皆様、お元気でしょうか?
新型コロナウイルスの影響で、思うような生活を送ることが出来ず、歯痒いような気持ちを抱きながらの生活を送っていたかと思います。
自粛生活が徐々に緩和されつつ、まだまだ注意していかなければならない昨今の情勢ではありますが、ここで皆様にひとつお知らせがあり、こうして筆を取らせていただきました。
先日、私が冬コミの際に寄稿させて頂きましたAqoursキャスト推し語り合同誌「I like that about you-Aqoursキャスト9人の魅力を語る合同誌-」の主催からご連絡があり…
本日6/1(月)0時以降より寄稿いただいた原稿の公開許可が出されました。
つきましては私が担当させて頂きましたAqoursキャスト、伊波杏樹さんの魅力を綴った文章の全文を公開することにしました。
全文公開、です。
現状、中々イベント等の開催中止又は延期などが続き、満足に推し事が捗らない日々が続いているとは思いますが、少しでも皆様の推し事の力になればと思い、公開させていただくことを決めました。
原本となる本は、既に多くの方が手に取っていただいているようで…嬉しい限りではございます。本来、縦書きで綴られた文章たちですが、今回はブログでの掲載ということもあり、多少修正が入っていたり、画像等も挿入しております。
楽しみながら最後まで読んで頂ければな、と思います。
最後に、ひとつだけお願いしても宜しいでしょうか。もしこの文章を読んで、少しでも心が動かされた方がいましたら、どうか…広めていただけないでしょうか?
というのも、私情とはなりますが、ただいまTwitterから距離を置いていまして…このご時世での就活やSNSでのトラウマのようなものが蘇ってしまい、それらの不安要素が心を少しずつ蝕んでいました。
TLやツイートを中々見よう、という気持ちにはならず、そういった対応を取っている次第です。
情緒不安定なのは、自分自身の弱さでもあるのですが、私は変わらずに生きていますのでご安心下さい。「ただいま」と言って、私は絶対に帰ります。
ですので…図々しいお願いかもしれませんが、よろしくお願い致します。
それでは、以下の文章がAqoursキャスト推し語り合同誌に寄稿した文章の全文になります。
伊波杏樹の強さとは
さらいん
【はじめに】
読者の皆様、初めまして。
私の名前を初めて見るぞ!という方も多くいると思うので、ここで軽く自己紹介をさせてください。
私はさらいんと申します。
伊波杏樹さんをこよなく愛し、「ダイスキだったらダイジョウブ」精神で、伊波さんのために何かをしようとするオタクです。
普段は「はてなブログ」というツールを使ってよくブログを書いています。今回はこのような合同誌に参加させていただき、こうして皆様に文章をお届けできることを嬉しく思います。本当にありがとうございます。
「Aqoursキャストそれぞれの魅力を語る」というのがこの合同誌におけるテーマです。伊波杏樹さんの魅力についていくらでも(笑)語ってくださいと言われているので、自由に「愛と思いやり」をもって書かせていただきます。
伊波さんは元々Aqoursとして活動する前は舞台役者として活動されていました。今は、Aqoursのリーダーとしてステージに立ちながら、舞台役者としても活躍されています。
Aqoursの高海千歌役としての立ち振る舞いからは、舞台で培われてきた力が遺憾無く発揮されているように感じられます。
舞台役者として1番ポテンシャルが垣間見えた瞬間というのは「Aqours First LoveLive!〜Step!ZERO to ONE〜」で「MIRAI TICKET」前に披露された寸劇ではないでしょうか。
ラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ第13話「サンシャイン!」の寸劇を、実際に再現したあの日。キャラクターとキャストのシンクロが織り成すその世界観に、多くの人が魅了されたことでしょう。
その中でも、一際輝く女の子がひとり。伊波さんの表情に、声音に一瞬にして惹かれてしまいました。
「悔しい・・・。悔しいんだよ、私・・・。やっぱり悔しいんだよ!0だったんだよ? 悔しいじゃん!」
─ラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ第13話「サンシャイン!」
あの演技力は、伊波さんだからこそ生まれたもの。高海千歌という女の子を体現出来るのは伊波さんしかいないな、とこの時強く思いました。
突然ですが皆さんにひとつ質問があります。
伊波さんってAqoursにおいてどんな存在ですか…?
