ほのぼのとした田舎暮らし

ほのぼのとした田舎暮らしをしているような…そんなゆったりとした言葉を贈ります

歌と音が奏でる物語〜「ラブオケ!Orchestral Concert」に寄せて~

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イントロ

 皆さん、こんにちは。さらいんです。

 改まった文章といいますか、きちんとした記事にするのは初めてなので、緊張しております。というのも、今回はライブレポ、イベントレポではなく、コンサートレポになります。

 

読者の皆様は、「ラブオケ!」という言葉、団体を知っていますか?「ラブオケ!」というのは、「ラブライブ!オーケストラ」の略称で、ラブライブ!シリーズの劇伴曲を演奏したい」という想いを持ったファン有志によって結成された企画型アマチュアオーケストラの方々のことです。

 

 知人が何人か参加しており、私も以前から活動は知っていました。音楽で、オーケストラでラブライブの世界を表現する。それが劇伴曲の魅力であり、あの東京ドームで聴いた浦の星交響楽団の演奏を想起させるようなワクワクしてしまう企画ですよね。

 

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 今回、2023年7月29日(土)パルテノン多摩にて演奏会を行うということで、私は非公式ライターになった気分で、お忍びで参加してきました。お忍びになっているのか分かりませんが、私にできることは「聴いた音、見た景色をそのまま言葉にする」のみです。

 

 言葉にして、ここに記すことで、ラブオケ!さんが築き上げてきた音楽を少しでも振り返る資料となっていただければ幸いです。そして、より多くの方へとラブオケ!さんの奏でる音楽が届いていけばいいな、と思っております。

 

 私は、吹奏楽を経験したこともなく、ほんの数年ピアノだけを弾いていた人間です。ですので、語る言葉が、鼓膜が捉えた音が正確ではない場合もございます。温かい目と耳で、私が綴る言葉を見て、耳を傾けてくださると幸いです。

 

    また、全てに触れることが出来ているか怪しいので、大変申し訳ないのですがもしかしたら特定の方へ……みたいな書き方も多々あることをお許しください。

    俺のことが書いてねぇ!!とか、そういうのももしかしたらあるかもしれません。今回、コンサートレポという記事の難しさを、書きながらひしひしと実感し、自分の経験の無さ、知識が欠けていることを呪っている程です。

    ですので、何卒朗らかな気持ちで見ていただけますと、大変有難いです。

 

夢物語のプロローグ〜プレコンサート〜

    12時20分。本編開幕の40分前にしか見れない夢物語があります。ほんの少しだけ早く来場した方々へと向けて、プロローグが奏でられました。それは、今日1日限りの、数十分だけしか見られない景色です。

    プロローグでは、「ラブライブ!」「ラブライブ!スーパースター!!」「蓮ノ空スクールアイドルクラブ」の3作品から、それぞれ演奏されました。

    基本的な編成は、フルート、クラリネットファゴットコントラバス、ヴァイオリン2人とピアノと管弦楽曲での編成のようですね。

 

Snow halation

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    イントロのピアノから冬を彷彿とさせる「Snow halation」は、ラブライブ!シリーズでも屈指の人気を誇ると思います。

    東京ドームを染めたオレンジ色の光は、皆様の記憶にも鮮明に残っていることでしょう。PV映像内で街路樹のイルミネーションの色が変化するのに合わせて、ファンが始めたことがこんなにも大きな一体感を生み出すことを、誰が想像出来たのでしょうか。

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    この曲のポイントのひとつとしては、冬を感じる鈴の音でしょうか。ドラムの音が入ると、途端にリズムが変わります。鼓動を刻むように打たれる打楽器、冬の優雅な景色を表現する弦楽器。

 

    とここまではあくまでも原曲のお話。今回はオーケストラ版にアレンジされているということで、どんな音色が聴けるのか楽しみにしていました。

    定刻。ピアノの音色が、このホールに響き渡ります。途端に世界は一瞬にして、あの冬景色へと移り変わり、白色の光が灯ります。

    添えるようにフルートとクラリネットの音が冬に溶け込み、熱を帯びていく曲色に、どこか沸き立つ心が抑えられません。

 

    基本的には、クラリネット、フルート、ファゴットがメロディーを担当していて、終始三重奏の歌声の重なりが華を咲かせていましたね。それを支えるようにコントラバス、ピアノが重低音を鳴らし、ヴァイオリンが永遠とも思えるひと時を奏でています。

    間奏パートは、ヴァイオリンの音色が響く編曲となっており、よりクライマックスへ向けての緊張感や高揚感を上げていくような音がホールに響いていました。

 

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届けて 切なさには

 

    穂乃果の歌声に合わせるように、音が重なり、観客の想いも重なる。オレンジ色のほのかな光が、彼らの演奏を照らしていました。

    アウトロでは、更にヴァイオリンが魅せます。なんと、サビのメロディーラインをヴァイオリンが弾いていたのです。 

    原曲ではなかったはずの編曲に、言葉が見つからいほどの感動を覚えました。最後の最後、楽曲たちの音が消え去る頃、静かに冬を告げるスレイベルの音が、私たちの心に切なさを届けるのでした。

 

微熱のワルツ


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    葉月恋のソロ楽曲でもある「微熱のワルツ」は、三拍子の舞曲。その名の通り、恋役の青山なぎささんが習っていたというバレエが遺憾無く発揮されたパフォーマンスでしたね。

 

   たおやかさを表現するように、ヴァイオリンの音色が旋律をなぞっている原曲と同様に、2人のヴァイオリンから生まれた音たちが、軽やかに踊り出します。その音たちに合わせて跳ねるピアノと、爽やかな風を吹かせるフルート、クラリネットファゴット

 

    なんと優雅で、贅沢な時間の流れでしょうか。間奏パートではピアノが艶やかに魅せ、聴衆を更に世界へと惹きこみ、低音がしっかりとそれを支えている。

    階段のように登る音階は、まるで葉月恋と青山さんがステップを刻んでいる情景が浮かび上がります。

    身体を揺らし、演奏する姿は色気さえ感じます。もう既に微熱のワルツに虜になっていました。


On your mark


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    蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ。ラブライブ!シリーズで1番末っ子のグループですが、私はそこまで深く携わってはいません。

    このラブオケ!に参加している友人からも「蓮はいいぞ!」と圧を掛けられているくらい、今コンテンツを熱く燃え上がらせています。

    そんな熱量を密かに隠しているような「On your mark」は、その楽曲タイトル通りリズミカルな曲調で、サビでは勢いが増す面白い楽曲です。

    こんなにもスピード感のある曲を、どのように演奏するのだろうか、と聴く度に疑問に思っていたのですが、なるほど……面白すぎやろ!というのが率直な感想です。

 

    イントロからヴァイオリンが魅せるのですが、観客のクラップを煽るように指を鳴らしてくれるのですから、こちらも手拍子する他ありません。正直惚れました。カッコよすぎです。

    どこから語ればいいのか、どう語ればいいのか、分からなくなるくらい情報量が多い演目だったのですが、個人的にはコントラバスの動きが凄いな……と見ておりました。

    ベース顔負けのスラップを繰り出していて、「え、コントラバスってそんな弾き方出来るんですか?」と吹奏楽の"す"の字も知らないオタクは思いました。

    プレコンサートにも関わらず、ここまでの音に圧倒されてしまい、終始笑いが堪えきれません。面白すぎる、熱すぎる。なんだ、この激しいぶつかり合いは……最高かよ……。と、独り言のようにこぼれ落ちていきました。

