「2年。2年か。」
特別な意味を含んだ僕の独り言は、風に攫われてしまった。
奇妙な伝染病が、僕らを分断してしまってから世界は変わってしまった。環境も変わってしまった。
みんながマスクをして、アルコール消毒をして、距離を保って……どこかよそよそしいというか、互いに牽制し合うような世の中になってしまった。
発声することが叶わず、密になるイベントは「中止」という壁に阻まれていく。
エンタメ界に分厚い壁があっても、ただの一般人の僕には何もすることが出来ない。
歯痒い、もどかしい、悔しい、苦しい。
青い感情が、ずっと僕の心を蝕んでいる。
どんなに拭っても、拭い去れない。
心を汚す感情に、やり場のない気持ちが向かう。
刃物のように人を突き刺し、誰かを傷付ける。
そんな今の世の中が僕は嫌いだ。大嫌いだ。
「エンタメっていうものを、私は絶対に無くしちゃいけない!と思っていて」
不穏な空気の中で、1人の女性が言葉にした。
誰だ、誰なんだ。
もういいじゃないか、こんな世の中で叫んだって、何も変わらないじゃないか!
「やっぱり悩むこと、すごい多いと思うの。行っていいんかなぁとか、行ってまわりになんか言われちゃうんじゃないかなって、誰しもが思ってて。でも好きなものを好きでい続けるために、私はずっと努力をしていきたいし、みんなに示し続けていきたいと思ってます。」
なんでそんな笑えるんだ。
なんでそんなに覚悟を決めた瞳をしているんだ。
なんでそんなにも、強いんだ……。
まるでこの世の救世主のようにも見えたし、天使にも思えた。
僕の冷めきった心が、朱色に染まった。
初めに
先日2月7日は、何の日でしょうか?
そう、我らが伊波杏樹さんの誕生日でございます。伊波さん、お誕生日おめでとうございます!!!!!
ありったけの想いは、全部手紙に詰め込んでしまったので、今回のブログでは先日開催されました「Fly Out!!〜Reach out your hand!〜」の感想を書かせていただこうと思います。
会場となった舞浜アンフィシアターは、夢の国のお隣にある会場です。夢の国ということもあって、あの会場は個人的にはとてもいい会場であると思っております。
2度、あの会場でイベントに参加したことがあるのですが、アクセスもしやすく、エクスピアリ内の店舗も充実しているため、時間潰しには持ってこいですし、何よりも階段上になっているため見やすい。そして音がよく響く。
それだけで「伊波さん、よくやった!!」」だなんて、発表当時ガッツポーズをしていたことが懐かしいです。
久々の伊波さんのファンクラブ限定というイベントでもあってか、浮き足立ってしまい、ずっとソワソワしていました。
開演前に久しぶりに会う同士のファンの方々も同様に、今か今かと楽しみにしていたと思います。少人数で女子会をしたり、話す時もなるべく離れたり……と、お互いに気遣いながら過ごす時間もあっという間にも感じました。
年が明けてから、「え、あと1ヶ月もしないうちに伊波さんと会える!?」と、指を数えるように過ごしてきたわけですから、その想いはファンの皆様の心から溢れていたと思います。
今回は、そんな素敵な公演を私なりの「言葉」と「愛」と「想いやり」で紡がせていただきます。
伊波さんが届けたかった声と想いを、今ここに。
- 初めに
- Un もし叶うなら「25 years old」
- Deux GOOD LUCK, の HANDSIGN
- Trois I Copy ! You Copy ?
- Quatre LOVE★DON!!
- Cinq Dubbing Water
- Six I bet my life
- Sept VICTORIA
- Huit コカルテ
- Neuf 笑描き唄
- Dix 愛なんだ / V6
- Onze ミュージック・アワー / ポルノグラフィティ
- Douze Mela! / 緑黄色社会
- Treize An seule étoile
- Quatorze 意味ナクナイ?
- エンタメって、生命だから。
- Quinze I promise you...
- Seize また会えるよ
- 終わりに
Un もし叶うなら「25 years old」
1曲目は、何で来るかと予想をしていたわけですが、見事良い意味で裏切られました。25歳となった伊波さんが録り直した本楽曲は、伊波さんにとっても大切な1曲だったと思います。
昨年の2月7日の誕生日にあった生配信では、サプライズで登場した多田さんと共にその曲を歌唱しました。震えながらも、涙ぐみながらもしっとりと歌いあげる姿を今も覚えています。
中央のリフターから登場した伊波さんは、白を基調にショッキングピンクのリボンや、薔薇の花の刺繍が施されたドレスを身にまとっていました。
椅子に腰掛け、その手に持っていたのはオルゴール。「Fly Out!!」の受注生産版の特典として渡されたあのオルゴールを、ひとひねり、ふたひねりするとギギギという効果音と共にオルゴールの音が会場を包みました。
続く音は……伊波さんの歌声。何にも混ざらない伊波さんのアカペラが、一瞬にして彼女の世界に変わりました。CDとも違う、アコースティックギターと共に歌う伊波さんの姿は、どこか儚く、とても強い瞬きを感じました。
Deux GOOD LUCK, の HANDSIGN
クラップ曲として、伊波さんと楽しめる1曲。舞浜アンフィシアターに、手のひらを鳴らす音が伝播していくのは、鳥肌が立ちますね。
ノリノリで動き回る伊波さん。舞浜アンフィシアターの構造上、中央のステージからはぐるりと見渡せます。
奈落からリフターで上がった時の景色はもちろんですが、ステージからの景色もきっと伊波さんからは綺麗に見えていたのかなぁと思います。
(写真は公式サイト様より)
www.maihama-amphitheater.jp
もちろん私たちからも、伊波さんはばっちり見えています。その満面の笑顔も、しかとこの目に焼き付けました。
Trois I Copy ! You Copy ?