きっと多くの方が「高海千歌役のキャスト」「Aqoursのリーダー」と答えるでしょう。
伊波さんは「グループのリーダー〝的〟存在」と語ることも多く、彼女が命を吹き込む高海千歌ちゃんに至っては「〝一応〟リーダー」と自らを称しています。
〝的〟や〝一応〟と、曖昧な表現をしていますが、私から見れば伊波杏樹さんと高海千歌ちゃんは、紛れもない「リーダー」であると言っても過言ではないと思います。
そもそも「リーダー」というのは何なのでしょうか。「リーダー」と言われて、皆さんは真っ先に何を思いつきますか?
リーダーと言うのは、部活動で例えるなら部長やキャプテン、会社で例えるなら社長や店長…と言った、所謂「組織やグループの中心となって動いたり、意見を纏めたり、指示を出す人物」のことを差します。
そんなリーダーについて語る上で欠かせない理論があります。それが「リーダーシップ論」という理論のことです。
「リーダーシップ」は、古くから学問として研究されてきた歴史があります。リーダーシップの理論は古く、紀元前から着目されており、ソクラテスや孔子などの言葉は、現代でも信念として参考にしている人も多くいます。現代のリーダーシップ理論は1900年代から研究されています。
以前、私はこの「リーダーシップ論」の話をはてなブログで書かせていただきました。というのも「何故伊波杏樹さんはAqoursのリーダーなのか」ということを語るために、この「リーダーシップ論」を交えながら語ったにすぎません。
「You are the leader Aqours!〜Aqoursのリーダーについて考える〜」というはてなブログの記事が、私の記事となります。もしこの文章を読んで興味が湧いた方は、併せて読んでいただけますと幸いです。
その記事では、こう最後に私は綴りました。
リーダーの素質とは何か。それは「仲間が認めた者」だと。確かに彼女はリーダーと呼ばれる一種の指導者には向いていないかもしません。ですが、人を率いるために本当に必要なのは、それではないと思います。仲間に認められて初めてリーダーと言うのであって、どれだけ伊波さんが「リーダーに向いてない!」と言っても、誰かが「伊波さんはリーダーに向いてない!」と言っても、Aqoursメンバーが伊波さんのことをリーダーである、と言うのならば彼女は「Aqoursのリーダー」なんです。
リーダーとは、仲間に認められた者だと、私は思っています。その点において、伊波さんはAqoursメンバーみんな信頼され、リーダーだと思われていると思います。
さて、ここまで自己紹介を含め伊波さんの舞台役者としての一面、リーダーとしての一面を語ってきましたが、私はここで1つ疑問を抱きました。
「なぜ彼女は強いのか」
もちろんこれは物理的な意味だけではありません。 伊波さんは空手を嗜んでいましたからね、物理的に強いのは誰もが知っています。
私が注目したいのは、精神的な強さの方です。
皆さんもAqoursのライブの中で感じることはありませんか?
1stライブでは誰よりも早く、真っ先に逢田さんの元へ駆けつけました。
2ndライブでは「相思相愛」だと、感謝の気持ちを伝えてくれました。
3rdライブでは挑戦する勇気を教えてくれました。
4thライブでは生の声で想いを届けてくれました。
紅白歌合戦では、Aqoursの魅力を世界へ届けてくれました。
5thライブでは始まりは大好きな気持ちだけだった、と語ってくれました。
この人は、なぜこんなにも…こんなにも精神的に強くいられるのか疑問に思いませんか?
普段「ネガティブ」という言葉が口癖のような彼女は、なぜこんなにもメンタルが強いのか、不思議でしかありません。ですので、本稿では「伊波杏樹の強さ」について語っていきます。
伊波さんの強さは、主に三つあると私は思います。 ここからはその三つの「強さ」についてご紹介していきます。
【自分を信じる強さ】
1つ目は「自分を信じる強さ」です。「あの、あなた先程彼女はネガティブって言葉が口癖って言いましたよね」と思われた方も多いと思いますが…私はネガティブな人こそ、自分を信じる努力を惜しまないと考えています。
目標に対して自分はやり遂げることが出来ると、自分を信じるために、自信をつけるために、人は努力すると思います。皆さんも人生で一度は体験したことはあるでしょう。
誰かが〝努力〟の天才、だなんて彼女を例えているのを耳にしたことがありますが、その努力に関してちょっとしたエピソードを読者の皆様に語りたいと思います。
皆さんは白熱電球や蓄音機、活動写真や電力システムをはじめ、生涯で1300もの発明を成し遂げた「発明王」と呼ばれるトーマス・エジソンという人を知っていますか?