 

    プレコンサート終わり、小休憩が挟まります。その間は、ずっとこのプレコンの言葉を纏めておりました。そして、入場前に頂いたパンフレットをペラペラと捲っていました。

    今日の演目、チラシ……それから背表紙には奏者の一覧が。見覚えのある名前を何人かちらほらと見かけて、思わずニヤリとしてしまいましたね。

    ふと、よく遊んでいる友達……友達って言っていいよな?(何の確認)の横に、ひし形の印が入っていました。

    何だこれは、とよくよく見てみると「編曲」という文字が。「げっ!!」という変な声が出そうになるのを必死に堪えました。いや、凄いよ……凄いって……と、後にきちんと伝えようと心に決めました。

 

    会場アナウンスが入り、諸注意が。と、ふと何故か聞き覚えがあるような声だなぁ……と思いました。

 

「ん?桜内梨子ちゃん???」

 

    そう、梨子ちゃんの声色と非常に似ていたのです。ここまで似ていることってあるのでしょうか。本人が話しているような、でもどこか温かい気持ちにさせてくれる、そんな優しい声。

    読み方も緩急の付け方も、間の開け方も、全てが美しすぎて、開演前から天に召されておりました。


9人の輝き〜ラブライブ!サンシャイン!!

   静岡県沼津市の海辺の町、内浦にある私立浦の星女学院駿河湾のかたすみにある小さな高校で2年生の高海千歌を中心とした9人の少女たちが、大きな夢を抱いて立ち上がる物語。それが「ラブライブ!サンシャイン!!」です。

    ラブライブ!シリーズとして先頭を飾るこの作品は、私がこの先もずっと1番好きなアニメだと言い続けることでしょう。

    今は、漢字の沼津ではなく、カタカナのヌマヅの世界が描かれていますが、何年経ってもまだまだこの作品の魅力に惹かれる人は多くいると思います。

    この公演が開催される日にも、沼津の狩野川という場所で花火大会があります。私も、このコンサートが終わり次第向かう予定となっています。

    どこまでも青く澄んだ彼女たち9人の紡ぐ作品と音楽は、水が流れるように滞りなく奏でられるのでした。

 

M1.Main theme of LoveLive!Sunshine!!

ラブライブ!サンシャイン‼」という物語の始まりを飾る一曲。加藤達也さん率いる浦の星交響楽団が、東京ドームにて演奏したことも記憶に新しいのではないでしょうか。

 この曲は、やはりオーケストラであってこそ光る曲だと思います。その音数の多さ、楽器隊の華やかさ、加えて毎回微妙に違ったアレンジが施されている、というのも大きな魅力のひとつです。

 また、本楽曲はサントラとしてでなく、歌唱曲としても生まれ変わったことも皆さんはご存じかと思います。6thライブツアーが予定され、そのテーマソングとして作られた「smile smile ship Start!」は、各ライブにおいて重要な立ち位置を任される曲となっています。


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 開幕から弦楽器、金管楽器の重奏が一気に物語の世界へと引き込み、軽やかにピアノの音色が駆け抜けます。そこへ入ってくる木管楽器のメロディー。軽快なステップを踏むように、高らかに鳴り響く音たちに鳥肌が止まりません。

 

 緩やかに、穏やかに、海のさざ波のようにしっとりと聴かせるパートでは、魅せます。そして、スクリーンに映像が映る頃、舞台を作り上げるために再び音たちは集います。Aqoursという輝きの元で、「ラブライブ!サンシャイン‼」を届けるために、転調し、彼女たちの舞台を作り上げる。

 

 そんな始まりを飾るに最も相応しい楽曲は、あの瞬間、聴いた者すべての心臓を高鳴らせたことでしょう。

 

    今回の「Main theme of LoveLive! Sunshine!!」は、4thライブでのアレンジと見受けられました。というのも、4thライブは個人的に特徴があると思っていまして……緩やかになるパートで、ピアノの音が高い音を鳴らすのです。

 

    その音が非常に大好きでして、「優勝……」と1人ガッツポーズしたのは、誰にも知られなかったことでしょう。

    

M2.DETERMINATION

 物語のカギを握る場面で、数多く使われている楽曲。パッと私が思いつくのは、TVアニメ1期13話「サンシャイン‼」で、本番を控えた各学年のメンバーたちが、想いを語るシーンです。

 

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「さ、あとはスクールアイドルとなって、ステージで堕天するだけ!」
「うん!」
「黄昏の理解者ずら・・・。」

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「感謝するのは私だよ・・・。果南とダイヤがいたからスクールアイドルになって、ずっと2人が待っててくれたから、諦めずに来られたの・・・。」

「あの時置いてきたものを、もう一度取り戻そう!」
「もちろんですわ!」

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「不思議だな。内浦に引っ越してきた時は、こんな未来が来るなんて思ってもみなかった・・・。」
「千歌ちゃんがいたからだね。」

「それだけじゃないよ。ラブライブがあったから。μ'sがいたから。スクールアイドルがいたから。曜ちゃんと梨子ちゃんがいたから!」

 

「FRIENDSHIP」と若干似ている所があり、違いは難しいのですが、ここ!というタイミングでドラムが入ってくることが特徴です。出だしは静かに、聴かせるという表現がまさしく当てはまります。

 後半の盛り上がりへ向けて息を合わせた演奏は、聴く人の涙腺を緩ませる力があります。千歌たちの心情の変化だけでなく、未来へ向けて走り出す「決意」を感じます。

 

「輝くって楽しむこと。」

 

    その言葉通り、劇伴を演奏する奏者の皆さんは真剣な表情と、抑えきれない興奮が混じっているように見えました。


M3.私たちの輝きはそこに

 TVアニメ2期「私たちの輝き」にて演奏されたOST千歌が、紙飛行機へと想いの丈をぶつけ、その紙飛行機を追い掛け、内浦の海沿いを走り続けるシーンが描写されます。

 

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「行けー!飛べぇぇー!!」

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 柔らかいピアノとアコースティックギターの音が、走り出した千歌の背中をそっと押し出しているような気がして、心が温かくなります。管楽器がメロディーラインをなぞるように、千歌もまた浦の星女学院の輝跡を辿ります。

 

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「ごめんなさい」

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「くんくん、制服ー!」

「「あ、ダメ!」」

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「離して!離せって言ってるの!」

「良いというまで離さない!」
「二人共おやめなさい!みんな見てますわよ!」

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「ルビィ!スクールアイドルがやりたい!花丸ちゃんと!」
「まるに出来るかな…」

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「変な事言うわよ、時々儀式とかするかも…リトルデーモンになれって言うかも…」

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「ワンツースリーフォー…今のところの移動はもう少し早く 」

「はい!」

「善子ちゃんは…」

ヨハネ!」

「ふふ、気持ち急いで」

「承知!空間移動使います」

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「私、嘘つきだ…泣かないって決めたよね。千歌…うっう…どうして、思い出しちゃうの…どうして聞こえてくるの…どうして…どうして…」

 

    溢れ出す千歌の涙。その涙が溢れ出たかのように鳴くエレクトリックギターの音色が、更に涙を助長させます。そして、千歌の鼓膜に響き「おーい!」という声。

 

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「普通の私の日常に、突然舞い降りた奇跡。何かに夢中になりたくて何かに全力になりたくて…。でも何をやって良いか分からなくて、燻っていた私の全てを吹き飛ばし、舞い降りた。それは…その輝きは!!」

