ほのぼのとした田舎暮らし

ほのぼのとした田舎暮らしをしているような…そんなゆったりとした言葉を贈ります

岬なこデビューアルバム発売記念フリーイベント@池袋・サンシャインシティ噴水広場〜備忘録〜

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  「また来ちまったよ……」

 

  独り言と共に見覚えのある街並みを急ぎ足で歩く。つい先週もとある舞台を見に来た場所だ。今日のイベントの3日後には、また足を運ぶ予定でもある。

  どこか馴染み深くなってしまった施設。どこへ行けばいいか分かっているからこそ、足取りは軽い。

 

  今日ここで、岬なこさんがフリーイベントを行う。

 

  この噴水広場で。360度近いこの場所で、彼女の歌声が響くのだ。想像しただけで堪らない。堪らないし、興奮が収まらない。

 

  彼女が池袋で見せてくれた景色、音を、ここに記したいと思う。彼女から贈られたエールを受け取って。

 

 

はじめに  

  皆さん、おはようございます。こんにちは。こんばんは。どのタイミングで読まれているか分かりませんが、きっとこの記事に興味をもってくださっているということは、そういうことなんだと思います。(どういうこと)

 

  本記事では、7月6日(木)に行われた「岬なこデビューアルバム発売記念フリーイベント@池袋・サンシャインシティ噴水広場」でのイベントレポートとなります。

 

  平日ですよ。平日。しかもですね、これ3回目ですよ。1週間で推しに3回も会えるって中々ないですよね。私もびっくりしてます。

  15時から噴水広場近くでCD物販があり、CDを買った分だけ抽選が引けます。その中に「優先エリア観覧券」が入っていて、引ければ優先エリアで見られるかつ、なんとCDのブックレットにサインをいただけるというスペシャルな特典がついています。

  勿論私自身も引くぞ!という気持ちで、訪問でお偉いお客様に仕事を見せた後に、時間休を使って馴染み深いサンシャインシティまで急ぎました。

 

緊張〜お渡し会よりも〜

  13時半。もう既に列形成されているのかなぁ、なんて思っていると……そうでもなかったという。ですが、私が行った時点で既におとなりさんが大勢いて。え?今日平日ですよね?(ブーメラン)

  MVがあのデカスクリーンにずっと流れていて、目の保養でしたね。ありがたやありがたや。

 

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  電子パネルにも、本日の催しとして掲載されています。宣伝の仕方が大体的で、流石Lantisといったところでしょうか。

 

  14時。列形成が開始されます。予想とは別の場所から列形成が始まり、出遅れましたがなんとか並べました。

  おひとり様10枚まで、と個数制限が引かれ、購入した後にそのまま抽選券を引く列へと並ばせられる仕組みみたいです。 

  手持ち無沙汰な私は、コツコツと纏めていたブログを書き上げます。というのは、先日7月2日に行われたゲーマーズなんば店でのレポートですね。

 

  半ば祈るような気持ちで投稿ボタンを押しました。願掛けみたいなものです。自分の"想い"をここに綴ったのだから、どうか、どうか神様……と願いました。

  着々と進み、無事10枚買うことには成功します。おとなりさんが次々と歓喜の雄叫びをあげるたびに、心臓はバクバクと脈打ちます。

  と、ここで自分の手がずっと震えていることに気付きます。

 

  大阪でのお渡し会は、緊張はすれど手は震えることはなかったというのに、なぜお渡し会よりも緊張しているのでしょうか。

  ここまで震えるのは初めての経験でした。こんなにも引くのが怖いと思ったのは初めてですし、いや引くんだ!という強い姿勢になったのも過去に1度もありません。

  一世一代の大勝負。

 

勝ち負けを決めるのは運ではない。
己の、心だ。
今まで、心の底から、本気で勝ちたいと思ったことはあるか?
心が変われば、結果は変わる。
心に一片の迷いもなく、勝てると信じれば必ず勝てる。

 

  ふととある舞台で見た言葉が心に浮かびました。私が大好きな人が、ダブルキャストで主演だった舞台。勝てると信じれば必ず勝てる、という言葉。その言葉を胸に刻み、私は臨みました。

 

結果は……。

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よっしゃぁぁぁぁぁぁぁいいいぃぃぃぃ!!!!!!