現代に生きる私たちの生活の基盤を作り上げた彼の偉業は、今更ここで取り上げるまでもないでしょう。そんな偉人であるエジソンが残した有名な言葉があります。
Genius is 1 percent inspiration and 99 percent perspiration.
この英文は「天才とは1%のひらめきと99%の努力である」という意味です。無心になって努力し続ければ、心は強くなるかもしれません。ですが…何かを成し遂げるには努力だけでなく「努力を効率化するための工夫」が必要だと私は思うのです。それがここでいう「ひらめき」に値すると思います。
日本では「努力とは、長時間頑張ること、自分に負担をかけること」という雰囲気が根強い気がします。たしかに長時間の頑張りが必要な時もあるでしょう。ですが、それが全てではないはずです。自分の目標を見つめ、何が必要なのかを把握し、計画的にそれを実行する。
伊波さんは、それが出来ていると思います。はじめに目標を定め、そこに向かって何ヶ月でも何週間、あるいっとき、努力し、とことんやり抜く。
具体的な例をあげるとすると、 「Aqours 3rd LoveLive! Tour ~WONDERFUL STORIES~」のバク転ではないでしょうか。
「たった1回のバク転に自分の全てをかけて跳んで紡げる物語があるのなら挑戦したい」
―電撃G'sマガジン号外 ラブライブ!サンシャイン!!Aqours Autumn Special 2018(2018.09.29)
そうインタビューで答えていた彼女は2ndライブツアーファイナルの地でもあったメットライフドームで宣戦布告をしていました。
「3rdライブツアーでは絶対にびっくりさせてやるからな!期待して待っているんだぞ!!」
―Aqours 2nd LoveLive! HAPPY PARTY TRAIN TOUR 埼玉公演Day2(2017.09.30)
この宣言は、3rdライブでのバク転のことを指していました。彼女は自信を作るために目標を口に出して退路を断っていたのです。
退路を断つという厳しさを課すためには、その厳しさとしっかり向き合い、受け止める勇気と覚悟が必要です。
見事伊波さんはバク転を成功させましたが、その裏側には私たちが知らない努力や葛藤、挫折が多くあったと思います。上手くいかず涙を零したこともあると思います。メンバーに心配させないよう、相談せずに練習に取り組むこともあったと思います。インタビューでもプレッシャーに押し潰されそうになったと話していました。
「ただなかなか練習時間が確保できない中、刻々と3rd LIVE TOURが近づいていって。プレッシャーに毎日押しつぶされそうになっていました。最初は心配をかけたくなくて、アクロバットの練習をしていることをメンバー全員に黙っていました。打ち明けた時には、バク転が完璧に跳べるようになっているのが自分の中では理想だったんです。だからこそリハまで練習の過程を見せてこなかったことで、もしかしたら「本当に大丈夫かと思わせているんじゃないか、不安を煽っているんじゃないか、とかネガティブに考えてしまうこともありました」
―電撃G'sマガジン号外 ラブライブ!サンシャイン!!Aqours Autumn Special 2018(2018.09.29)
2018年に開催された「An seule étoile」では、私は考えを改めさせられました。〝努力〟の天才、だなんて言えない。言っちゃいけない。どこか彼女のことを神格化していた自分がいたことを恥じました。
「みんな知ってるかもしれないけど、ライブで大技に挑戦することになったりとかね…本当に…いつかぽっくり逝っちゃうかもしれないって思ってたんだよ。今だから笑って言えるけど、本当に何が起こるかわかんないからさ。だから色んなことを経験していく中で、ステージに経つことが怖いと思った瞬間でもあった。なんか…このまま出なければ、辛いことに直面しなくていいとか、思っちゃう自分がいたりしました」
―An seule étoile(2018.12.25)
この話を聞いて、初めて伊波さんが一人の女性なのだと思いました。大技への挑戦に押し潰されそうになったり、辛いことから逃げ出しそうになったり…私たちと同じ1人の人間です。それでも彼女は逃げなかった。諦める、ということをしなかったのです。
あの期間中、誰よりも自分自身を見つめ直し、己を知り、自分の信念を貫いたのは彼女です。そして自分の信念を貫き通した彼女は、自分を信じる強さを持っていると思います。
努力する中で、ダメな所はどこか、自分の弱点は何か…考えて、修正して、とことん自分を追い込んでいると思います。その経験が「強さ」へと変わっていく。