 

ラブライブ!サンシャイン‼」という物語が始まった時のフレーズをなぞるように、千歌の独白が入ります。そして、体育館に着いた瞬間、音数は減ります。まるで、彼女の心情に寄り添うかのように……。

 幕が上がり、卒業したはずの3年生を含めたAqoursメンバーがステージで千歌を待っていました。歌おう、一緒に!という想いを込めるかのように、サウンドトラックは壮大さを表現していきます。

 

    アコースティックギターで合っていますでしょうか。個人的なお話でまた申し訳ないのですが、私はアコースティックギターの音が1番好きでして。

    恐らくそれは中学校の受験期に、μ'sのアコースティックギターメドレーを勉強のお供として聴いていたからだと思います。

    この劇伴曲では、ギターの音色が囁くように、囀るかのように……彩ってくれていました。あれ、なんでしょうね、目の前が凄くぼやけて見えています。不思議ですね、コンタクトをしているのですが。

 

M4.ONE FOR ALL

 ピアノの音色を鼓膜が捉えた瞬間、全身がぶわりと震えるのはなぜでしょうか。その話を何回、何十回と見返したからでしょうか。それとも、彼女たちの大きな挑戦を知っているからでしょうか。

「ONE FOR ALL」は、TVアニメ2期「Aqours WAVE」で物語を彩った楽曲です。予選大会を勝ち抜くために、かつての3年生が残したパフォーマンスに挑戦するAqours。その中でも、ひと際負担の大きい千歌の技は、何度練習しても成功しません。

 梨子にも内緒で、砂浜で練習を重ねる千歌果南が与えた早朝まで時間がない中、何度も宙を跳びます。1年生も駆けつけ、みんなが見守る中成功……することはありません。憤りをぶつけ、やり場のない気持ちを抱える千歌

 

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「あぁー!出来るパターンだろこれー!!何でだろう…何で出来ないんだろう…。梨子ちゃんも曜ちゃんも、皆こんなに応援してくれてるのに…嫌だ。嫌だよ!私、何もしてないのに!何も出来てないのに!」

 

 そんな千歌の葛藤を表現する弦楽器、木管楽器の音が心に染みます。重低音が更に深く心理描写を施し、メンバーたちの想いが次々と千歌へ集まります。

 

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「千歌ちゃん、今こうしてられるのは、誰のお陰?」

「それは学校の皆でしょ?町の人たちに、曜ちゃん、梨子ちゃん…それに…」

「一番大切な人を忘れてませんかー?」

「何?」

「今のAqoursができたのは、誰のお陰?最初にやろうと言ったのは誰?」

「それは…」

「千歌ちゃんがいたから、私はスクールアイドルを始めた」

「私もそう。皆だってそう」

「他の誰でも、今のAqoursは作れなかった。千歌ちゃんがいたから、今があるんだよ?その事は忘れないで」

 

 自分だけの力を信じてあげること。

 

 シンプルで分かりやすい回答だけれども、気付くことが難しい。そんな自分を信じ、笑い走り出した千歌の背中を押すように、転調し、更に高みへと昇っていくOSTとして、この「ONE FOR ALL」はとても大きな役割を担っています。

    このパートでは、ボーカルの方が3名登壇し、コーラスで劇伴曲を色付けて下さいました。前半パートがほとんどピアノと弦楽器というのは、中々に涙腺に来るものがありますね。

 

M5.Everything is here

 劇場版「Over The Next Rainbow」で、Aqours9人がもう一度だけ廃校となった浦の星女学院へ向かう場面で添えられたOST。ピアノとヴァイオリンの重なりが、夕暮れのあの情景をフラッシュバックさせます。

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 「大丈夫、無くならないよ。浦の星もこの校舎も、グラウンドも、図書室も、屋上も、部室も、海も砂浜も、バス停も、太陽も、船も空も、山も街も、Aqoursも…全部全部全部ここにある。ここに残っている。ゼロには絶対ならないんだよ。私たちの中に残って、ずっとそばにいる。ずっと一緒に歩いていく。全部私たちの一部なんだよ。だから…」

「全部全部全部ここにある。ここに残っている。」

 

    そんな千歌の言葉がぐっと心に響くような音楽は、自然と視界をぼやけさせます。拭っても拭っても、あの時抱いた感情が溢れ、また言葉にすることの難しい感情が溢れ出します。

    ピアノからチェロへ、チェロからヴァイオリンへ。想いのバトンを繋ぐかのように、メロディーラインを辿るその音たちは、どことなく儚さを帯びていて。

    1音1音が生み出される度に「あぁ、消えていかないで……」という気持ちが湧き上がります。けれども、千歌の「ここに残っている」という言葉のように、私たちの心には言葉にならない感情が残ります。

    コーラスの方々と「Uh〜」という声さえも美しい景色に消えていって、やがて思い出へと変わっていく。

    私の目元から、静かに涙が零れました。あぁ、自然と涙が出るってこういうとことなのか、と知りました。


M6.Brightest Melody


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 朝焼けに照らされて、舞い踊る9人の姿。屋上に、Saint Snowラブライブ!決勝を果たすために輝きを放つ9人は、私たちの脳裏にしっかりと焼き付いています。

 Aqoursとして最後に歌う楽曲。明るい曲調なのに、どこか切なさを感じる歌詞からは刻一刻と迫る別れを表現しているようで、終わりに向かうにつれて自然と感傷に浸ってしまいます。

 この曲が終わってしまえば、再び同じステージに上がることはありません。それぞれ1人ひとりの道を進んでいくことでしょう。だからこそ、今この瞬間の景色を刻むために、彼女たちは歌います。

 

    ボーカルとして9人のメンバーがステージに揃います。そして……後ろを向きました。まるで、オーケストラとボーカルで円を作っているような。

    特筆すべきは、ライティングです。私は今回敢えて渡辺月ちゃんが陣取るであろうポジションで聴かせていただきました。

 

    サビに近付くにつれて、演奏も華やかになっていくのですが、サビの歌唱に合わせて中央の3つの照明が強く光を放っていて、まるで朝焼けの夕陽を見ているような気持ちでした。

    一瞬朝焼けに目が眩んで、開けたらそこには9人の歌があって、奏でる音楽があって。そのどれもがこの瞬間しかないのだと思うと、何故か涙がまた溢れてくるのでした。

    最後の一音を噛み締めるように、私はそっと目を閉じました。

 

始まりの9人〜ラブライブ!