 

……と叫びはしませんでしたが、ま、まじか……と興奮が収まりません。これで外してたら、多分相当凹むと思います。寝て起きれば吹っ切れますけども。

 

準備〜真剣な表情で〜

  ホクホクとした気持ちで、当選したおとなりさんと談笑していると、スタッフさんが出てきます。どうやら、岬なこさんのリハーサルがあります、とのこと。あれ?これって、もしかして来るやつ??と予想し、すぐさま見やすい位置へと移動します。

 

  すると……本当に出てきました。え、誰が?

 

  岬なこさんが。

 

  ???

  何を言ってるか分からないと思いますが、2時間前にも関わらずリハが始まったんですよね。……まだ理解が追いついてないです。

  ふわっと登場して、ゆるっと挨拶して、近くにスタッフさんがいて……ああ違う。えっと、そうです。あの、お衣装が「ソラトレイト」のMVのやつでして、髪を下ろしたロングストレートなこさんでした。

  超激レアすぎだと思うのですが。そもそも、私自身リハーサルに立ち会うのが初めての経験でして、多分あまりうるさくしない方がいいのかなぁ、と考えていました。

  曲中のクラップ等は、音響チェックの妨げになると考え、とりあえずなこさんのリハの様子に目を向けます。

 

「1曲目からお願いします。わー、わー、わー」

  入念なボイスチェック。わー、わー、わー、と口内?なのか、発声なのか。準備体操らしき声を出していて、「あぁ、こうやってなこさんは準備するのか」と真面目にガン見してしまいます。

 「morning morning」はアップテンポな楽曲故に、リズムを取るのが難しいと思います。恐らくイヤモニから聴こえる音、自分の声、モニターの映り方等しっかりチェックしていることが分かります。

 

「ありがとうございます。これで大丈夫です」

  プロの顔ですよね。それはそうです。ステージで完璧な自分を見せるための努力を怠らないストイックな方ですから。スタッフさんとも耳打ちで話し合い、何かを伝えている様子も伺えます。

 

「2曲目、お願いします」

  2曲目の「あいらびゅー」では、歩幅を確認しているようでした。噴水広場のステージを少し歩きつつ、歌い続けます。途中、周りの観覧者へ向けて手を振る様子もありました。

 

「ありがとうございます。次の楽曲、フルでお願いします」

  ワンコーラス歌い、チェックも終了。続いてはフルでの歌唱。何を持ってくるのか……と考えていた私に衝撃が走ります。なんと初披露の「HURRAY!」のイントロが流れ出したのです。

  思わず「え?」という声が漏れ出てしまったのですが、まさかリハーサルでこの曲が聴けるとは思いもしませんでした。

  この曲では、初歌唱ということもあってか、歌に集中している様子が見られました。個人的には、岬なこさんのこれまでの人生を記したような歌詞なので、より感情が乗っているようにも感じます。

 

  最後は「ソラトレイト」の1コーラス。程よく緊張が解けたのか、ぐるりと会場を見渡す様子が見られます。上の方にまで手を振る姿は、まさしくアーティストそのもので。その余裕すら感じる歌い方は、本当にソロアーティストデビューしたばかりの人なのか?と疑う程です。

 

「ありがとうございます。次はワンコーラスで大丈夫です」

  必ず感謝を述べる。その姿勢が本当に素晴らしくて、バースデーイベントでのことを思い出しました。なこさんに憧れる女の子からの質問に対して、なこさんはこのように答えていました。

 

「学校から出て、仕事を始めるってなると、社会の一員になるわけじゃないですか。めちゃめちゃ人と接する機会も増えるわけで。だから、ひとつひとつの人との出会いを凄く大事にしている」

〈2023.03.08 なことにゃこからの招待状 ~今日はおたんじょうび会!!~ 2023 spring〉


「ひとつひとつの人との出会い」という言葉に、当時とても感銘を受けたのですが、この仕事をして、この現場に行かないと、この人と会えなかったのかな?とか、このお仕事が出来ているのはこの方がいたから……とか、「感謝」を大切にしていると話していることからも人柄を感じます。

 

「ありがとうございました!本日の18時30分だったっけな?18時30分から、ここでフリーイベントさせていただきますので、お時間が合う方はぜひ遊びに来てください。よろしくお願いします」

  最後は勿論リハーサルを見守ってくれた私たちへ向けて、言葉を届けてくれます。違うんだ、こちらこそありがとうございます、なんだよ。貴重な時間を、私たちに見せてくれてありがとうございますという気持ちでいっぱいです。

 

本番〜あなたの1日を彩る〜

  定刻となり、優先エリア券で入場するために集合場所へと向かいます。選ばれし100人という壁を乗り越え、未だに掴んだことが信じられないです。

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  ちっっっっっっっっっっか!!!!!!!!!!