それが「自分を信じる強さ」だと思います。
伊波さんは「自分を信じる強さ」を持っています。
【人を大切にする強さ】
2つ目は「人を大切にする強さ」です。それは、他人を思いやるということでもあります。
伊波さんが「ネガティブ」という言葉を言うように、もうひとつ口癖のように言っている言葉があります。
「愛と思いやり」
ライブが始まる前、伊波さんはよく「愛と思いやりをもって楽しみましょう!!」と口にします。それは彼女自身が演じるキャラクターを愛し、訪れるファンを思う心を持っているからです。
「感謝の気持ちでいっぱいです!今日私たちに会いに来てくれたみんな、LVの全世界のみんな、そしてここの会場にいる全ての皆さんに大きな拍手をお願いします!!!みんなのその愛と思いやりと優しさが大好きです!」
―Aqours 3rd LoveLive!Tour~WONDERFUL STORIES~3福岡公演Day2(2018.07.08)
感謝の気持ちを伝えるために、大きな拍手をしてくれます。それは…どんなライブでも同じです。
自分たちだけでなく、携わった人全てへ、そして10人目の私たちへ。誰一人として、彼女は感謝の気持ち忘れません。
ソロイベントでは、普通では考えられないこと出来事がありました。
一般的には、ファンから出演者に向けてプレゼントボックスにプレゼントや手紙を入れたり、フラワースタンドや楽屋花を贈ったり、というのが普通だと考えられています。
ですが、伊波さんはその考えを覆しました。
彼女から私たちファンへ向けてフラスタやクリスマスプレゼントが贈られたのです。それは伊波さんが「人を思いやる強さ」を持っているいうことの現れだと私は思います。
また、伊波さんは誰よりもメンバーを思うことが出来る人だと思います。それは、Aqoursのステージにおける彼女の意識の在り方から感じます。
「Aqoursでも何かあった時は必ず助けるし、大丈夫って言えるような存在でいることを心がけています」
―BRODY 2017 11月号
「リーダーっぽい仕切りはしないけど、やんわりと空気のようにまとまっていく、みたいな。でも、ちゃんとしなきゃ、とは思ってます。たとえば、ステージ上で誰かに何かあったときは、必ず自分が助けるという意識は持っていて」
―DA VINCI NO.288 APRIL2018
そんな伊波さんの意識が行動として見られる出来事が2つあります。
1つは、2017年2月26日「Aqours First LoveLive!〜Step!ZERO to ONE〜Day2」での出来事です。
ピアノ初心者であった逢田さんが、梨子ちゃんと同様に「想いよひとつになれ」を生演奏するというかつてないほど大きな"挑戦"は、私たちファンに驚きと期待をもたらしてくれました。
彼女にとっては、そのプレッシャーは重く、ピアノに対しては誰よりも向き合っていたはずです。
ですが…逢田さんだって、1人の人間です。もちろんプロだからこそミスは許されない、という人もいるとは思います。私は、音楽のプロでも声優という道のプロではありませんし、彼女たちがどこまでのレベルを求められているのか…など憶測でしか考えられません。それでも人間は、ミスをしない!とは言えないと思います。
2日目、逢田さんのミスタッチから演奏は止まり、彼女はその場で「ごめんなさい…!ごめんなさい…!!」と自責の念に駆られ、心が折れそうになりました。
そんな彼女の元へ真っ先に駆けつけ、抱きしめたのは伊波さんでした。後に続くように鈴木さん、諏訪さんと、彼女の元へと駆けつけ、励ましていました。
それでも彼女は自分を追いやり、ついには呼吸さえままならず、誰の目にも崩れ落ちて見えました。そんな中、伊波さんはタオルと水を取りに戻り、彼女へと渡し言いました。
「梨子ちゃんなら大丈夫、できるよ」
―Aqours First LoveLive!〜Step!ZERO to ONE〜Day2(2016.02.26)
そう小声で声をかけ、また自分のポジションへと戻っていきました。当時のことを伊波さんは全く記憶がない、と話していました。それは咄嗟の判断、衝動的な動きであり、意識して動いていたわけでは無かったから。
ただ梨子ちゃんを支えよう!その一心であの瞬間…誰よりも早く彼女の元へと駆けつけたのだと私は思います。
後ほどのインタビューでも語っています。
「実は全く記憶がないんです。ピアノが途切れてしまったところで、何が起きたか分からなくなってしまって。右をみたらあいきゃん(小林)が泣いていて、後ろを向いた瞬間から記憶がなくなっているんです。衝動的に動くってこういうことなんだなって、あとから教えられて気付きました」
