してくれた想いが届いたことが、本当に本当に嬉しかったです。「私は、きちんと皆様の想いを伊波さんへと届けられた」のだと。
でも、ほんの少しだけ傲慢な自分を見せてしまうのなら……アルバム、欲しいです。笑
後に感謝のスペースを開いていた時のことなのですが、あのアルバムに直筆で文字が描かれていたんですよね。私、当初全く気付かなくって。
よくよく写真見て「あれ?なんかこの角度でこの文字置かれてるのおかしくない?加工にしては……」という発言から、リスナーの皆様が直筆ですよ!と教えてくださり、発狂してました。
「あぁ。そうですかぁ……はー、いや、夢ですかねぇ」と現実逃避を始めた自分と、「逃げるな!」と囲うリスナーという構図。傍から見れば面白いのですが、それも笑い話です。
「ちょっとでいいのよ、救いなんて。と思ってる。ほんとちょっとでいい。ちょっとあるだけで、いいっていうかね。」
— 伊波杏樹さん名言・名場面bot (@Inami_Meigen) 2020年10月5日
〈2020.10.02 Inamin Town会員限定「オーディオコメンタリー付きライブ鑑賞会」〉
いつだったか、伊波さんが話していことを思い出しました。「ちょっとでいいのよ、救いなんて」と。
私にとっては、これが救いだったんですよね。この投稿が……この写真一枚が。
これがどれ程の力になっていることか。本当に。
私だけでなく、事務所へ宛てた手紙やプレゼントは、他の方も沢山贈っていらっしゃって、それも届いているよってことなんだと思います。
触れる必要がないことを、あの人は触れて、声にして、言葉にして伝えてくれる。
それが私の憧れる……いや、私が「理想」として掲げる伊波杏樹さんです。
届く。想いは、絶対。