 

  2列目のセンターにポジショニングしてしまい、至近距離で岬なこさんの歌う姿が見られることに、興奮が収まりません。

  心臓の高鳴りが止まることを知りません。この噴水広場という大きな会場で、フリーイベントという名だたるアーティストさんたちがやってきたことを、私の推しが……なこさんが行う。これに武者震いしない方がおかしいです。

 

  時間となると、映像が切り替わります。なこさんが下手から登壇します。髪は……結んでいます。「ソラトレイト」と同じ衣装、髪型をしており、本物がそこにおる……と思いました。いや、リハの段階で居ましたけれども。

  鳥肌が止まらない。ゾクゾクするとはこのことでしょうか。「morning morning」のイントロが流れ出し、その空間は一気に岬なこさんへと注目します。


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  イントロから激しいドラムの音とギターのサウンドが堪らなく気持ちよく、Aメロからは勿論クラップが入ります。

 

Wake up!! Let it go!! Let it go!!

 

  サビの部分では、拳を突き上げる姿も見えます。というか、私はもう既にAメロ、Bメロの時点で驚きしかないのですが。

  この人、周りを見渡しすぎている。ということです。普通に考えると、プレッシャーから目の前のファンしか見えなくなりがちなはずなのに、なこさんは2階、3階と目を合わせて、歌を届けています。

  Liella!として沢山の経験を積んだからなのか、ベルーナドームでの規模のライブをしたからなのか。恐らくその両方だと思うのですが、とにかくアーティストデビューしたばかりとは思えないそのパフォーマンスの高さに、目を見張りました。

 

「ビックリしちゃった。改めまして、ちょっとあの、本日フリーイベントなので初めましての皆さんも……あ、初めましてですか!ありがとうございます!!こんにちは!ありがとう!改めてちょっと自己紹介をさせてください。声優アーティストの岬なこと申します。本日は、よろしくお願いします!」

  恒例の挨拶に、少しだけスパイスを加える。初めましての方にも分かるように、きちんと自分の紹介をするというのは、新規にとっては有難いですよね。なこさん、可愛いだろ?どうだ、お前もおとなりさんにならないか?(勧誘雑すぎか)

 

「噴水広場に実は……初めて来たんですけど、こんな囲ってもらえるのね。すごーい!みなさーん!!」

  人の多さに驚いている様子のなこさん。初めて来たという発言にも驚きつつ、精一杯の声を届けます。地下だけでなく、1階、2階、3階まで。沢山のおとなりさんは勿論ですが、興味・関心をもってくださった方が足を止めて、なこさんのライブを見てくださっているわけですね。

 

「3階ってことですか?あら、ありがとね。嬉しいねぇ。先程披露させていただいたのは『morning morning』という楽曲です。ここでね、今は流れてないんですけども、多分あたしがここに来るまでに何度かミュージックビデオが流れてたと思うんですけど。その中の、なんか、あの……凄い優雅な朝を迎えてそうなやつが『morning morning』という曲です。『day to YOU』というアルバムに入っておりますので、ぜひ良かったら聴いてみてください。よろしくお願いします」

 楽曲のMV説明が的確なんですけども、ワードチョイスが面白いですよね。あんなにも優雅な朝を迎えられたらどれほど良い事か。

  すかさずアルバムの宣伝も忘れない辺り、岬なこさんはやはり司会・進行が抜群に上手いことが伺えます。

 

「すごーい!上の皆さんもね、びっくりして見ちゃうんですけども、やっぱり前の皆さんもね。凄いね、もしかしてちょっと見えないかもしれないんですけど、この辺から色々飛ばしますんで、お耳と心を傾けていただけると凄く嬉しいです。じゃ、ちょっと次の曲に行きたいと思います。それでは聴いてください。『あいらぶゅー』」

  しっかり上の方まで見えてることも伝えた上で、見えない方への配慮だったり、気持ちだったりを、相手の立場になって考えられる人間はそうはいません。


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  そんな大切な友人への想いを歌った「あいらぶゅー」では、まさかの出来事が起こります。「ケチャ」というオタク用語があるのですが、アイドルなどのライブでファンが行うオタ芸/ヲタ芸の一種で、推しに祈りを捧げるように手を差し伸べる動作のことをいいます。

  テンポを落としたしっとりとしたパート、いわゆる”落ちサビ”の際に行われることが多く、経験した方も多いのではないでしょうか。

  その動作は、「あいらぶゅー」の落ちサビでも通用するのですが、なんとか岬なこさん……オタクと一緒にケチャをしたんです。

 