―声優アニメディア2017年5月号
もうひとつは、2018年3月11日「Aqoursクラブ活動LIVE&FAN MEETING〜Landing action Yeah!!〜in CHIBA Day2」での出来事です。
1日目のライブ中に足を怪我してしまい、2日目夜公演のパフォーマンスへと参加することが出来なかった鈴木さん。
自分の口からステージを辞退することを伝えるのは勇気のいることだったと思います。目尻に涙を貯めながらも、決して涙を零すことなく笑顔でいようとし続けた鈴木さんの姿に、胸が締め付けられたのをよく覚えています。会場の雰囲気は少ししんみりとしてしまい…そんな時でした。
「でもね!トークパートは出来ますから!」
―Aqoursクラブ活動LIVE&FAN MEETING〜Landing action Yeah!!〜幕張公演Day2(2018.03.11)
誰よりも早く、誰よりも優しく、誰よりも気遣い、そんな言葉を発した伊波さん。
「めっちゃかっこよかったみんな!!」
―Aqoursクラブ活動LIVE&FAN MEETING〜Landing action Yeah!!〜幕張公演Day2(2018.03.11)
と笑顔で言葉をかける鈴木さんに対して…
「いっつもかっこいいんです、あなたも!!今日もかっこいいんです!!」
―Aqoursクラブ活動LIVE&FAN MEETING〜Landing action Yeah!!〜幕張公演Day2(2018.03.11)
と、即座に返す彼女の姿。
どうでしょう?かっこいいですよね。
自分が不安になった時、責任を感じている時、即座に反応して励ましてくれる存在ほど心強いものはありません。誰よりもメンバーを思っているからこそ、この返しが出来ると思いますし、ステージだけでなく、いつもメンバーを大切にしていることが分かります。
「人を大切にする強さ」を伊波さんは持っています。
【自分の弱さを受け入れる強さ】
2つ目は「自分の弱さを受け入れる強さ」です。
私が思う伊波さんの強さの大部分を占めるのは「自分の弱さを受け入れる強さ」だと思います。
彼女は「ネガティブ」が口癖だと私は言いました。ですが、普段Aqoursで活動していたり、舞台の上に立つ姿を見ていたりすると「全然そんなことないじゃないか」と思う方も多いと思います。
それは、彼女は私たちが知らない瞬間に、自分の弱さと向き合っているからだと私は思うのです。彼女がステージで弱音を吐くことはほとんどありません。何故なら、彼女はAqoursのリーダーであり、その演じるキャラクターに命を吹き込むことの出来る唯一無二の存在だから。
ですが…○○役ではない伊波杏樹さんは、時たまにポロリと零すのです。自分が抱えていた想いや苦悩を、偽りなく、真っ直ぐに伝えてくれるのです。
伊波さんは以前からミュージカルに出演することが夢でした。だからこそ、そのオーディションを勝ち取ることができず、立ち止まりそうになっていた頃の苦い思いを語ってくれたことがありました。
「ミュージカルに出るのが夢で、そんな中でチャンスはあって、でも最後までいって掴めなかったんです。うん。で、なんかその自分の情なさ、自分の力量の足りなさが凄い悔しくて、そんなことを経験しながら2018年、私が思うのは生きるって言うことの意味を考えた年でした。誰のために生きるのか、何のために生きるのか…みんなのひとつひとつの言葉にとにかく救われた1年だったんです」
―An seule étoile(2018.12.25)
そんな自分の弱さを、彼女は受け止めています。
もちろん誰にも相談することなく飲み込むこともあるかもしれません。ですが、こうやって誰かに伝えること、弱さを見せることが出来るというのは、同時に強くなれるということだと私は思います。
『落ちた後に、登る以外に道はなし!』
これはある漫画の中で出てきたセリフです。言葉通りの意味ですが、伊波さんはその弱さを受け入れて、前を向いて登り続けていると思います。
人間、何かを成し遂げたくて、でも上手くいかなくて…結局諦めてしまう。夢、というのはそこら辺の道端にコロコロと転がっているはずなのに、それすらも気付かず、自分の夢を諦めてしまう人が多いでしょう。
伊波さんが挫けそうになった時、それを救ったのは私たちだと言っていました。