   秋葉原と神田と神保町という3つの街のはざまにある伝統校、音ノ木坂学院で統廃合を阻止しようとスクールアイドルを始めた高坂穂乃果。そして、彼女を中心とした9人の女子生徒たちが、歌を通じて沢山の人の心を動かす「みんなで叶える物語」を紡いでいきます。

   伝説の始まりとも言うべき「ラブライブ!」がなければ、今こうしてこの「ラブライブ!シリーズ」が続くことはありませんでした。

   まさしく先駆者たちの栄光。その栄光は、永遠に曇ることのない、どこまでも先を照らす光です。その光は、やがて夢を照らし、「みんなで叶える物語」へと生まれ変わりました。

    音楽の女神に愛された9人の歌は、永遠に。

 

M7.始まりの朝(メインテーマ)

ラブライブ!シリーズ」という言葉が生まれたのは、ミューズの存在があってこそ。TVアニメ第11話「最高のライブ」で使われていたことが印象に残っています。穂乃果の気持ちの高揚と重なるように奏でられ、「ラブライブ」に出場するμ'sの明るい未来を感じさせます。

 また、ライブの始まりを飾る劇伴でもあります。2021年1月18日、19日に開催された「LoveLive! Series 9th Anniversary ラブライブ!フェス」では、もう一度再結成したμ'sが見られるとファンの興奮は最高潮まで上り詰め、私自身鳥肌が立ったことを今も覚えています。

 ピアノの音と、弦楽器から始まり、そこへ金管楽器、パーカッションとリズミカルな演奏へと変わっていきます。軽やかに街を走り抜け、学校まで走るほのかの姿が想像できますね。

 期待に胸を膨らませるように、心なしか演奏している皆さんの表情も楽しげに見えますね。


M8.μ’sの始まり

 この曲は、皆さまも覚えがあるのではないでしょうか。TVアニメ第8話「やりたいことは」で、穂乃果絵里に手を差し伸べ、μ'sがついに9人揃う感動の場面です。絵里はずっと一人で、生徒会長として、学校を守り続けてきました。自分の想いを押し殺し、その本音をへとぶつけたシーンからも、悲痛な想いを抱きます。

 

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「なによ……なんとかしなくちゃいけなんだからしょうがないじゃない!私だって好きなことだけやって、それだけでなんとかなるならそうしたいわよ。自分が不器用なのはわかってる、でも。今更アイドルを始めようなんて、私が言えると思う?」

 

 そんな絵里へ向けて手を伸ばす穂乃果、そしてその穂乃果たちμ'sを月として見守り続けてきたも加入し、全員が揃います。

 パーカッション隊の作る音が、心臓の鼓動を思わせるようで、徐々に盛り上がっていく展開からも、ついに……ついに!という私たちの期待を奏でてくれているようで、奮えが止まりません。

    チャイムが、本当にこの劇伴曲では大きな役割を果たしていて。

   歌番組の合格・不合格を告げる音としての方が皆さんには馴染み深いと思うのですが、ここではやはり節目、始まりを告げるという意味合いもありますよね。

    あとは、シンバルでいいのでしょうか。あのクライマックス感といいますか、最高潮を表現するに相応しい音色は、私たちの心を奮い立たせるのでした。


M9.夢のあと

   ラブライブ!決勝という大舞台で、全てを出しきったμ's。このメンバーで歌う最後の曲を歌い、大成功へ導いた喜びと、歌い終えた悲しみを分かち合う彼女たちをそっと優しく包み込み、静かながらも壮大な曲です。

    ピアノとストリングスが更にその感情をリフレインさせ、観客のアンコールが脳内を叩くのは何故でしょうか。

 

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「このまま誰も見向きもしてくれないかもしれない。……応援なんて全然貰えないかもしれない。……でも、一生懸命頑張って、私達がとにかく頑張って届けたい! 今、私達がここにいる! この想いを……!」

 

    穂乃果が語った想い、それはラブオケ!の皆さんの想いと重なっているように見えました。

 

ラブライブ!シリーズの劇伴曲を演奏したい」

 

   「やりたい」「したい」そんな小さなきっかけから始まったこのラブオケ!という企画、開催されたコンサートは、まさしく夢の舞台。練習を何度も重ね、その頑張って作り上げた音を、音楽を、皆さんに届けたい。

    そんな実直な想いが、ひしひしと伝わってきて、私はまたしても静かに目元を拭うのでした。


M10.ステージへと続く道

 劇場版「ラブライブ!The School Idol Movie」にて、穂乃果秋葉原に特設されたステージへと向けて駆け出すシーンで流れた劇伴曲です。

 前奏がピアノののみというこれまでにはない劇伴曲に、記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。あまりここまでピアノの独奏が続いた劇伴曲はありませんからね。

 合流するかのように入る他の楽器たち。大勢のスクールアイドルたちが並んだ姿と重なりますね。

 

「伝えよう、スクールアイドルの…素晴らしさを!!」

 

    そう高らかに叫ぶ穂乃果の背中を後押しする劇伴曲です。ここではまたしてもピッコロ先輩(言い方)が、とても素敵で。弦楽器とピアノが織り成す寂しさを感じるような、しっとりした音色を一変させるような力を持っていた気がします。

    とこの辺でこの劇伴曲について触れるのは終わらせていただきます。

 

M11.僕らは今のなかで


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 TVアニメのOPを飾った「僕らは今のなかで」は、イントロから神曲間違いなし!と言わんばかりの王道曲です。当時、歌って踊るという2次元と3次元の融合がない中始まったこのコンテンツが、今や大家族となっているのはそれだけ珍しい作品であったことが伺えます。

 メンバーたちが着ているこの赤い衣装は、実際にキャストが着ていた衣装であり、逆輸入されているのも特徴です。

 

    イントロのシンセの部分?というのでしょうか。電子音のパートをオーケストラアレンジですと、鉄琴がその役目を果たしていましたね。

    ボーカル9人も、後ろを向かず、正面を向いていましたが、その姿はどこか信じているように見えました。

 

    サビのパートでは、拳を突き上げる奏者の皆さんがいましたね。それに呼応するように、私たち観客も拳を、光るキラキラを突き上げます。

    もう身についたかのように自然と振りをしてしまうのは、それだけ長年この曲が愛されてきている証拠ですよね。

    ギターサウンドが間奏ではかっこよく決まっていましたね。その方は元々別の団体で、演奏されている所を見たことがあったので、本領発揮しているなぁ……かっこいいなぁ……と、更に熱いパッションが溢れだしました。

 

    最後の1音まで丁寧に、丁寧に。労わるように演奏する奏者の皆さんの姿から、曲への愛とリスペクトを感じました。

 

煌めく9つ星〜ラブライブ!スーパースター!!〜

    私立結ヶ丘女子高等学校。表参道と原宿と青山という3つの街のはざまにある新設校で、澁谷かのんを中心とした5人の少女たちは"スクールアイドル"と出 出会います。

「私、やっぱり歌が好き! 歌でなにかを……叶えたい!!」

    そんなかのんたち5人の活動は更に瞬き、新たに4人が加入し、9人となった。まだ小さな星たちの、大きな想いが重なり、この先の宇宙の果てまで歌を響かせていくことでしょう。

 

    8月中旬から始まる4thライブツアーを前に、Liella!は11人となりました。今回の公演では、9人での編成でしたが、きっといつの日か11人のメンバーで歌う所が見られるかもしれないですね。

 

M12.Main Theme of LoveLive! Superstar!!