……何を言ってるのか分からないと思います。私も未だに分からないです。演者がケチャするなんてきいたことないです。

  ケチャってオタクが捧げるものなのに、演者からオタクに捧げられてしまったら、どう返せばいいのでしょうか。

 

「ありがとうございます〜!ありがとう!聴いていただきましたのは、『あいらぶゅー』という楽曲でごさいました。私、これやるのが夢だったんだよね。落ちサビってなんか、やりたくなるよね。あの、すんません。遅ればせながら兵庫出身なんですね。ちょっと関西弁になるかもしれん」

  先程のオタクの動作に対しての話に「夢だったんだよね」とコメントをするなこさん。兵庫県出身でもあることを伝え、話慣れた関西弁も所々入ってくるのが、彼女のMCの特徴のひとつだと思います。

 

「そう、あたしもいちオタクなもんで。やりたいもんはやりたいんですよ。だから、皆さんが合わせてこうやって……ありがとうございます」

  同調ってやつでしょうか。やりたいもんはやりたい。至ってシンプルな回答でした。そう、そうなんですよ。なこさんに捧げたいから、捧げる。それ以上必要ないんですよね。(悟りを開いた)

  生涯私は忘れないことでしょう。推しと、落ちサビでケチャしたことを。

 

「『morning morning』でミュージックビデオのお話をさせていただいたんですけども、この『あいらぶゅー』っていうさっき歌った楽曲はですね、ミュージックビデオがありまして。さっきここで流れてたので言うと、なんか砂浜画面で、こうなんか一緒に遊んでたりとか、そういうのがあったのが『あいらぶゅー』という楽曲のミュージックビデオになっておりますので、もし良かったら配信サイト以外でも、YouTubeでもミュージックビデオを見ていただけるととっても嬉しいです」

  きちんとミュージックビデオの説明を加えてくれるおかあさ……岬なこさん。配信サイトだけでなく、YouTubeにもあるぞ!という告知をさりげなく入れている辺り、やり手の販売屋さんです。

 

「凄いね、なんか後ろの方とかさ、足を止めてくださってる方がいらっしゃって、ね。あの、もちろん如何様にも出れんからね。逃がさないよ。もしかしたらちょっと、私が見えづらい方とかもいらっしゃると思うんですけれども、ちゃんと届いておりますので、ありがとね。あの、ちょっとおててフリフリタイムください」

  足を止めてくれる方に対しても丁寧な声掛けをしつつ、狙った獲物は逃さないと言わんばかりの眼圧と声音には、思わずぶるりと震えてしまいます。

  見えなくても、届いておりますという声。誰1人取りこぼさないとする姿勢は、私が"理想"として掲げる人柄そのものです。フリフリタイムこと、手を振る彼女が可愛くて、可愛くて、堪らないんです。(オタク出てきました)

 

「嬉しい。あの……なこです。分かったから、分かったから。あの、あんまり言われるとさ、緊張して喉渇くねん」

  360度方向から、彼女の名前を叫ぶ声が。その声に対して、「なこです」と反応すると更に大きな声が返されていきます。

  それが嬉しいのか、期待に応えたいのか、そんな気持ちから喉が渇くと笑いを誘います。期待されると緊張される気持ちは分かりますし、生でなら尚更ですよね。

 

「それではこの流れで続いての曲、聴いてください。お願いします」

  タイトルコールをしたところで、会場の空気は静けさを帯びる。そして、途端にギターサウンドが噴水広場に響き渡ります。

  先程も私が衝撃を受けた「HURRAY!」です。不条理に抗おうと、必死にもがき、葛藤し……という心情を歌った曲です。

  この曲は、なんだかオーディションを受け続けてきた過去のなこさんを体現しているような気がして、より心に突き刺さりました。

  受からなかった日々。もうこのオーディションが受からなかったら、実家へ帰ろう。そんな背水の陣で挑んだあの作品との出会い。

 

昨日の自分が
僕の中で叫んでる
悔しいって まだやれるって
鼓動が聞こえる

  このフレーズが私は棘が刺さったように抜けなくて。ずっと私の中に諦めない炎を灯し続けています。

  明日同じように笑える日が来るとは限らないし、上手くいかない日々も続く。だからこそ、自分を認めてあげたい。昨日の僕から、明日の僕へ、エールを贈るように彼女は歌います。

 

無駄なことなんて
一つも無いんだ
全ての失敗が
今より強い僕を作ってく

  あの日々も決して無駄なんかではなく、それは誰にとってもそういう瞬間が訪れたとしても、失敗は明日の僕を作る経験値へと変わるのだと、そう彼女は強く歌うのです。

 

どうにもならない

そんな明日が来たって
転んだって 今度はきっと
前を向けるから
笑って 歩き出せるように

  どうにもならない明日が来たとしても笑って歩き出せるように。そう背中を押す言葉。魔法の言葉。彼女は、それの言葉を今この瞬間、この場所にいる観測者へ向けて、精一杯の声を。

 

明日の僕へ HURRAY!