「一応私も、人間なんで、弱いところも、駄目なところもあるし、みんなだってあると思う。色んなことを投げ出したいと思う時もあると思うんです。私がそうだった。でも、たったひとつの星が、たったひとつの輝きが、私の心に光をくれて、みんなが私を引き上げてくれた。だから、私はステージに立ちたいと、芝居がしたいと、歌いたいって、みんなに色んな想いを伝えたくて、こういうステージに立ちたいって、大きな声で叫ぶことが出来ました。みんなは凄いんだよ…1人ひとりが。こんな158cmのちんちくりんを、この1年間、1年間だよ?それより前からかもしれない。ずーっと引き上げ続けてくれてて、光を引き伸ばし続けてくれている。みんながいるから、私はこの仕事を続けていられます」
―An seule étoile(2018.12.25)
そんな伊波さんが夢であるミュージカルに出演する、という情報を聞いた時、私は涙が出るほど嬉しかったのです。まるで、自分のことのように嬉しかった。お前は伊波さんの母親か!と言われそうですが。笑
伊波さんは、きっとネガティブだからこそ、自分の弱さを知っているからこそ、強いのだと思います。自分が誰よりも努力しなきゃいけない、"最弱"だからこそ"最強"になるために頑張る。
それこそが伊波さんが持つ「自分を受け入れる強さ」なのかなと思います。
【終わりに】
長々と綴ってきましたが、そろそろ終わりに近づいております。
「伊波杏樹の強さ」について本稿では語りましたが、少しでも皆様の心に残ったものはあったでしょうか。
少しだけ自分のことを語らせていただくと…私が18の時、もうかれこれ3年前となりますが、その時に伊波杏樹さんと出逢いました。
最初は「高海千歌役の人!」という認識でした。皆さんと同じです。ですが、ある時それが変わりました。
そのきっかけとなったのが、地元で開催されたトークショーの中で彼女が夢を追いかける若者へのメッセージとして贈った言葉です。
『来る者拒まずの姿勢でいること』
私はこの言葉を聞いたとき、自分の中の理想像と彼女がぴったりと当てはまりました。考え方、生き方、人との関わり方…どれをとっても、伊波さんは私が目指す〝女性としての理想像〟でした。
その日から、私にとって伊波さんは「憧れ」に変わりました。その気持ちは今も変わりません。ずっとその気持ちを胸に抱いて、追いかけて来ました。
伊波さんに近付きたい一心で頑張っても、彼女はそれ以上に頑張っている。遥か遠く、手の届かないような存在です。
だからこそ、追いかけたい。
あの人みたいな女性になりたい。
そう思い続けてやってきました。
まだ私は夢を追いかけている途中です。もしかしたらこの文章を読んでいる皆様の中にも、私と同じように夢を追いかけている人がいるかもしれません。
伊波さんって、本当に強い人です。
ひとりでも生きていける、と、他者との関わりさえ億劫になって、何か夢中になれることも、夢も持っていなかったひとりの高校生の人生を変えてしまいました。
そんな憧れの人だからこそ、私もこの人の魅力を届けたい。彼女が見る景色を、同じように見たい。そう願って、こんな文章を書いています。
私にとって、ブログではなく〝本〟という形で文章を出すことは夢でした。ですので、この合同誌の企画に、しかも伊波杏樹さんのことで書いてほしいと誘われた時、涙が出るほど嬉しかったです。
文章力なんてものに自信はありません。ですが、伊波さんへの想いなら紡ぐことは出来る。彼女の魅力を読者の皆様に伝えたい想いで、ここまで書いてきました。
少しでも伊波さんの魅力が伝わったなら、嬉しいです。最後となりますが、彼女には3つの強さがあると私は言いました。
自分を信じる強さ。
人を大切にする強さ。
自分の弱さを受け入れる強さ。
たくさんの「強さ」があるから、彼女は毎日笑っていられるのだと思います。
「みんなの笑顔が、たくさんたくさん私の背中を押してくれて、諦めずに前に進むことが出来て、夢を掴むことが出来ました」
─An seule étoile ~rythme d'été~(2019.08.12)
ミュージカルの夢を叶えた後、彼女はそう語りました。
だから私も彼女にこう伝えたいと思います。
「伊波さんの笑顔にあの日救われて、何かに向かって頑張る力へと変わっていきました。いつか…夢を叶えます」
皆さんの夢は何ですか?
それを叶えるための力となる強さはありますか?
私は、伊波さんから夢を貰いました。夢を見つけることが出来ました。
3つの強さ…それだけで彼女の魅力を伝えることが出来たとは思いません。
なぜなら、伊波さんの魅力について考えるのは、この文章を読んでいる読者の皆様だからです。
もしいつかその機会が訪れたのなら…皆さんが思う伊波さんの魅力を教えてください。
私たちの想像を軽々と超え、その先のまだ見ぬ地平線へ向かう伊波さんのことを、これからも応援しております。