    Liella!のメインテーマを飾る本楽曲。「ラブライブ!スーパースター!!」と言うと、その公演数にも驚かれると思います。

   

    ライブの直前、始まる前、必ずこのメインテーマが流れ、メンバー紹介の映像が流れますよね。

    特に2期生が入ってからと言うものの、1期生5人の後を追うかのように光る4つの星の映像が印象に残っているので、「Liella! 3rd LoveLive! Tour ~WE WILL!!~」のことを思い出してしまいます。

 

    木管楽器金管楽器、弦楽器。全ての楽器たちが生み出す私を叶える物語。劇伴曲を演奏する機会がないのなら、作ってしまおう。

    そんな自分たちの力で、これまでの道のりを乗り越え、今日というコンサート当日を迎えている底力に、私は震えました。

    考えることがきっと山ほどあったことでしょう。編成、編曲、会場や練習時間の確保。スタッフの動きや、奏者同士の関係作り……キリがないくらい山ほどの話し合いや、音の会話を繰り返しての演奏であることを考えると、「無料で聴いてしまっていいのだろうか?」という気持ちになります。

 

    そのくらい音に圧倒されてしまい、言葉を紡ぐことさえ難しいなと感じる今でございます。

 

M13.ほんのちょっぴり〜Orchestra Ver.〜

 48秒。1分にも満たないこの劇伴曲は、TVアニメ第1話「まだ名もないキモチ」で、かのんが街中で歌声を初めて響かせた瞬間です。ヘッドホンをし、外界をシャットダウンすることで、自分の世界へと入り込むかのん。すべてを忘れるように、思いっきり歌う彼女の姿に、可可は衝撃を受けていましたね。

 

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    そんなかのんの声を担当していたのがNepiさん。初めて見るかも?と思っていたのですが、過去に見たことがありました。それはもう色んな場面であったり、あのひと夏の思い出であったり。

    澁谷かのんと言うと、やはり歌に着眼点は向けると思うのですが、その歌唱力の高さに脱帽致しました。

    この劇伴曲の魅力は、なんといっても伸びやかに歌う澁谷かのんの姿だと私は思っております。そんなかのんの自由さを表現するようにスポットライトが当たり、奏でられる音楽も遥か遠くまで響き渡りそうなくらい素敵なものでした。

 

M14.諦めない気持ち

    TVアニメ2話「スクールアイドル禁止!?」でかのんが曲のサンプルを千砂都に聞いてもらって、もっとがんばらなくちゃと決意を新たにトレーニングに励む場面で流れている曲です。  

 

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    運動が苦手ながらも懸命に努力を重ねる可可。かのから歌詞ノートを受け取り、「あきらめないキモチ」という想いをを歌に込めるかのん

    そんな2人の努力を後押しする曲でもありますが、私はどちらかというと、2期12話「私を叶える物語」のアバンの方が印象深いです。

 

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「かのんちゃんは世界に歌を響かせるんでしょ?小さいころからの夢だったよね?今こそ、その夢を叶えるチャンスなんだよ。私は、かのんちゃんに夢を叶えて欲しい。かのんちゃんにしか叶えられない夢を」

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「世界に歌を響かせるんでしょ?!今しかない……チャンスなんだよ……」

 

    夢を諦めようと……していたわけじゃないけれど、千砂都から見れば目の前のチャンスを掴み損ねているように見えたのかもしれません。

    劇伴曲のタイトルにもあるように諦めない気持ちというのは、何かを成し遂げる上で必ず必要な要因のひとつでもあります。

 

    憶測でしか語れませんが、きっと……きっと、主催の方を初めとした諦めの悪い方々(と言うと例え方が雑なのですが)が、その諦めない気持ちをもち続けてくれたから、この景色があるのだと改めて伝えたいのです。

    誰一人として、諦めずに歩み続けたからこそ、見られた景色があの日にあったはずですから。

 

M15.想いはひとつ

TVアニメ6話「夢見ていた」のシーン、千砂都かのんに憧れていたように、かのんもまた千砂都の姿に憧れを抱いていた。2人の想いはひとつであることを物語っていた劇伴曲ですね。

 

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「かのんちゃんに頼らないって! 今日ここで、かのんちゃんのできない事をできる自分になるんだって!」

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「じゃあふたり一緒だね!ふたりとも頑張ってきた。お互いがお互いを見て、お互いを大切に想って……」

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「私、かのんちゃんのできない事をできるようになる! かのんちゃんの歌みたいに、大好きで夢中になれるもの! 私も持てるように頑張る!」

「なんて、カッコ良いんだろうって・・・。私も、ちぃちゃんの事、見習わなきゃって・・・。マネできないくらい歌えるようにならなきゃって!」

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    オーボエの音があまりにも綺麗すぎて、思わず聴き入ってしまいました。そんなオーボエに見蕩れていると、途端に入ってくる弦楽器の音の波。かと思えば、揺蕩う水面のように奏でられるピアノの音。水面を打つようなチャイム。

    感情のジェットコースターかよ!とでも言うかのように、次々と表情を変えるこの劇伴曲にも、私は想いを馳せることしか出来ません。

 

    奏者の皆さんの音色ひとつひとつが、機会で出された音ではなく、生きた音。その生きた音を合わせることがどれだけ難しいことか。

    私自身ここ近年 、セッションと言いますか、収録のようなことを経験しまして、その時感じたことが「合わせるってこんなに難しいのかー!!!」ということです。

    吹奏楽を全くと言っていいほど経験せず、バンド経験もない、ただ1人奏でるピアノを触れる程度しかやってこなかった私にとって、その「合わせる」ということが非常に大変だったのです。

 

    だからこそ、あの人数で、この演奏をするというのがどれだけ凄いことか。想像するだけで鳥肌が止まりません。

 

M16.あなたのために

 こちらもTVアニメ10話「チェケラ!」にて、センターに立つすみれのために可可が作ったティアラを差し出し、風に飛ばされたそれをすみれちゃんが必死につかみ取る場面を彩った曲です。

 

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「可可があなたに任せたのは、あなたが相応しいと思ったからです。練習を見て、その歌声を聞いて。Liella!のセンターに相応しいと思ったからです。それだけの力があなたにはあると思ったからです。だから受け取りなさい。私が想いの全てを込めて、あなたのために作ったのですから。」

 

「あなたのために」

 

    まさしく可可の言葉通りの劇伴名……こういう所がどストレートに届くからこそ、ずるいですよね。

    前半部分が、どことなく不穏な空気を纏っているような気がします。ピアノの音色が、1人重圧に苦しんでいたすみれの心情を表しているような気がして、胸が締め付けられます。

 

    全てが合わさった、と思えばゆったりとした曲調へと変わり、更に最高到達点を上げてくるのはずるいと思います。そういった面ではティンパニの偉大さを感じますね。あの楽器が、更にドーン!(語彙力)と感情をぶつけるわけですから。

    とここまで色々語ってはいるのですが、「諦めない気持ち」「想いはひとつ」「あなたのために」の3曲の劇伴曲が、歌となっているのは皆さんもご存知だと思います。

 

    TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』第6話挿入歌/第8話挿入歌「常夏☆サンシャイン/Wish Song 【第8話盤】」のカップリング曲として入っている曲です。

    この劇伴曲を演奏しよう!と言い出した……失礼しました。考えた方がどなたなのか分かりませんが、完全にこれは「やっている」セットリストであると私は思います。

 

    間違いありません。これは、分かってて、やってますよね?(圧)   

 

M17.私のSymphony


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「始まりは君の空」のカップリング曲であり、劇中でも何度も何度も大切な場面で歌われ、ライブを重ねる毎にその曲色を変えてきたこの曲は、個人的にも大好きな曲です。

    あまり話してきてはいませんが、私がLiella!に興味をもったきっかけがこの「私のSymphony」だったので、思い入れのある楽曲とまた出逢わせてくださり、ありがとうございますという気持ちでいっぱいです。

 

    この曲は、公演によって年によって、様々な色を、景色を見せてくれる楽曲です。さて、どのバージョンで来るのかな?と待ち構えていた所、歌い出したのは……かのん

    つまりこの時点で、TVアニメ11話「もう一度、あの場所で」と思われます。

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    しかし、メンバーが9人既にいるのは何故だろうか。そう、最初の時点でボーカルの9人はステージにいるのです。となると、これは「Liella! First LoveLive! Tour ~Starlines~」のオマージュか?いやでも、あれは5人だし……と考えていると、歌い分けがされていきます。

