ほのぼのとした田舎暮らし

ほのぼのとした田舎暮らしをしているような…そんなゆったりとした言葉を贈ります

第2幕の物語が始まる〜『さよなら中野サンプラザ』逢田梨香子ワンマンライブに寄せて〜

 この場所に刻まれた音楽たちは、数知れない。昔からそこにあり、音楽を、演者を彩る舞台として紅び染められらたカーペットたちは、いつもどこか厳かな雰囲気を感じさせてくれる。

 ひとつ足を踏み入れれば空気はたちまち変わり、ファンの温かい声に溢れる世界が生まれる。その世界は、まるで現実から離れているみたいだ。

 ふとどこからか声が聴こえた。少し浮ついた、上機嫌な女の子の声。耳を澄ませば聴こえてくる。その音を、一音一音確かめるように繰り返す。

 

 今日も何気にいい日だった。

 

 そう呟いた僕のことを、夜空は優しく見守っていた。

はじめに

 皆さん、お久しぶりです。逢田さんの記事を書くことが懐かしいな、と思いを馳せながらキーボードをカタカタとしています。いつの間にか時間に追われるようになってしまったので、ゆったりまったち執筆させていただきました。

 というのも、今回連番に入れてくださった方との”約束”を果たすために、こうして筆を進めております。

    今回語らせていただくのは、「さよなら中野サンプラザ音楽祭」に携わった逢田梨香子さんのライブに参加しましたので、そちらのレポートとなります。

    印象に残った場面を中心にざっくばらんに綴って行ければ、と思います。残り時間も僅かとなってきましたが、それでは早速参りたいと思います。

ダンサーと魅せる逢田梨香子

    多くのライブで、アンコールやラストにもってくるであろう「Dream hopper」を本公演では始まりの曲として持ってきてくれました。

    しかも、なんと……ダンサーと一緒にガッツリ踊るというサプライズを用意してくださいました。「前にTwitterか何かで『Dream hopper』ライブで踊ってるのみたいな、ってちらほら見たことがあって……」とファンの声を汲み取って、実際にライブでやってくださるという心の広さと優しさには脱帽します。

限りのない"青春"を

    2曲目の「Adolescence」は、「RIKAKO AIDA LIVE 2022『The night before nostalgic』」の初披露が記憶に新しいです。しかも、この中野サンプラザで、一夜限りの景色を見させてもらいました。当時、逢田さんが話していたMCがとても印象的でして。

青春って限りあるものっていうイメージだったり、連想すると思うんだけど、青春に限りはないと思っていて。10年後、20年後に思い返してくれたらいいなって思います」

    どんな時でも逢田さんは、いつだって無情に流れる日々を彩ってくれます。欲しい言葉をくれます。くれるからこそ、今日という日が私の中の「青春」の1頁に刻まれていきます。10年後、20年後……未来永劫、今日という日を忘れることはないでしょう。

「ありがとう」伝えたい

「この色でこれ振らなきゃとか、そういう同調圧力みたいなものはないので、皆さん各々好きに楽しんで貰えたら」という逢田さんのライブの在り方が私は好きで、だからふとした時に逢田さんの歌声を聴くと安心します。

    その中でも1番私が好きな楽曲があります。それがこの……「Dearly」という楽曲です。イントロが流れた瞬間、その場に崩れ落ちた私のことを多くの人が「大丈夫か?」と心配されたかもしれません。

    連番者の企画で、逢田さんにメッセージを贈ろうという企画に参加させて頂いたのですが、その際にメッセージの中に込めたのがこの「Dearly」という楽曲のとあるフレーズでした。

大丈夫の一言が 押した背中

    社会人一年目、右も左も分からない私をずっと導いて下さった方が最後に私へと向けて贈ってくれた言葉が「大丈夫」の一言でした。 

    その言葉は、私の背中を強く、優しく、押して下さり、今も前を向いて仕事が出来ています。その時に、「Dearly」という楽曲がもつ愛おしさのようなものを感じました。

    この場所で、大切に胸にしまうかのように、丁寧に聴かせてもらいました。

中野サンプラザとの輝跡

    フィルムカメラで過去の軌跡をなぞるように、スクリーンには、この中野サンプラザで行われたライブ映像が流れます。 

    『逢田梨香子 1st LIVE TOUR 2020-2021 Curtain raise」東京公演』逢田梨香子 LIVE 「The night before Nostalgic」』

    2つの大切なステージをこの場所で。幸い有難いことに私はこの両方の節目のライブに足を運ばせていただいたのですが、映像を見ながら懐かしさを覚えました。

    どちらのライブも、心にそっと彩りを加え、想いを刻んだ瞬間でしたので……なんでしょうね。もう昔の出来事のはずなのに、遠い昔のように感じなくて。それこそ10年後、20年後にふと思い出して「良かったよなぁ……」と言えるくらい温かいライブだったと思います。

    こうして映像を通して、この中野サンプラザでの情景を思い出させてくださり、ありがとうございました。

今日も何気にいい日だった

    現在放送中のTVアニメ「スキップとローファー」のEDでもある「ハナウタとまわり道」は、とにかく優しさ、柔らかさ、温かさ……と暖色系の言葉やイメージがとても当てはまる楽曲です。

    癒しという一言で表してしまうと勿体ないくらい、でも本当にそっと休息をもたらしてくれる。駆け抜けてきた日常を、たまにはスキップで超えて、また明日を生きていこうよというメッセージが込められていると思います。