  目頭が熱くなりました。1番ぐっと来てしまった曲です。泣きそうになるのを堪えて、ずっと彼女の姿を目に焼き付けようと目を開きました。

  ここで泣いてしまったら、みっともないような気がして。彼女からの全力のエールを、しっかりと受け取りたくて。両足を地に踏み締めて、両手に握り拳を作って、彼女の歌声と表情に神経を注ぎました。

 

  この職について、辞めたいなと思う瞬間は多々あって。理不尽な怒りをぶつけられることもあれば、自分の想いがきちんと届かないこともある。感情のコントロールが出来なくて、怒りすぎてしまって反省したこともあれば、無駄な残業をして、心を壊してしまいそうになったこともあります。

  でもそれは、全部悔しくて。自分の力が足りないせいだからだ、と追い込むことで解決させようとしてきました。

 

  まだやれる、やれるんだ。

 

  そんな気持ちになる時もあります。歯痒い気持ちを抱えながら、毎日あの場所に立ち続けます。

  何故って。そうですね……まだ自分が、何にもなれていないからだと思います。エキスパートでもないですし、いい人でもない。

  それでも……あの31人には、ちょっとでも「よかったな」と思ってもらえるような人ではいたいです。私も毎日が研鑽で、毎日が試練です。

 

  だからこそ、でしょうか。「HURRAY!」のもつ歌詞の意味となこさんの歌声が、より響いたんだと思います。

  みっともないくらいに自分の心情を見透かされているうな気がして、あぁ……こういう泥臭い歌詞が自分は好きなんだと、改めて考えさせられました。

 

「先程披露させていただきました『HURRAY!』は、あのフレー!フレー!って励ますやつあるじゃないですか?応援する時とか。あのフレーでして、皆さんの前で実はフルで、生で歌唱して、披露させていただくのがなんとか今日が初めてなんです」

  初披露にこのサンシャインシティを選んだことには、きっと意味があると思っていて。このタイミングしかない、という最高の舞台で、この曲に含まれたメッセージと巡り会えたことは、本当に奇跡だと思います。

 

「今日私に会いに行こう!って来てくださった方ももちろんですが、たまたまこの建物にいたら、あ、誰か歌ってるぞっていって、フラッと立ち止まってくれた皆さんにとっても、きっとみんなにとって大事な曲というか、この曲に巡り会えたから私に会えたみたいな風に思ってもらえたら、凄く嬉しいなと思っております。初披露いかがでしたか?」

  よくよく耳を傾けてみれば、歌詞はストレートに心に届きます。曲がったものなんてひとつもない、等身大の岬なこを知ってもらうには、この曲以外ないと私は考えます。

  岬なことおとなりさんを繋ぐ、魂の曲とも言うべく「HURRAY!」を、この目で、この耳で感じられたことを、誇りに思います。

 

「見えてるからね。あ、沢山、あの、そうですね、手を振るのも恥ずかしい。上の方までありがとうございます。あんま叫んだら喉壊すからやめとき。それではちょっと早いもので……」

  手を振るのも恥ずかしがってるなこさんが、1番可愛い。(語彙力)

  大声でなこさんの名前を叫ぶ方がいたのですが、あんま叫んだら喉壊す、と配慮している所も優しい。可愛くて、優しいなこさんが好きだなぁ……と思っていた所で、「早いもので……」というお決まりの言葉が。

  それに対して、その場にいた方々は「えぇぇぇ!!」という声を出すのは勿論なのですが、その後の岬なこさんの行動をここに記しておきたいと思います。

 

「あのさー、せめてさー、そのなんかこう……最後まで言わせてくださいよ。最後になりますってさ」

  しょぼくれる。ひねくれる。スクリーンよりに下がってしゃがむ。左手で、地面に丸を描いてるような、こう……なんか、上手言えないんですけども、ちっちゃな子がひねくれると、お砂いじりするみたいな。そんな感じの仕草をやってました……「えぇえ、か、可愛すぎんかぁぁぁあ」と内心発狂してました。