 

「えぇ、えぇ……ちょ、えぇ……これって……」

 

    そう、これは9人でも歌うシンフォニーでもあります。つまり、2022年Verでもあるわけです。

    となると、これは公式が出している曲名のどれとも当てはまりません。ならば、恐らくこれは「私のSymphony〜ラブオケVer」ということでしょうか。

    

    絶妙にライティングが天才すぎますし、かのんの歌唱担当の方も、空に向かって掴む動作をしている、間奏のギターも光っているしで、大渋滞の感想を綴っております。

    この瞬間にしか生まれないシンフォニーに、心が沸き立ちます。全員が一緒になって、大きく手を振る。奏者も、歌手も、観客も、スタッフも。

 

    全員の音が重なりあって、どこまでも広がれ……と願うばかりです。

 

13色の虹〜虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

    東京・お台場にある、自由な校風と専攻の多様さで人気の高校虹ヶ咲学園で、スクールアイドルの魅力にときめいた普通科2年の高咲侑は、幼馴染の上原歩夢とともに、スクールアイドルの世界へと触れる。

    12人と1人の少女たちが描く虹の軌跡は、OVAでも今世界中へと届けられています。次はあなたの番、そう語る少女からのバトンは、確かに受け継がれていました。

 

M18.色とりどりの虹(メインテーマ)

    まずこの劇伴曲を見た時、μ'sよりのタイトルだなぁと思いました。μ'sと虹ヶ咲が「(メインテーマ)」と括っていて、AqoursとLiella!が「Main theme of LoveLive!○○」と表記しています。

    何かこれらは関係性があるのか気になる所ではありますが、それはさておき。

 

    ドラムの人にこの劇伴曲では目がいってしまいまして、まぁ楽しそうに叩いてるんですよね。勢いがあって……というか、この劇伴曲、めちゃくちゃ好きなのかなぁ……っていう感情がこっちにまで伝わってきて、見ていて気持ちいいくらいでした。

    記憶が正しければ、クラリネットのソロパートも素敵で……あぁ、こういう楽器ひとつひとつにフォーカスが当たる瞬間に立ち会えるというのは、ときめくしかないですね。

 

    劇中では、TVアニメ第9話「仲間でライバル」で、1度だけ流れていましたね。正直に申し上げますと、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の皆さんのライブに参加したことがないので、このメインテーマがイベントで使われているのか分かりませんが……。

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    何かを掴んだようなの姿が印象的でしたね。ここから、同好会のメンバーたちがどう動いていくのか。

    期待を押し上げるように、ファンファーレの音がホールに響き渡っていました。

 

M19.あなたと私と私たちの夢

    TVアニメ1話「始まりのトキメキ」で、せつ菜がスクールアイドルを辞めるという話を聞いた直後、歩夢が語り合う場面で、後ろに流れていた曲。

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「アイドルやるって、そういうことでしょ。自分の夢は、まだ、ないけどさ、夢を追いかけてる人を応援できたら、私も、何かが始まる。そんな気がしたんだけどな。」

 

「何かがはじまる」

    そんなの一言が染みるのは、劇伴曲のおかげでしょうか。キーボードの装飾音と鉄琴の呼吸のあったメロディーに、ただそっと隣に佇むように紡がれるヴァイオリンの音色が、心を癒してくれます。

    虹ヶ咲の曲は、華やかな印象が多かったのですが、こんなにもしっとりと気持ちの整理を付けさせてくれる曲もあるんだなぁ、と思いました。

 

    いや、全然気持ちの整理は出来ませんが。初めは切ない、悲しい曲にも思えたのですが、後者では転調し、これから明るい未来へと繋がっていくような……そんな予感を感じさせますね。

    突然話が変わるのですが、ハープの音色って、とても夜に聴くといいなあ、と思うのですが、この曲もアニメと同じように夕暮れか夜に聴くと、より一層染みるのかな、と感じました。

 

M20.虹のふもと

    ライブを終えた歩夢と合流するシーンでの劇伴曲。ステージを見なくていいの?という問い掛けに、少しでも多くの人に見てもらいたいと返す侑の姿が印象的でした。

    彼女が何故そこまで頑張るのか、それには想いがありました。

 

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「なんていうか、自信がほしいんだよね、私。今から新しい事やるって、やっぱり大変だろうし……。だからさ、このフェスティバルをやり切れたら、私だってきっと何とかなるって、怖がらないで自分の夢に向かっていけるはずだって、思いたいんだよね!」  

 

「自信がほしい」という一言にハッとさせられます。何か新しいことに挑戦する時、「いや、でも、できるか分からないし……」と気後れするほうが多いです。

 

    そんな自分を鼓舞するのは、やはり自信であって、人はその自信を付けるために練習をする、努力を重ねる。そうして成功体験を繰り返して、夢へと向かう原動力へ変える。夢へ向かって一歩踏み出そうか迷っている人の背中を押してあげる1曲だと思います。

 

    この曲をパルテノン多摩大ホールでやったことには、私は大きな意味があると思っていて。いや、分からないですよ、公式でもないので。だから、ここからはあくまでも自論ですからね。

    ここで話すのはタイミング的には違うので、もう少し後のMC辺りで話させてください。 

    フルートを吹かれている方、音色が優しくて、ずっと聴いていたいなってくらい素敵でした。(語彙力無くてすみません)


M21.虹の架け橋

    TVアニメ2期第1話話「新しいトキメキ」のラスト、圧倒的な嵐珠のパフォーマンスを見て、彼女からの言葉に返すの場面ですね。

 

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「やりたい事をやりたいって気持ちだったら
私だって負けてないつもり。今はまだ全然だけどね。私だって私のやり方で、この同好会で夢を叶えたいって思ってる。」

 

    夢へと向かって走り出したの決意と、その先を結ぶ架け橋となるような曲調が印象的です。底抜けに明るいような、思わず自分も!と駆け出したくなるような衝動に駆られます。

    シェイクを振るように刻むドラム……知識がないので調べました。(暴露していくスタイル)

    シェイクビートと言うらしいのですが、ここではそれが使われているんですかね……。これ、確信もないのに語るのは怖いのですが、そのビートの刻み方が、架け橋をかけているような気がして、堪らなく好きです。

    どことなくこの曲は、上がり下がりの激しい曲だと思うのですが……低い音から高い音へ。橋をかけるように、伸びやかな音たちには、思わずにやけてしまいます。

    転調してから刻むような演奏に変わっていく部分や、逆に最後はゆったりとピアノが入り、ストリングスで終わる所など……橋をかけ終えたかのような情景が浮かんできますね。

 

M22.First Live "with YOU"

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    1stライブと同じ名前をもった劇伴曲。2期13話「響け!ときめき――。」で、侑の元へ楽屋花と寄せ書きのメッセージが届いていたパートで奏でられていましたね。

 

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    ティンパニと、ヴァイオリンのトレモロがこれまたとても味わいを生み出していまして。始まりは厳かに、けれども段々後半へ続くに連れて、楽器たちが集っていく。

    あなたと一緒のライブ。そう語りかけてくるような劇伴曲。

    ラブオケ!さんも、これが言わば1stライブ。そのライブに持ってくるに相応しい1曲ですよね。2ndライブ、待ってます。(早い)

 

M23.NEO SKY,NEO MAP!