先程の曲からはまた違った人物を描いたこちらの曲。可愛らしく、甘えん坊な声に脳内が蕩けてしまいます。
後ろのスクリーンにも触れておきたいですね。今回のライブでは、縦に長いスクリーンがステージに設置されており、伊波さんとその曲に合わせた演出が流れていました。この楽曲でも、コンパスだったり、ロケット、地球、ゴンドラ……といったような粋な演出が盛り込まれていました。
生放送の中では、この楽曲における自身の言葉選びを賞賛していましたが、個人的に好きな歌詞は「ご乗車頂けません!君、以外は」という所なのですが、伊波さん自身も×のポーズをしていて、可愛らしいんですよね。
「君」に向かって無我夢中で飛び込むような子が歌っていましたね。若さ故の無謀さと言えばいいのか。そんな子を演じる伊波さんの役者の本領発揮には目を見張ります。その役がまた世界観にぴったりでしたね。
Quatre LOVE★DON!!
リアルに少し声が漏れてしまったことを、この場をお借りしてお詫び申し上げます。本当に申し訳ございません。
いや、正直に話しますとこの楽曲が来ると思っていなかったもので。2019年3月31日にあった「Super-Pouvoir」以来?となるお披露目でしょうか。
伊波さんが10代の時に歌った楽曲で、こちらはYouTubeの方にも投稿されています。
後ほどのMCでこちらの楽曲について触れていたのですが、高音が出ない出ない……と苦労した楽曲だったそうです。「キー下げようか?」という案もあったそうなのですが、「いや、やれます!」と意地を張っていたとのこと。
先日の「LoveLive! Series Presents COUNTDOWN LoveLive! 2021→2022 〜LIVE with a smile!〜」のコーナーでも、「とりあえず意地でやりきる」精神ということが分かったので、何年経ってもその心は変わっていないのだな、と思いました。
あと個人的な話なのですが、この生バンドのアレンジって初めて聞きまして、ギターがあまりにもかっこよすぎて惚れました。
Cinq Dubbing Water
一瞬にして世界が変わってしまうのは、役者伊波杏樹だからこそでしょうか。先程まで、楽しげに歌っていたのに「Dubbing Water」と息を吐き出すようなタイトルコールの後に彼女が魅せた物憂げな表情。
心が締め付けられるような表情に変わる伊波さん。あまりにも役としてその世界に馴染みすぎていました。
綴ったであろう便箋をその手に持ち、ゆったりと歩みを進める彼女。後ろのスクリーンには、浜辺に寄せては返す波が映し出されていました。
どこか思い詰めた感情が込められたこの楽曲は、伊波さんの裏側なのかな、とぼんやりと考えていました。どこか過去に辛い経験でもされていたのか……あくまでも憶測でしか語れませんが、その刹那に焦がれる表情は、伊波さんの役者としての表現力が遺憾なく発揮されていたと思います。
Six I bet my life
地下通路から続くカジノに迷い込んでしまったかのような感覚に陥ります。そのカジノで待ち受けていたのはどこか気だるげに見えて、挑発的な表情をした伊波さんでした。
あの少し妖艶さを含んだ歌声には、「おうせのままに」と膝まづいてしまいそうになります。
確か昼の部の時に、この楽曲でヒールの踵を折ってしまったと話していましたね。それほどまでに、楽しさも爆発してしまっていたのだと思いますが、ヒールって本当に折れるものなのですね。
ステージで折れた時に、怪我をしなかったことが一番幸いだったと思います。伊波さんの体幹の強さも感じました。
Sept VICTORIA
マスク下で、私は笑っていました。いや、笑うという表現よりは、にやけでしょうか。顔がにやけていたのですが、それには理由があります。
あまりにも圧倒的に、その空間を支配し、圧倒する伊波さんのオーラに呑み込まれてしまったのです。
地団駄を踏み、味方を鼓舞する。その名の通りヴィクトリアの如き立ち振る舞いには、この世を突き進む姿を見ました。
絢爛の夜空に浮かぶ
満ち欠け彷徨うその姿
2番Aメロがとても印象に残っていて、スクリーンに紅い月が映されたんですよね。どこか不穏な空気感が漂うような。そのシーンをバックにしている伊波さんのラスボス感が堪らなく好きです。
アルバムの表題でもある「Fly Out!!」という言葉をこれでもかとストレートに歌っており、力強い一面を見せてくれました。
Huit コカルテ
こちらも「cartes Á jouer」以来の披露曲となりました。初披露時は、パンツスタイルで、ダンサーさんとキレッキレの踊りを見せていました。
Aqoursとして培ってきたものが、存分に発揮されてパフォーマンスになっていたと思います。空いていた時間を埋めるかのように、あっという間に時間が過ぎ去ってしまうことが、ほんのちょっぴり寂しく思えます。
疾走感溢れた楽曲が、会場の熱を一気に加速させていて、凄く楽しかったです。今回は、ドレスに高めのヒールという中々に踊りにくい格好だったのにも関わらず、見劣りしないパフォーマンスをされていて驚きました。
Neuf 笑描き唄
アルバムの中で、どの楽曲とも違う歌。ほんの少し、飛び続けていた羽を休めるような……暖かさに包み込まれている感覚になりますね。
実際に会場でも「座りましょうか」と伊波さん自身が促してくれたこともあってか、立ちっぱなしだった身体を労わることができました。
と言っても、私はアドレナリンでライブを生き抜く人間なので、休息を挟んだ瞬間にどっと疲れが押し寄せてきます。
この曲の中で、お気に入りの箇所がありまして。
たまにはね、Chocolate。でもいかがです?