  これあざといとかそういうのじゃなくて、母性が擽られるってやつです。本当に可愛かった。可愛かったです。

 

「最後の曲も盛り上がってくれますか?ちょっと、先程も流れていたMVの中でもしかしたらこのお衣装に見覚えがある方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?このお衣装を着て歌わせていただいた楽曲、最後にお届けしたいと思います。それでは聴いてください。『ソラトレイト』」

  切り替えもすっと早いところはプロだと思うのですが……曲振りもまたなこさんは上手くって。ずっと気になっているであろう衣装に触れてから、最後の曲を届けていきます。


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「ソラトレイト」は、岬なこさんがソロアーティストデビューすると決まって、初めて世の中へと送り出された曲です。

  爽やかなメロディーや、装飾された楽器の音たちが魅力的で、いつ聴いても真っ青な空が浮かび上がります。

  伸びやかに歌いながらも、視線と配り方、身体の揺らし方……その全てで人を魅了していく。初めてとは思えないほどの、堂々たるパフォーマンス。余裕さえ感じるそのパフォーマンスに、これからの期待値が上昇するばかりです。

 

  落ちサビのケチャに関しては、先程なこさんが触れたこともあってか、今まで以上に想いが込められていたような気がしました。

  沢山のファンと、道行く人に囲まれて、彼女の歌声は彼方まで届いていたはずです。遥か空遠く、ここにはいない見知らぬ誰かと、いつか出会えますように。

  そんな願いを記して、最後の1音まで歌いきったなこさん。その顔は、安堵感と充実感が入混ざった表情にも見えました。

 

「ばっちばちに緊張。あ、私めちゃめちゃ緊張しいでして、本当に出る前とか、はっ!!!っていう気合いの入れ方とかしてて。でも皆さんが温かく迎え入れてくださったおかげで、無事歌うことが出来ました。」

  そもそもこの池袋のフリーイベントの前に、神奈川のラジオに生出演しています。つまり移動時間も含めての1日だったと思うのですが、そんな疲れを微塵も感じさせず、最後の最後までやりきる姿は、月並みな言葉ではありますがかっこいい、と私は思いました。

 

「『day to YOU』というアルバム、私7月5日にデビューさせていただいて発売しておりますので、もしちょっとでも気になったよって方は、こちらおうちまで連れて帰っていただけたらと思います。よろしくお願いします」

  しっこりここでも宣伝を入れていきます。「おうちまで連れて帰る」という表現がとても柔らかくて、なこさんらしいなと思います。

  買ってください。ではなく、連れて帰る。

  アルバムを"モノ"として扱うのではなく、"ヒト"として見ているその姿勢が素敵だなぁと思います。

 

「そして、私1stライブが有難いことに決まっておりまして。もう申し込みをスタートしておりますが、なんと今日この場で1stライブのタイトルを発表します!」

  なんとここで嬉しいお知らせが舞い込んできました。ライブのタイトルだって!?き、聞いてないぞ!?

  一気に会場のボルテージが上がります。そんなボルテージをなこさんは、「ちょっとだけ静かにしてもらってもいい?一瞬」と優しく声をかけ、鎮めていきます。

 

「タイトルは『岬なこ1stライブ!Nice to ME to YOU』でございます!」

  て、天才か!!「day to YOU」というアルバム名のセンスもそうでしたが、ライブタイトルも素敵です。「ME」「YOU」が大文字ということは、これもまた意味のある言葉なんでしょうか。

  英語で「はじめまして」という意味で「Nice to meet you」とありますよね。ここの、「meet you」が「Me to YOU」という造語になっているわけですが……はじめましてっていうのを大切にしたいライブなのかな、まだ見ぬおとなりさんと出会っていきたいのかな、など想像は無限に広がります。

 

「ありがとうございます。1stライブは11月に埼玉と大阪でやるので、もし興味があるよって方がいらっしゃったら、私のSNSかもしくはホームページなんかに飛んでいただけると詳細が載っております。ぜひチェックしてみてください」

  勿論、詳細についてもどこに出ているのか説明もしてくださいました。分からないよって方にも最大限気を配って、想いやりをもって……本当に追い掛けたいと思わせてくれる方です。

lantis.jp

 

「ちょっと、ここにいる皆さんは特にになってしまうのですが、お写真大丈夫ですか?あの、画角の関係上両サイドの方はもしかしたら、ちょっと映らないと思うんですけども、ここにいる皆さんは私が目に焼き付けますから。目に焼きつけるから。お写真いいですか?」