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    TVアニメ1期ED曲として、数々の公演で歌われてきた本楽曲。ラブオケ!公式さんからは、ずっと掛け声をして欲しいというツイートがされていました。

 

 

    声出しができる今だからこそ、今しかできないこのコンサートを作りたい。

    そんな奏者の皆様、関係者の皆様の熱い想いは……届いていました。確かにそこに、虹がかかりました。

 

    ライブのように「Hey!」と声を出す観客、歌声に想いを乗せるボーカルの方々、音に夢を託す奏者、ステージで輝く奏者を支える関係者の皆様。

    ここに、私が知りたかった虹の景色がありました。

 

    何故人は頑張れるのか。苦しいこともあって、辛いこともあって、それでもなおどうしてこんなにも夢への憧れを捨て去ろうとしないのか。

    これが答えなんですよね。

 

    この景色が答えなんですよね。

 

    みんなで叶える物語ってこういうことなんですよね。ひとりじゃできないことも、みんなとならできる。奏者だけじゃできないことも、観客がいればできる。

 

    なんだ、当たり前のようで凄く大切なことでした。この景色、私大好きなんですよね。

    何を俯瞰した話を、と思われるかもしれませんが、私は誰かが笑って、眩しいくらい輝いてる瞬間を見るのが世界一好きで。

    少し前に何十人での打ち上げなどしたこともありまして、私は主催。なんですけれども、楽しそうに飲んで、話して、笑ってる参加者の姿に胸が熱くなったんですよね。

 

    あぁ、笑顔が晴れるこの場所が大好きだって。

 

    多分それと似てるんだと思います。

    見たい、見たいんだ!

 

    この景色を。この瞬間を。

    そう感じさせる程のパフォーマンスを、ラブオケ!の皆さんから届けてもらったような気がします。

 

    私はラブオケ!さんの演奏、ボーカルの歌声、観客の声援、そのどれかに感動して泣いたのではなく、その全てが合わさったこの空間に居れることの有難さに涙を零しました。

    だからこそ、私は残さなきゃいけない。と勝手にひとり使命感を抱えていたのですが……それしか私が恩返し出来るものがないのです。

 

    素晴らしい音を奏でてくれたラブオケ!の皆さんに対して、私が出来ることは紡ぐことしかないのです。それしか想いを届けることが出来ない。

    だから今こうして筆を取っています。

 

    忘れません、あの景色を、歌声を、音色を。

 

夢物語のエピローグ〜アンコール〜

    全ての演目が終了し、割れんばかりの拍手が彼らへと送り出されます。

    すると、1人の方がマイクのある場所まで移動し、言葉を紡ぎ始めました。聞き覚えのある声、そうです。梨子ちゃんの声に似ている方です。

    ヴァイオリンを演奏されていたのか……とここでも驚いたのですが、少しそのMC……MCではないのかな、いやどういう立ち位置かあれですが、話に触れていきたいと思います。

 

ラブライブ!のシリーズに、オーケストラの可能性を感じた瞬間、2018年に開催された『Aqours 4th LoveLive! ~Sailing to the Sunshine~』でした。」

    そう語っていたことに、私も深い共感を得ました。あのライブは、今でも思い出せる程印象深く、心に鮮明に刻まれています。

    浦の星交響楽団が紡ぐ音楽は、私たちに様々な想いを巡らせ、発信させる力へと変わっていきました。

 

「演奏する機会がないのなら、自分でオケを作ってしまえばいいのではないか?と思い、親交のあったラブライバー2人に声をかけ、3人で始めました」

    自分で始めればいい。

    それはとても簡単なようで、難しいこと。私自身、その1歩目を踏み出すのはとても大変だと感じています。

    だからこそ、80名もの奏者を集め、こうしてコンサートを開くまでにどれ程の苦難があったのか計り知れません。

「多くの方にご来場いただきまして、本当にありがとうございます」と続きましたが、ありがとうを伝えたいのはこちらもなんですよね。その気持ちを込めて、拍手を贈ります。

 

    ここで、編曲をしてくれたメンバーの方々の紹介が入ります。私は知ってますよ。彼女が入っているのを。名前を呼ばれて立った貴方が、少し緊張しているようで、でも誇らしげな表情を浮かべていた気がします。

    なんだか私が嬉しくて、沢山拍手を贈ってしまった気がします。恥ずかしいです。

 

「今何かやりたいこと。やってみたいことがある人、いらっしゃると思います。高咲侑ちゃんの『次はあなたの番』というセリフが繋いだこの時間。ファンの皆さんからの拍手に応えて、アンコールを行いたいと思います!」

    ?????????

    いや、聴いてないです。いや、あの?え?

    アンコールという言葉。ライブで見られるやつですよね、コンサートのアンコールってあるんですねぇ。へぇ……。

 

    仕事放棄しないでください。はい。

    アンコールというとびっきりのサプライズ。何もかもが嬉しいのですが、さてアンコールでは何をやるのかと身構えていると、1人ボーカルの方が登壇してきました。

 

 

EN.1 Butterfly Wing

    そして披露したのは「Butterfly Wing」

    笑いが止まりません。最高のアンコールの幕開けです。この曲、オーケストラ映えする曲じゃねぇか……と独り言はすぐに彼女が生み出す世界に呑まれていきます。

    演奏は勿論なのですが、何よりも歌唱が凄すぎました。そこにウィーン・マルガレーテがいると思わせるほどの声。

    声質が似ているというレベルではなく、もうそこにマルガレーテがいました。怖い、と思わせるほどの圧倒的な程までの歌声の暴力。これが……と息を呑んでしまいました。

    照明が若干青みがかっていたのも、きっと合わせてでしょうね。いやぁ、あの世界観がまさかラブオケ!で見られるとは思わなかったので、言葉が見つかりません。

 

EN.2 エーデルシュタイン

    この曲が来たということは、もう当然あの曲も来ますよね。という謎の余裕が生まれた……わけではありません。

    もちろんエーデルシュタインでもズタボロにやられております。

 

「光れ」のタイミングで、ブラメロ同様に照らすのですが、その前に照明を落としてから光らせるのはずるいですよねっ話なんですよね。それに合わせて、ボーカルの方も顔を手で隠す動作とかもされていて……拘りが本当に凄いのがラブオケ!さん、分かってますよね。

    落ちサビ部分では、青い照明にしたりしなかったり……と細部まで妥協しないラブライブ!決勝の再現が、そこにはありました。

    アンコールとして、そしてダークホースとして、間違いなくこの公演のアンコールを飾るに相応しい曲でした。

 

「何かを始めるの一歩踏み出すことは、凄く勇気のいることだと思います」

    再び、言葉が会場に贈られます。その1歩を踏み出すために様々な葛藤があることを、感情を乗せ、緩急の付けて聴く人が耳を傾けたくなる、そんな話し方をされていました。

 

「その気持ちは偽りのない気持ちだと思います」

   その一言が、ぐっと心に突き刺さります。その偽りのない気持ちを具現化すること、表現することに臆病になってしまうから、敬遠してしまう時が多い。

    そうです、だって人なんですから。でもそれを応援してくれる人がいる、共感してくれる人がいる。

 

ラブライブ!シリーズの彼女たちのように、『こういうことをやりたいな!』『こういうことをやってみたいな!』という自分を信じて、今まで見たことのない景色を描いていくことが出来ると思います」 

青空Jumping Heart」の歌詞をなぞらえるように、今日来てくれた、この会場で一緒に物語を作ってくれた私たちへ、ラブオケ!さんが背中を押してくれます。

 