ここの「Chokolate」の歌い方、発音の仕方がとても好きで。この曲の歌い方自体、どこか幼い女の子が歌っているようにも聞こえますね。
Dix 愛なんだ / V6
ド直球真っ向勝負。満塁サヨナラのチャンスに迎えるは、1番いなみんずÁceの伊波杏樹選手。とでも名実況が流れていそうなほど、この曲は深い1曲になったと思います。
「真っ直ぐ分かりやすい言葉で、勘違いや誤解を生まない平和な伝わり方がしていけばいいな」という想いから、この「愛なんだ」を歌ったそうです。
きっとここから愛なんだ
はじめることが愛なんだ
傷つくこと怖れちゃ
だめ だめ だめ だめだよ BABY
この歌詞に関しては、夜の部が特に刺さりました。というのも、後のMCでマイナスな言葉や、トゲトゲな言葉に傷付いていたことを吐露した伊波さんを知ったからです。
彼女も一人の人間であり、心無い言葉に傷付く優しい人です。そんな優しい人が、「始めることが愛なんだ傷付くこと恐れちゃだめだめ、だめだよ」と歌うことは、あまりにも説得力がありませんか。
言葉に説得力があるからこそ、伊波さんの歌は、言葉は人の心に響くのだと思います。
Onze ミュージック・アワー / ポルノグラフィティ
変な踊りネタで、大層盛り上がりを見せたこの楽曲。オンラインライブの時も歌唱しておりましたが、今回の講演のセットリストにも組み込んでいましたね。
昼の部では、何人か変なダンスを踊っている人がいたと伊波さんが言及されていたのですが……変なダンスって何ですか!?と、私は疑問を抱いておりました。
私が疎いのか、世代なのか分かりませんが、話を聞いていくうちになるほどと思いました。
昼の部では、このダンスを踊って「え?何?何?」とファンを置いてけぼりにしてしまうことを考えて、踊るのを辞めようと話していた伊波さんでしたが、MCで昼の部に踊っていた人達のことを言及し、「夜はやるぞー!!」と意気込みを見せてくれました。
そんな意気込みに、伊波さんのファンが応えないわけがなく。全力で、その踊りを覚え、踊っていました。あまりにもその光景が凄すぎたのか、シュールすぎたのか、伊波さんからは笑いが堪えきれず漏れ出す場面がありました。
こういう曲があってもいいですよね。
Douze Mela! / 緑黄色社会
「緑黄色社会」というアーティストがいることは存じておりましたが、実際に曲をきちんと聴くのは初めてでした。
「誰かのヒーローになりたいわけてはないけれども、なれるとは思ってないんだけど……曲の力を借りて、ちょっと背伸びしてみんなにかっこいいこと言ってもいいのかなって」と、後のMCで選曲した理由を話されていました。
「手を引いて、引っ張りあげることか出来るのなら、私はそういうことを続けていける人間でありたい」と話す伊波さん。
実直に、真っ直ぐに、心に投げ込まれたストレートを私も素直に打ち返せるような人間でありたいと思いました。
こんなにも真っ直ぐにファンと向き合ってくれる人を、私は他に知りません。これからもついて行きます。
(と思ったのは、「お水飲んでくるわ」と言って、きちんと盛り上げて、拍手締めで終わらせる姿を見てしまったからです。そういうとこやぞ、伊波さん)(エモい話を壊していく推し、大好き)
Treize An seule étoile
https://youtu.be/m5iZNtQsTUkyoutu.be
「寂しかったです。とても寂しかったです。ですが、健康で居てくれることが、小さい幸せに気付くことが出来たら嬉しいです。そんなみんなに届きそうで届かなかった距離を、一生懸命近付けるために、多田さんと2人で作った曲です。聞いてください」
この曲に関して、多くを語る必要はないと思っているのですが、ようやく生声を聴けました。
あの生配信でサプライズのように公開されてから1年。少しずつ振り積もっていく雪をただただ見つめることしか出来なかった冬に、一筋の光が差し込みました。
「An seule étoile」という言葉は、「たったひとつの星」というフランス語である「Une seule étoile」という言葉を伊波さんなりに文字った言葉です。
白い吐息と共に、紡がれる伊波さんの歌詞には、辛く逢えなかった日々の思い出を彷彿とさせる想いが込められていました。
気軽に逢えない世の中に変わって、知らぬ間に心をすり減らし続けた自分にとって、その光は何物にも変え難いクリスマスプレゼントであり、支えでした。
その歌を、ようやく……ようやくこの耳で、生で聴けたという事実に、ただただ身体の震えが止まりませんでした。
届きそうで届かなかった距離。その頃よりもずっとずっと近くで……君の声を聴くことが出来たよ。
Quatorze 意味ナクナイ?