  写真タイムでは、個人情報への配慮もありました。両サイドのファンへ向けての言葉の温かさも、なこさんなりの想いが篭っていて。

 

  目に焼き付けるから。

 

  なんてかっこいい言葉なんでしょうか。カメラ越しではない、シャッターに映らない人を、目に焼き付けようとするその姿勢。いやいや、目には焼き付けられんやろ、とかそういうのじゃあないんです。

  その気持ちが嬉しいんです。

 

  カメラを撮ろうとしゃがむなこさんに「可愛いよー!」とファンから声が飛びます。「今関係ないよー!それ!関係ないよ!!」と鋭いツッコミが。どんな状況でも拾ってくれる、返してくれる。これが岬なこさんです。どうです、うちの推し、凄いでしょう?

「3、2、1」の合図でカメラのシャッターが切られます。Twitterにもアップしていたものが、当日撮られたものだと思います。私は、かなり前の方なので映っていましたね。ぜひ探してみてください。(報酬は、何もありません)

 

「本日の私のサンシャインシティ噴水広場でのフリーイベントは、これで終了となってしまいます。皆さん、お越しいただき……」

  と締めようとしたところで、ファンから「ぇぇぇぇえ!!!」と出ますよね。違うんですよ。なこさんも「えぇぇぇ!!!」って叫んでるんですよ。

  なんであんた、一緒になってやってるん!?とツッコミを入れながらも、どちらが最後まで声を出せるか勝負になっていきます。

  そこは声優。流石の肺活量で、次々とオタクが脱落していきます。なんだかおとなりさんとファンの方を称している彼女ですが、本当にとなりにいるような気がして、不思議です。

 

「抽選で当たった方はこの後サイン会もございますので!本日お越しくださった皆様は、帰り道もお気をつけてお帰りくださいませ。本日は、本当にありがとうございました!!」

  なんてことない平日。ですが、誰かにとっては特別な1日。そんなあなたの1日を彩る岬なこさんと、そのアルバムと出逢えたことに感謝しかありません。

  最後の最後まで、帰り道までも心配する彼女。どこまでもどこまでも、包み込むような温かさ、優しさをもっていることが、本当に素敵だと思います。

 

友達〜やらかしたってこういうこと〜

  準備が整うまで、待機する最中に歌詞カードをCDから取り出します。そこにサインを頂けるそうで、家宝にしなければ……と覚悟を決めます。

  正直、このお渡し会で3回目です。2日に話して、4日に顔を合わせて、6日のこのお渡し会。1週間に3回も推しと出逢うなんて、もう2度とないです。絶対ないです。

 

  だからこそ、どうしても伝えたい言葉がありました。

 

「やっほー!!」

  準備が整ったのか、再び登壇したなこさん。どうやら噴水広場にテーブルとイスを置き、そこに彼女が座っていて、全方位のオタクに見られながらお渡し会が行われるようです。

  え、軽く公開処刑では?

  ポスターがテーブル前に貼られ、足元はあまり見えません。ふとも……失礼しました、なんでもございません。

  着席した瞬間、袖の紐が邪魔だったのか、すっと流す仕草がありました。その所作すらも美しいと思ってしまうのは、もう私が彼女に夢中な証拠でしょうか。

 

  今日の目的はズバリ……なこさんに「ちゃん付け」で呼んでもらうことです。私欲に全振りしすぎているのは間違いないのですが、きちんと理由がありまして。 

  なんだか、こう……自分は「なこちゃん」と呼んでいるのに、向こうは「さん付け」なの嫌じゃないですか?(我儘)

  同い歳なんです、なこちゃんと。上手く言えないのですが、同い歳としての立ち位置で応援したくて。もちろんオタクとしての立場を弁えた上で、ですよ。

  だからこそ、今日はそのことを伝えようとしました。が結果をここに記させていただきます。

  名札を今回も付けているので、名乗ることはしませんでした。ですが、なこさんは気付いてくれました。

 

「来てくれたのー!!」
「来ちゃいました!」
「ありがとう!」

  ここまではいいですよね。在り来りな会話です。友達としての会話を繰り広げます。順調な滑り出し、きちんとなこちゃんに歌詞カードも渡せています。

  サインを書きながらも話せるってすごいことですよね。と今更ながら思うのですが、ここからです。

 

「あの、なこちゃんって呼んでんですけど」
「うん」
「あだ名つけて欲しいです!てか呼んでください!」

  言ってしまいました。禁断の道です。禁断かは知りませんが、危ない橋を渡ったような気がしました。すると、悩む素振りが見えてしまい……会話が途切れます。待て待て、やっちまったか?私は。