    急ぎ足で走っている私にとっては、どこか欲しがっていた曲調で、一日の終わりに聴くことが多いです。終わりに聴くと辛かったことも、上手くいかなかったこともすっと忘れることができて、「今日も何気にいい日だった」と言えるのです。

私は勝った

    何を言っているのか、分からないと思うのですが……逢田梨香子 1st LIVE TOUR 2020-2021 Curtain raise」東京公演で、私は逢田さんに負けています。勝ち負けの話を唐突にしたのには理由がありまして……実は「for…」という楽曲で見事に綺麗に膝から崩れ落ちたのです。

    それはもう本当に素敵だ、と言われるくらい後ろの方の視界を広くしてしまったのですが、今回はなんとか耐えました。

    声出しが解禁されたライブともあって、ファンの熱量もすごく、これまで見たどの公演よりも逢田さんの歌声は伸びやかで、力強さを秘めていたように思えます。

満開の桜が咲いたような笑顔

    アンコール開幕を飾ったのは「ORDINARY LOVE」というデビュー曲。「『Curtain raise』でもアンコール『ORDINARY LOVE』を歌わせて貰ったのですが……」と後のMCでも逢田さんが触れるのですが、その言葉通り私はその日のことを思い出していました。

「みんなありがとう!本当にありがとう!またすぐ会おうね!」

    1stライブのラストを飾ったこの言葉たち。桜吹雪に包まれ、幸せそうに、泣きそうになりながらも笑う逢田さんの表情はずっと忘れられなくて。円盤で見返す度に、胸がキュッとなります。

    今回の公演ではアンコールの初めだったので、桜吹雪はなかったのですが、幻覚を見ました。逢田さんの周りをひらひらと舞い散る桜が見えました。不思議です。

    逢田さんは変わらず、満開の桜が咲いたような笑顔をまた見せてくれました。

2度と来ない瞬間だけれども

    MCの中で逢田さんは

寂しい気持ちはあるんですけど、去年のライブThe night before Nostalgic』の時も言ってたと思うけど、会場は無くなってしまうけどきっと10年後、20年後もこの会場で、みんなとこう……共にした時間、思い出はきっとずっとみんなが忘れない限り、消えずに残っていくと思うので……なんだか安心できるというか」

    と話していました。

    中野サンプラザという場所に立つのは最後となります。そして私たちもまたこの会場に足を踏み入れることは二度とないでしょう。

    私は最近「一期一会」という言葉をひしひしと実感することが多いのですが……本当にそうだなぁと思うのです。

    同じライブがもう一度あるわけでもなく、曲も変わり、言葉も変わり、景色も変わる。その瞬間を刻むように命を燃やし、声を出し、光るキラキラを振る。

    あの日、逢田さんをほぼ最前で見たことも、目が合ったことも、「ステラノヒカリ」でお茶目な部分を魅せたことも、「ノスタルジックに夏めいて」から吹いた夏の風を感じたことも、私はこの先忘れることはないでしょう。

 

    忘れないように、刻んできましたから。それが私に出来るライブの心構えであり、楽しみ方です。

終わりに

    短い言葉ではありますが、ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。

    実は、最後までこのライブに参加するかどうか迷っていました。当日券があったら行こう、そのくらいの気持ちで構えていました。

    色々と立て込んでいて、余裕を失っている自分がいたことも分かっていました。これ以上、推しを増やしてどうするんだ!浮気か!と言われてしまうこともしばしばありまして……否定は出来ないです。

    さて、そんな人間が何故このライブへと足を運んだのか。それは、連番者の方の影響も大きいです。私が初めて企画というものに触れたのが、連番者が「Aqours 2nd LoveLive!〜HAPPY PARTY TRAIN TOUR〜」でやっていた企画だったのですが、あまりと丁寧さに尊敬の念を抱きました。

    ここまで完璧、隙がないとはこのことか、というくらい参加していて気持ちのいい企画をされていて、「いつか私もそんな企画を立てられるようになりたい」と、今も精進している最中です。

    そんな人柄の方と逢田さんのライブが見れるというのは勿論ですが、やはりどこかで逢田さんの"日常に寄り添う歌"を求めていた自分がいた気がします。

    拠り所と言うべきか、いつだって逢田さんはその場所を守ってくれています。帰って来れる場所に、貴方はいつも待っていてくれて、故郷のような安心感。

    だから、また羽ばたくことが出来るし、羽を休めることも出来る。帰巣本能ってやつでしょうか。

 

   8月8日は、逢田梨香子さんのバースデーイベントが開催されます。そした9月13日にはミニアルバム「Act 2」のリリースが発表されました。まだまだ止まることを知らない逢田さんに、どうやら私はまた……恋をしてしまったみたいです。

    そのきっかけをくれた連番者さんと、私は"約束"を交わしました。この場をお借りして、改めて御礼申し上げさせて下さい。

 

    ほぼ最前という座席から、逢田さんのライブを一緒に見ることが出来て幸せでした。誘っていただき、ありがとうございました。

 

 

   第2幕の幕があがり、物語は始まったばかりです。逢田さんと、私たちとのAct 2はこれから。その始まりの先でまたお会いしましょう。

 

  P.S. 逢田梨香子さん、私はどうやら貴方のことが好きみたいです。好き、というとガチ恋に近いのかもしれないし、違うかもしれません。ただ、貴方という人にすごく惹かれます。自分を貫き、ファンを思い、関わる全ての出逢いに感謝を忘れない。そんな貴方のことが、私は好きです。