アルコール開幕を飾ったのは、「cartes Á jouer」でも可愛らしい一面を見せてくれた中で、叫べないのが辛いなぁ……なんて思ってしまったのも事実。
「WowWowWow〜」と声を出すことができたのなら、同じ気持ちを分かち合うことが出来たのでしょうか。そんな生きづらさを感じさせてくれない伊波さんのステージング。
目が離せません。いや、離せないが正しいですね。
円形ステージを広々と使っているのは、どこか溌剌とした笑顔を魅せていた彼女と似ているような気もします。
ばってんのポーズも、ブランクを感じさせない振りを伊波さんもファンの皆さんもやられていて、2年前の2月に戻ったような気がして、無性に嬉しくなりました。
エンタメって、生命だから。
「アンコールありがとうございます!」と嬉々とした表情を魅せる伊波さん、可愛すぎますって。(語彙力)
いつやっても拍手締めが決まってしまうこの空間、世界で1番平和だと思いました。従来の声とは違った拍手でのアンコールというのは不思議な気もしますが、3分近くずっとアンコールの拍手をしていたようです。
夜の部では、手を労る伊波さんの姿もありました。「休めていただいて……」なんて彼女らしいなと思いましたし、それでもオタクである私たちはきっとどんな彼女にも賞賛の拍手を贈るのだろう、と思います。
さて、ここで3点ほどの告知があったわけですが……
+ 本公演「Fly Out!!〜Reach out your hand!〜」の円盤化
+ 「Inamin Town」がSMA VOICEからFly Out!!
+ デジタルトレカアプリ「DiiCa」の第1弾コラボアーティスト
この3つが新たに告知されました。
純粋に1つ目は嬉しいですよね。この公演に来たくても来れなかった人達にも届く訳ですからね。
2つ目は、きっとSMA VOICEでは出来なかったことをもっとやりたいのかなぁ?という感想を抱きました。
3つ目は、伊波さんも「今、みんな???ってなったよな。伊波さん喋ってなくないって笑」と、ちょっと自嘲気味に笑っていましたけれども、どんなトレカアプリとなるのか今から楽しみですね。
その後には4月からの舞台「僕のヒーローアカデミア」のトガヒミコ役としての話をされていたり、RCCで今日の感想とかも話すと思うので……と未来のお話をして下さいました。
そんな中で、伊波さんは今日の公演に対する想いをぽつり、ぽつりと語ってくれました。
「本当はもっともっと声を出したりさ、なんか思いっきりこう楽しめる状況が、元に戻って欲しいと思ってて、今日さっき最初に言ったんだけど、インスタさんとかついったさんでも自分の思いやりで今日は行かない判断をしましたっていう人からのメッセージが沢山来ていたりして。」
昼の部では自分の思いやりで行かない判断をした、というその心について触れていた伊波さん。1人ひとりのコメントをきちんと受け止めていることが伺えます。
だから本当に最初10人、15人、1人でも来てくれればって思ってたんだけど、リフターでね上がってきた時に、上がってくる前から、蓋が開いた瞬間からもう私の色になっていて、っていうのがね反射で見えんのよ。
安堵した声で1人でも来てくれれば、という言葉に「いや、伊波さん!それは自分を過小評価し過ぎだよ!!!」と声を大にして返したかったのですが、同時にこの情勢に対して真剣に考えているということだと思います。
そんな伊波さんを、私たちの光は照らすことが出来たようで、とてもホッとしました。声は出せずとも、せめて……せめて光と拍手だけでも、という想いでいっぱいでしたから。
「本当に……悩みました。それこそ珍しくインスタの方とかでも、本当にやるんですか?っていう気持ちです、みたいなのも来て。今ってやらないことでもやる事でも、全部色んなマイナスで、トゲトゲな言葉が来る時代だなって思ってて。今日ここに来るのを、みんな不安な気持ちも沢山あったと思うんですよ。遠くから新幹線で来るとか、電車で来るとか、車で来るとか……本当にやるんですか?って気持ちですっていう言葉を貰っときに、すげぇ苦しくなって。」
伊波さんも1人の人間であることを、私は数年前に分かったのですが……強くないんです。彼女だって。
いや、その……勘違いはして欲しくはないのですが、「本当にやるんですか?」という気持ちは果たしてどっちだったのか……と考える自分もいまして。
純粋な気持ちでの疑問だったのか、そこにマイナスでトゲトゲした感情があったのか……どちらにせよ、人間というのは言葉だけでは、その真意は伝わりません。受け取り方を違うことを……私は今の職場で痛感しました。