 

「あだ名……あだ名……でも、あたしさらちゃんがいいと思う!」

  悩んだ末に導き出してくださった答えは、さらちゃん。さらちゃん。噛み締めるように口の中で転がします。そもそも、ここで私は思うのです。

  友達にちゃん付けで呼ばれたことなくね?と。

  基本的には呼び捨てが多かったですし、自分がちゃんを付けらるのがこそばゆくてですね、すぐに呼び捨てにしてもらったような気がします。

 

「じゃあ、よろしくお願いします!」
「お願いします!またね!」
「また来ます!」

  言葉を捻り出した結果、よろしくお願いしますしか言えないの、ほんまにダサかったと思う。過去最高に下手くそなお渡し会しました。やらかしました。

 

  もう私、大反省しました。

  やらかしたってこういうことか〜、と頭を抱えるほどです。いや、いいんです、さらちゃんってあだ名付けて貰えたし、実際Twitterのハンネもいじりましたし。

  いいんです。けれども、これは私の中では過去一下手くそな会話をしてしまったと、生涯刻まなければなりません。

  なこちゃんが悪いわけではありません。私が悪いんです。ほんっと、やらかしました。

 

  と反省はさておき、こんなにも短いスパンで会えるとは思ってもみなくて、終わってしまう寂しさも同時に感じていました。

  勿論7月30日のお渡し会が当たっていれば話は別ですが、現状どうなるか分かりません。もう2度と話すチャンスも、言葉を伝えること出来ないかもしれません。

 

手紙〜想いを乗せて〜

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  だから、手紙を書きました。手紙で伝えることにしました。

  私は不器用な人間です。人間なので、手紙に想いを込めました。お渡し会の話、自分の話……赤裸々に綴った手紙は、果たして彼女に届いたのか分かりません。

 

  ですが、あの本が届いたのなら、きっと。

  きっと届くはず。

 

  なこウィークとも言うべき1週間は、あっという間に過ぎ去ってしまいました。

  長いようで短いこの期間に、沢山の景色を見せてもらいました。

  沢山の仲間と、なこちゃんへの想いを語り合うことが出来ました。

  沢山の声に、耳を傾けることが出来ました。

 

  それは2度とない瞬間であり、刹那の出来事でもあり、かけがえのない思い出に変わりました。

  この言葉たちを紡ぎながら目を閉じると、その時々の絵が浮かび上がります。あぁ、あんな顔してたっけな?あんな声だったけな?

 

  不思議です。自然と口角が上がってしまいます。

  それは、なこさんから貰ったものが多かったからでしょうか。

 

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  次の日仕事だ、なんて言えたものではありませんが、楽しい毎日の中に潜むスパイスとして、仕事は私の中ではちょっとした調味料に変わっています。

  自分が推し事という美味しいデザートを食べるために、お金を稼ぐためのツールといいますか、味付けといいますか。

  そんな立ち位置なんですけども、これがまた苦ではなくて。自分の味付けで如何様にも変えられる、というのが自分の職です。食です。

 

「なこの日だから、12番目の人!」

「なこってなんですか?」

 

  壮大にぶっ込みました。そしたら、壮大に滑りました。はい、やってます。

  でもそれがやれてしまうのが面白いところで、楽しんでる自分がいるのは、なこちゃんのおかげなのかな、なんて思います。

  同い歳が頑張ってる、っていうのはこんなにも力が貰えるもんなんですね。知りませんでした。

 

  次へと私はもう動き出しました。企画を立て、メンバーを集め、1stライブまであとは駆け抜けるだけです。

  ここで告知をさせていただきますと、カウントダウン企画をさせてもらっています。

 

  その名も「day for YOU」です。

  それぞれの楽曲について語り手、演奏者、絵師……などなど自分の得意分野で表現し、#でいふぉーゆー を付けて投稿しようというものです。 

  もうメンバーは集まってはいるのですが、ハッシュタグをつけてでの投稿はどなたでも出来ます。ぜひ、参加して、一緒に1stライブまでの期間を楽しんいただければ幸いです。

 

  最後となりますが……これからも岬なこさんを全力で応援しています。そして、同じように全力で応援している人がいるのですが、どっちが上とかそういうのでなく、出来る限り同じ熱量をぶつけていきたいと思います。

  これからもどうぞよろしくお願いします。

  最後までご覧いただき、ありがとうございました!