「ダイヤモンドは最初から輝いていたり、煌めいているわけではありません。時間をかけて磨かれて、輝き、煌めいて、色んな人たちをときめかせていくように、最初は1人だけれど、少しずつ輪が広がりながら、いつしかこの想いは誰かに繋がっていて、形になっていく」

    誰ですか、この言葉考えた人。先生怒らないから、出てきてください。

    とでも言いたいくらい、それぞれの作品のキーワードとなるような言葉が含まれています。「輝き」「煌めき」「ときめき」「繋ぐ」……全部、ラブライブ!シリーズから教えてもらったものです。

 

「ここにいるみんなで叶える物語、夢を叶えることができて本当に嬉しく思います。ありがとうございます」  

    こちらこそ、なんですよね。

    劇伴曲の魅力に取り憑かれた(表現の仕方)のは、高校生の時。ラブライブ!TVアニメ2期でした。

 

    私が一番好きな劇伴曲は「いつもどんな時も、全員のために」なのですが、この曲はTVアニメ2期第2話「優勝を目指して」で流れたものです。昔、拙い演奏ながら弾いたのも懐かしいですね。

 

 

 

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「いつもどんなときも全員のために…か…」

    そう呟く推しこと、西木野真姫。メンバーを想うその心はもちろんですが、何よりピアノが好きで好きで。あぁ、この曲は聴けなかったなぁ……と終演後思っていたら、ふと気付きました。

 

「あれ、これ僕らは今のなかでだったよな」と。

 

    つまり私は回収していたのですね。なんだか凄い時間を過ごしたよう気がします。

 

EN.3 SUNNY DAY SONG

    アンコールという時点で心のどこかでやってくれたらなぁ……と思う自分もいて。それが「ステージへと続く道」が奏でられた瞬間、確信に変わりました。

    確定演出じゃん。いやいや、それは。

    狂った人間の出来上がりです。頭を抱え、天井を見上げ、俯き……それの繰り返し。多動を繰り返し、挙句の果てには……涙。

    もう情緒がおかしいですよね。そのくらいでも嬉しい曲だったので。

 

    スクールアイドルの、スクールアイドルによる、スクールアイドルのための曲。それをここでやらないわけがない。

 

    ラブライブ!大好きな奴らの、ラブライブ!大好きな奴らによる、ラブライブ!大好きな奴らのための曲。

 

    言い方悪くなってますけれども、そのくらい暴れてます。なんでぇぇ!!!ってなってます。あ、ほら、演奏してる人たちも顔ニヤけてるじゃないですか。楽しそうじゃないですか。泣いてるじゃないですか。

 

    俺もですよ!!!っていう心境です。感情迷子です。全員が、3・2のポーズして、拳を作って、クラップして……もうそこに「大好き」が溢れていましたよね。

    あぁ、この曲ってどんな時も青春を蘇らせてくれる、魔法の曲なんだと思います。青春に捧げた私たちを称える曲、これだからオタクは辞められない。

 

EN.4 NEO SKY, NEO MAP!(ピアノアレンジVer)

 

「どこに向かうか、まだ分からないけど。面白そうな未来が待ってると、笑い合えるみんながいれば私たちは……!!」

 

    そんなメッセージが込められた選曲だったように思えます。敢えて私たち、と劇中でのセリフとは違うように書いたのですが、これはラブオケ!さんからという意味合いで書いております。

    ラブオケ!という団体は、これでひとつ節目を迎えることになったわけですが、どうなっていくのか私も分かりません。

    もしかしたら……!とあくまでも私は憶測でしか語れないので、触れることは出来ませんが、不思議とそれぞれの道を歩んでいけるような気がして、寂しい気持ちもあるけれど、清々しい気持ちの方が勝っています。

 

    だってこんなにも……感動で涙を零しているから。あぁ、私、このコンサートに感動したんだよな。ピアノの音色が、より心に染み渡っていって、また涙が零れてしまいます。

    本当に、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ビッグサプライズをありがとうございました!

 

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アウトロ

    ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。ライブレポに引けを取らない文字数となっておりますが、もう飽き飽きしている所ではないでしょうか。

 

    虹のふもとの時に少し話したのですが、このコンサートで伝えたかったこと、それは

 

「何かを始めることに遅いもないし、何かやってみたい!というその気持ちから一歩踏み出しませんか?」

 

ということだと思います。

    高咲侑からバトンを受け取ったラブオケ!さんが、今度は見知らぬ誰か、私たちの中で燻っている想いを抱えた誰かへとバトンを繋ぐ

 

    それが、ひとつ大きな裏テーマとしてもあったんじゃないかと私は思います。だから、私はそのバトンをもらって、こうしてブログを書きました。

    と言っても非公式ライターなので、別に書かなくても……っていう人もいるかもしれませんよね。だから、これは多分自己満足もあると思うんです。

 

    いいものはいい!よかった!だけで終わらせたくない。感動を与えられたものに対して、私はそれを返したい。よかったよって。だから、終演後友人たちへ会いに行きました。

 

    ……ここからは、私のあの日の出来事であり、友人たちとのやり取りです。

    終演後、奏者と語る機会があって……編曲した子と話しました。同い歳で頑張っていて、#SUKI_for_Aqoursの時も、伊波さんの時も、岬さんの時も、お世話になった子。

    その子の表情、やり切ったような、清々しい笑顔を見た瞬間、何かが決壊して。

 

「すげぇよかったよ……よかったんだよなぁ……なんか、上手く言えんけどよかった…」と涙ながらに語ってしまいました。

    その近くでは、岬さんの演奏動画でお世話になったサックスの方もいらっしゃって、本当にみっともなかったですね、自分が。

    どうやら、私につられてその子ももらい泣きしてしまったようで、抱き締めてしまったんですよ。もうこの感情どうしたらいいか、分からん!みたいな感覚で。

 

    その後は、サックスの方にも想いを伝えて。なんかもうよく分からん!って気持ちでしたが、とにかくよかった!……感動した……っていうお話を、ひたすらに続けていた気がします。

    そこへヴィオラを弾かれており、伊波さん合同でもお世話になった方がいらして……あ、その方にこのラブオケ!を先週辺りに誘われたのですが、私は発表当時からチケットを握っていたので、内緒にしておりました。

    だから少しだけ驚いた顔をされていたので、ニヤッとしてしまいましたね。今度の冬コミでもお世話になる話をして……とにかくよかった!って話を演者さんに伝えていた気がします。

 

    たかが劇伴曲、たかがコンサート、たかがアマチュア。分からないです、色んな方がいらっしゃるので。

 

    ただ私はあの日、感動して涙を流しました。これは嘘偽りのない本当の気持ちであり、ラブオケ!さんたちが奏でた物語に、心を動かされた人間がここにいるんだよっていうことを伝えさせてください。

 

    スタッフさん含め、90名近くの方が携わっていたと聞きます。それだけの人数で何かを成し遂げたということは、高咲侑ちゃんが言うように自信にも繋がったと思います。

 

    私もこのブログをもって、少しだけ自信になったような気がします。いつか……いつか公式ライターさんにでもなって、密着取材やらインタビューやりたいなぁと思ったり、思わなかったり。

    何はともあれ、まだまだ自分には力が足りないので、これからも研鑽していきます。

 

    長々と書きましたが、本当に素敵な時間を、物語を、音楽を──

 

ありがとうございました! 

(いい写真すぎて、もっとくださいさんになってます笑)