だからこそ、言葉掛けには人一倍気を付けています。もちろん皆さんもそうだとは思うのですが……今回、会場へ行く行かないの選択は、個人的には自己責任だと思っていて。
エンターテイナーに罪はないと思っています。もし仮にその公演に行って、病に伏したとしても後悔はありません。自分の責任で行ったのだから、それを誰かのせいに、責任転嫁することも私はありません。
ただただ自分が覚悟を決めたことを捻じ曲げてまで、押し付けてまで、自分の正義を貫きたいわけではありませんが、同時に私は「行かない」という選択をした人たちに対しては勇気ある行動であると思います。
大好きだからこそ、大好きを護りたいからこそ、グッと堪えて耐え忍ぶ。どっちがいいとかなんて、誰にも決めつけることは出来ませんが、どっちも悪いということはないと思います。
私は……そう思いたい。
「うん、でもだって……っていう気持ちと、確かになって気持ちと、ずーっと葛藤し続けていて。だけど、まさか正直この1月29日にこんなことになると思ってなかったから、情勢的に。だからそんなこと言われても……って気持ちにもなったし、会いたいって気持ちもすごく強くて、伊波杏樹として2年みんなと会ってなかったので、正直やっぱ辛かったし、ツアーも最後まで出来なかったからさ、東京、大阪はしっかりやりきりましたけども、地方だから逢えた人も沢山いて。そういうお手紙も沢山見返してて、すげぇ辛くて。」
だって……伊波さんがこんなにも葛藤し続けて、悩んで、こうして開催してくれた事を知ったから。2年みんなと会えなかったことを、ツアーを届けられなかったことを悔やんでいたから。
「今日こんなにたくさんの人が来てくれると思ってなくて、凄い怖かったんだけど、何よりも心強くしてくれたのは傍にいてくれるバンドメンバーの皆さんで、大きなセットを作ってくれた今のメンバーの皆さんだったりとか、証明だってこんなに綺麗にしてくれて、衣装だって全部全部、メイクだって。なんかそういう人たちにとってエンタメって、生命だから。だからどうしても無くしたくないものだし、みんなの生活にも欠けていいや、なんて1ミリも思わせたくないなって思ってます。」
エンタメって、人を楽しませること。誰かが悲しむ顔が見たくてやっている物でもないし、やる物でもないです。
怖くても、心強いメンバーと一緒にこのライブを作り上げてくれて、「エンタメって、生命だから」と声を大にして叫んでくれた伊波さんは、この業界の救世主のようにも見えました。
欠けてもいいエンタメなんてない。1ミリも思わせたくない、と言い切った彼女の姿は、頼もしく見えました。
「舞台ひとつとっても、かけがえのないのはお客様なので。それで初めて完成するもので、今周りのねTwitterとか見てても、中止になりました。延期になりました。たっくさん見るじゃん。みんなも有り得ないくらい見てると思うんだけど、なんか……そりゃ悲しいし、やってくれたら嬉しいけど、一喜一憂してる場合でもないなって自分を鼓舞して、今ここに立ててることに凄く凄く感謝しています。」
こう言葉を続けた後「みんな、本当にありがとうございます!」と深くお辞儀をする伊波さん。一喜一憂するのではなく、お客様がいて完成するものが舞台だと話していましたが、年末の「ラブライブ!サンシャイン!! Aqours EXTRA LoveLive! ~DREAMY CONCERT 2021~」でもそんな話をされていましたね。
「……だからこそ、このステージがないと私たちは、Aqours、彼女たちの道を走っていくことが、やっぱ出来なくなってしまうと思うのですよね。なので、私たち自身、メンバーのこと一人ひとり大切に思う気持ちと、メンバーに会いたいと思って来てくれているここに来てくれている皆さんがいないと、Aqoursのステージは、Aqoursの物語は、進んで行かないと思っています。」
〈2021.12.30 ラブライブ!サンシャイン!! Aqours EXTRA LoveLive! ~DREAMY CONCERT 2021~Day2〉
心の底からお客様とファンを包み込むような言葉の力強さと抱擁力は、どんな時でも変わっていないのだと思いました。
そんな彼女の言葉に、微笑んでしまう自分もいました。だって……嬉しいじゃないですか。私にとって伊波さんも必要な存在で、伊波さんにとっても私たちのような人達が必要で……言葉を借りるなら相思相愛ってやつですよね?
ファンとしてこれ以上嬉しいことはありません。
「私は自分が好きになったエンタメを信じ続けたいし、自分が芝居をし続けて、役者でいたいと思うことを変えたくないので。皆さんの笑顔と想いを変えずに、エンタメの世界だったりとか、舞台だったりとか、全部全部好きのままでいて下さい。よろしくお願いします!」
この言葉に私はどこか聞き覚えがありました。あれはそう……2年前のことです。
覚えている人は、覚えているかもしれませんね。
「Aqours 5th LoveLive!〜Next SPARKLING!!〜」の1日目の伊波さんのMCが重なりました。
「好きなものをずーっと好きでいることが難しいっていうことくらい誰だって知ってるかもしれないけれど、みんなも思うことは沢山あるかもしれないけど、Aqoursのことをずーっとずーっと!それでも好きだと言ってください!!!」
〈2019.06.08 Aqours 5th LoveLive!〜Next SPARKLING!!〜Day1〉
エンタメを好きでい続けることはきっと彼女が言うように簡単ではないのかもしれません。こうして2年の空白期間があった中で、離れていってしまった人達を少なからず私は知っています。
それでも……それでも……伊波さんは好きでい続けて欲しい、と頷きました。
「みんなが汗水流して、一生懸命ここの伊波杏樹という人に会いに来てくれたことを、私は1日も忘れないので、いつまでも頑張り続けるので、応援よろしくお願いします!」
その為にも、1日も今日という日を忘れずに頑張り続けることを約束してくれました。
「開催するんですか?本当にって言われることもあれば、中止になったら中止になったで中止なんですねって言われちゃったりとか。なんかそうやってね、言葉を貰う気持ちも凄く分かるし、言いたくなってしまう心の言葉のやりどころの無さって、凄くみんなにあると思っていて。私はそれを一時は、ものすごく辛く受け止めたりしまっていて、今日もね、いんすたさんとかでそういうのもあったの。なんか本当にやるんですか?って思ってます、みたいな。」
夜の部でも言及していました。「開催するんですか?」というやりどころの無い言葉をぶつけられた時、伊波さんはそのことを辛く受け止めてしまったそうで。
そんな話を笑って……いや、違うな。真剣に受け止めて、真摯に向き合って、真っ直ぐにこのステージで私たちに話してくれたことが、凄く嬉しかったんです。
変な話かもしれませんが、伊波さんにとってこの場所が「伊波さんが伊波さんらしくいられる場所」になっていたのかなって、そう思えました。
「でも、うん、やるよって思った。色々なこと考えたんだけど、私はやるって思った。誰も思ってなかったじゃん。1月29、こうなるって。だからなんか、凄く色んな思いだったんだけれども、今日みんながこうやって日々を対策して、健康でいてくれて、私伊波杏樹にその汗水流して頑張って働いてくれたり、学業頑張ってるみんなに、ひとりひとりが伊波杏樹のためにこの時間をくれて、会いに来てくれて。思ってくれて。私は心から感謝しかないです。」
それでも……そうだとしても……やるよ、と覚悟して、その話をこのステージでして、きっと伊波さんは目を逸らしたくなかったんだと思います。
どんな言葉からも逃げたくなくて、どんなことからも背中を見せたくなくて……タイマンで勝負をするかのように全力で、真っ向から戦う。それが伊波杏樹さんなんです。
一人ひとりの時間をもらっていることを誰よりも噛み締めて、最大限の恩返しをステージで魅せようとする。楽しい気持ちにさせることが、恩返しになると信じて今日立たせてもらったと話しました。
「この仕事を選んだからには、私は役者をずっと続けて、親に喜んで貰いたいし、こうやってその先で出会ったみんなと一緒にね、笑顔になれる場所を作ってくれる人たちがいるのよ。光を当ててくれたり、衣装だったり、演奏してくれたバンドメンバーが傍にいてくれたり、このステージを作ってくれてる人って沢山!いて、舞台もライブも、エンタメっていうものって、私は絶対に無くしちゃいけないって思ってて。」
昼の部と同じように、夜の部でも「エンタメは絶対に無くしちゃいけない!」と力強く語っていましたが、この言葉にもとても身に覚えがあります。
本当に……なんでこんなリフレインするんですかね。Aqoursのリーダーとして、高海千歌として立つ伊波さんの姿が。
「こういう楽しみはなくしちゃダメなんだよ!!絶対!!そうだよ、絶対ダメなの。」
〈2021.10.16 ラブライブ!サンシャイン!!CYaRon! 2nd LoveLive!〜大革命☆Wake Up Kingdom〜Day1@幕張メッセ(国際展示場ホール1〜3)〉
この言葉を最前席で噛み締めたことが今や懐かしいと思えるような感覚に陥りましたが……伊波さんの背負うものの大きさを感じました。
「みんなも、なんかさ、やっぱり悩むこと、すごい多いと思うの。行っていいんかなぁとか、行ってまわりになんか言われちゃうんじゃないかなって、誰しもが思ってて。でも好きなものを好きでい続けるために、私はずっと努力をしていきたいし、みんなに示し続けていきたいと思ってます。エンタメって凄いんだぞって、舞台の力って凄いんだぞっていうことをずっとずっとみんなに伝え続けていきたいので、それをいっぱいいっぱい受け取って、楽しみに来てください。私は自分が生きる場所を無くしたくない!!」
エンタメの素晴らしさを、舞台の熱量を、これからも伝え続けたいと口にした後、飛び出たのは「自分が生きる場所を無くしたくない!」と言う言葉。
大切なものを護るために、人は強くあれる存在です。そんな伊波さんの姿に、愛を感じました。
その握りしめた手を私は離すつもりひとつもないから、力に、思いに一緒に答えてくれて、愛と思いやりを持ってだよ、もちろん。ダメなんだよ、トゲトゲな言葉とかチクチクして刺さるような言葉とか、誰にだって親がいるんだから。誰だって悲しむわけだから、やっぱりそういうことを含めて愛と思いやりで、いなみんたうんをもっともっと広げていきたいと思っています。みんな、ついてきてくれますか?
そして同時に、握り締めた手は絶対に離さないと誓ってくれました。人の心を刺すような言葉を言ってしまうことは、小学生でもあります。もちろん大人になってからも……だからこそ、私はそれを無くしていきたい。
「こうした方がいいんじゃない?」「こうしようぜ!」と、共に手を取り合えるような人間に……私はあの子たちにはなって欲しいと願っております。
そう思う心の真意には、必ず伊波さんがいます。私のルーツは、伊波さんですからね。だからこそ、ついてきてくれますか?という言葉に全力で拳を突き上げました。
「いつ会えるかなんて、断言できないけれど、必ず伊波杏樹として、またこのステージに戻ってきます。だから、その時にはまた必ず必ず、一緒に楽しい笑顔を浮かべに来てください。よろしくお願いします。」
深々とお辞儀をした伊波さんの姿を、私は生涯忘れることは無いでしょう。こんなにも人を愛して、ステージを、舞台を愛して、好きを愛し続けて、真っ直ぐに愛を伝えてくれる。
そんな眩しい笑顔に、私も人知れず涙を流すのでした。
Quinze I promise you...
「伊波杏樹とはまた違ったベクトルの位置で生きている曲を、みんなに届けたいと思います。」
そっと口添えをして流れ出す「I promise you…」には、正直感情という感情を持ってかれすぎて何も残っておりません。
人生という長い道のりを、誰と歩むかというのは人それぞれではあると思いますが、私はきっと……孫の代まで伊波さんのことを伝えそうな気がします。
そんな気がしてならないのです。
こんなにも沢山の人を魅了して、追い掛けるような姿を見せて、愛を届けてくれる存在は、一生に一度出逢えるかどうかだと私は思っています。
だからこそ、全力で向き合っていたし、傷付くことも厭わない。時には嫉妬、憤慨、悲哀……人間だからこそ、間違うことも沢山あると思います。
その全てを背負って、今ここに立っていることを忘れてはいけない。と強く心に刻みました。
Seize また会えるよ
イントロを挟むことなく、伊波さんの歌い出しから始まる「また会えるよ」という楽曲は、以前生配信でも投票で選ばれた、所謂私たちファンにとっても大切な1曲。
いや、どの曲も大切な1曲ではありますが、個人的なお話をさせて頂きますと……1番好きな曲です。
軽やかなピアノ運びがとても好きで、イントロのリズムが途中から早くなる。本楽曲は、伊波さんが作詞だけでなく、作曲もされているというのも大きな特徴のひとつではありますね。
いつも通勤退勤の時間に、車でかけていたのですが、歌詞を味わえば味わう程奥深いなぁ……と思いました。今日も、誕生日ということで流していたのですが、その歌詞に込められた想いを感じ取っていました。
笑顔で晴れるこの場所が
いつだって大好きなんだから
この幸せを噛み締め 朝を迎えよう
車の中で「幸せを噛み締めるってこういうことなんだ」と実感しました。あの日……あの場所には笑顔で晴れていました。
天を見上げた青空はもちろん、人の心にも雲の間に間に覗く青空が私には見えました。目を瞑れば、その群青が視界を染めていく。
なんて美しい朝なのだろう、と人知れずしんみりと考えていました。
1番は伊波さん自身のことを例えており、2番は伊波さんから私たちのアプローチのようにも聞こえます。
泣き出しそうな 君を見た
おこらないよ、からかわない
情けないと 笑わない
ここのフレーズには伊波さんの人柄が溢れていますよね。……このフレーズ、個人的には本気で考えていることなのですが。
私の職って特殊だって話は時たまするのですが、泣いちゃう子はいるんですよね。出来なくて……でも私はそんな子を見ても怒ることはないし、からかいもしない。情けないなぁ……とも言わず、笑いもしません。
「そっか……"まだ"早かっただけだからさ、"次"は出来るようになるよ。一緒に頑張ろう。」と前を向けるような言葉を掛けることが私の役目です。
でもこれが案外難しい。本当に……毎日反省の繰り返しです。痛感しますね、やっぱり。だからこそ、伊波さんが凄く遠い存在にも思えてしまいます。
笑顔で晴れる 空の月
私の大好きよ 届け
夢のような本当の今日に感謝してるの
この場所いっぱいに 響かせてゆく
『また会おうね』と。
夢のような本当の今日……あぁ、今この瞬間なんだって思えたら、凄く涙が出てきてしまいました。夢のようでした、本当に。隣が夢の国だからではありません。
だって、こんな状況で開催するのか分からないじゃないですか。今このご時世、当日に中止するなんて当たり前のような世界で、何を信じて生きていければいいのか分からなくなってしまった時もありました。
それでも……今日という日、この場にいれた事を私は誇りに思うと同時に感謝の思いでいっぱいです。伊波さんはそう歌うけれども、同じように思いました。
そしてこの場所いっぱいに響く「LaLaLa」の歌に心を寄せようとしたその瞬間の出来事でした。
「みんなと掲げたÁ(エース)は、最後まで届ききれなかったし、それでもみんなに会いたくて、大好きなみんなに想いを伝えたくて、ひとつも勘違いされたくなくて。真っ直ぐに伊波杏樹を届けることを、私はみんなに誓います。だからこれからも、こうやってFly Out!!した先の伊波杏樹をよろしくお願いします!!!!!」
〈2022.01.29 Fly Out!!〜Reach out your hand!〜昼の部@舞浜アンフィシアター〉
不意に放たれた彼女の心の叫び。もがいて、足掻いて、必死に前へと進んできた伊波さんの姿に、涙が止まりませんでした。
大好きな想いを届けたいだけなのに、世の中の反応はあまりよくなくて、いい顔もされないし、辛辣な言葉も掛けられてしまう。
こんな世の中になってしまったのは、誰のせいでもないはずなのに、エンターテイナーの心は蝕まれていってしまう。エンターテイナーである前に、一人の人間であることを、今一度私たちは考えなければならないのかもしれません。
勘違いされたくないからこそ、捻らず、回り道をせず、まっすぐに伝えます!と強く宣言した伊波さんの姿が、鮮烈に刻まれました。
「みんなと掲げたÁ(エース)は、最後の最後まで届ききれなくて、遠くにいる人にも、近くにいる人にだって会えなくなって。なくなって、オンラインライブをしてみたり、Fly Out!!っていうアルバムを完成させて、今伊波杏樹としての道のりがあります。これからも全力で走っていきます!努力はひとつも惜しまない!一生懸命頑張るので、伊波杏樹をよろしくお願いします!!!!!」
〈2022.01.29 Fly Out!!〜Reach out your hand!〜夜の部@舞浜アンフィシアター〉
夜の部では、最後まで届けきれなかった想いと会えなくなった今のこの状況を語ったうえで、オンラインライブ、アルバムという道のりを振り返っていました。そして、今彼女の前には、新たな道が築かれていました。「努力は惜しまない!」という言葉には、大きな覚悟が秘められていたようにも感じます。
アウトロは、アウトロにあらず。そんなことをぼんやりと考えていました。
バンドメンバーの紹介に合わせた「また会えるよ」のアレンジは、ずっと心に響いています。耳を澄ませば、あの時に戻ったような……そんな日常に溶け込んだ音を、私は探しているのかもしれません。
「やって良かった。やって良かったんだよ。」
そう口にした伊波さんの言葉に共感しかありません。来て良かった。来てよかったんだよ。
終わりに
ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。
月並みな感想しか出てこないのですが、本当にいいライブだったなぁ……という想いでいっぱいです。
1週間以上が経った今でも、その余韻が抜けず目を瞑ればあの「愛と想いやり」の空間に包まれた会場が思い浮かび上がります。
もちろん伊波さんがMCでも触れていましたが、自宅からお応援すること、無理をしないこと、我慢すること……自分なりの愛と想いやりを貫いていた人がいることを、私は知っています。
現地に行った癖に。何様だ!と罵られても構わないのですが、そんな人たちへ文章を書く人間ができることは、これしかありません。
ライブレポートを通して、少しでも伊波さんが届けたかった歌と想いを紡ぐこと。それが、伊波さんのファンであり、文章を書くことが好きな私にできることです。
最後に、ということで、私はこのライブで強く感じたことがありました。それは、伊波さんのライブは、LIVEではないということです。これはマイナスなイメージとしてではありません。
伊波さんのライブは、”「
役者活動を軸としている彼女にとって、その一曲一曲に物語が紡がれているように、それぞれの登場人物がいます。その姿は、十人十色で一人として同じ人はいません。
そのことを今回のライブでは、ひしひしと感じました。アーティストとはまた違った括りになるのかは分かりませんが、役者である伊波さんらしい伊波さんにしかできないライブだったと思います。
2年という月日は、様々な爪痕を残していきました。伊波さんにも、エンタメにも、そして私たちの心にも深い傷を残していきました。
絶対に消えることのない傷ですが、癒えることはあるでしょう。
伊波さんからのアルコール消毒に対する想いやりが傷を治し、彼女からのフラワースタンドが傷ついた心に新しい種を植えてくれる。
歌声は、花を成長させる水となり、想いは花を咲かせるための肥料へと変わる。
そして伊波さんの笑顔は、心に咲いた花そのものだと思います。
何が欠けても、誰が欠けても、その笑顔の花は萎れていたと思います。花は踏み倒されてこそ、折られてこそ、強く根を張り、逞しく育っていきます。
目を逸らさず、どんな壁だろうと逃げはせず、真正面からぶつかってきたからこそ、伊波さんはあんなにも笑っているのだと思います。
https://twitter.com/anju_inami/status/1487401413399674887?s=21
そんな伊波さんの姿を、私は世界一かっこいいと思います。壁?そんなものあって当たり前じゃん、と乗り越えてしまう彼女が眩しい。
だから、惹かれました。そんな彼女に。
僕らはきっと待ってる。君とまた会える日々を。
だから、約束するよ。君と僕とで。
──また会おうね、と。