「お姉ちゃんのために、姉様のために作り上げた曲とは…」
誰かのために行動すること。それってとっても素敵なことだと私は思うんです。
例えば、ご飯を作ってあげる、プレゼントを渡す、励ましの言葉をかける…何かひとつ、小さくてもいい。誰かを思って動いたことは、それはその人にとってやがて大きな力となる。
これは聖なる夜に、大好きな「お姉ちゃん」、大好きな「姉様」のために祝福を。2つの姉妹が起こした奇跡、紡がれた素敵な物語。
前回に続いて…もうですね…言葉に表すことができるか正直不安ですが、今回も「妹」目線から書かせていただきます。どんな言葉になっても、表現が出来なくても、今の私の等身大の想いを精一杯書きます。
イントロ
「緊張してる?」
「ううん」
「ルビィも、不思議と落ち着いてる。お姉ちゃんが近くにいるからかな?」
「それももちろんあるけど…それだけじゃない。あなたがいたから、ここまでこれた」
「理亞ちゃん…」
<DETERMINATION>
路上の真ん中、背中合わせで立つルビィと理亞。
仄かな光が街を照らし、行き交う車のヘッドライトが2人を一瞬照らし出す。お互いの手を絡み合わせ立つ姿は、今まで「姉」の後ろに隠れているばかりだった「妹」たちではありません。
「「届けよう、大切な人に」」
大切な人…ふたりの大好きで、たった一人の「お姉ちゃん」「姉様」ために、ひとつの曲を贈る…。
Aメロ
「ライブ?」
「ここで⁉」
「うん…理亞ちゃんと一緒にライブをやって、見せたいの。聖良さんと…お姉ちゃんに…」
「できるの?」
「分からないけど、でも…もし出来たら、理亞ちゃん元気になってくれるかなって…」
同じ1年生である花丸と善子に対して想いを告げるルビィ。前回、一緒に曲を作りませんか?と理亞へ言葉をかけたルビィは、それを実行すべく行動へと移します。彼女は、「大好きなもの」に大しての行動力が半端ないんですよ。スクールアイドルも、そしてお姉ちゃんも。今回は、そのふたつに加え、同じ境遇を持つ理亞のためにも、彼女は動き始めました。
「面白そうずら~!」
「そうそう…え!?」
「まるも協力するずら」
「本当?じゃあ、この後理亞ちゃんと会う事になってるんだけど、一緒に来てくれる?」
「うん!」
そんな不安がるルビィの背中を押したのはまたしても花丸でした。1期第4話「ふたりのキモチ」の時にも、同じように彼女はルビィの背中を支え、見方でいる。彼女の立ち位置は非常に重要だと思います。彼女の立ち位置は…「発掘者」でしょうか。
1期のここに意味があるかもしれませんよね(無理やり)
彼女はいつだってルビィの内なる想いを掘り起こし、磨いて、光らせようとしています。
よし…ヨハネはいつも通り素直じゃないけれど、でも彼女の優しさですよね。そんなヨハネの一面が、複雑に絡まっているストーリーの紐をゆるっと解き、また引き締まる部分がよく映えて見えるんですよね。
「2人も来るなんて聞いてない」
「あー…でも、花丸ちゃんもよし…ヨハネちゃんもとても頼りになるから…」
「関係ない。私元々みんなでわいわいとか好きじゃないし」
「それを言ったらまるもそうずら。善子ちゃんに至っては更に孤独ずら」
「ヨハネ、なにさらっとひどいこと言ってるのよ」
「ずら…?」
「はっ!これは、おらの口癖というか…」
「おら…?」
「違うずら…まる…」
「ずらまるはこれが口癖なの。だからルビィといつも図書室に籠ってたんだから」
「そうなの…?」
「ずら…今年の春まではずっとそんな感じだったけど…」
「私も学校では…結構そうだから…」
喫茶店で待ち合わせをしている理亞の元へと向かった3人。花丸と善子が来ることに抵抗を覚えていた理亞。それは彼女の人見知りが故のことですよね。最後の発言からは、彼女が学校では1人でいることを思わせますね。この作品に出てくる全員に共通している点、それは…
「人見知りで、1人を好む、または1人で行動する」
キャラが多いこと。理亞にとって、同じ境遇でもあったこの3人と打ち解けることが出来たのも、共感出来たから。共感してくれる存在がいるって、これほど強いものはありませんよね。
理亞が作ってきた詩を読む3人。何のひねりもなく、率直な想いが書かれており、彼女が真面目で、真っ直ぐな性格だということが伺えます。
「あなた達ラブライブの決勝があるんでしょ?歌作ってる暇なんてあるの?」
「それは…」
「ルビィちゃんはどうしても理亞ちゃんの手伝いをしたいずら」
「理亞ちゃんやお姉ちゃんと話してて思ったの。私達だけでも出来るって所を見せなくちゃいけないんじゃないかなって。安心して卒業出来ないんじゃないかなって…」
自分とは違って、ラブライブ!決勝があるのに…と理亞の問いに対してルビィは想いを伝えます。
大好きだから、世界中の誰よりも大好きだからこそ、安心してほしい。姉を想いやる「妹」の心が暖かいんですよ、この2人を見ていると。その気持ち分かるから、凄く…。
姉と別れる時、正直凄く寂しいんです。
なんか、もうしばらく会えないのかなって、そう考えると姉には内緒ですけど、泣きそうになるくらい悲しくて。でもそんな悲しんでたり悩む姿はちっぽけだって思うから、笑顔で向かうんです。「私は大丈夫。だから姉も向こうでも頑張って」って。「いってらっしゃい」って言葉に気持ちを込めるんです。
別に心配はしていないのかもしれません。私の姉は。でも、ふとした時にやっぱり姉は不安になることがあるみたいで…化粧だってそう、洋服だって。私の将来のことを考えて、姉は教えてくれていました。そこが多分…甘えていたんですよね、姉に。
「げっ、リリーだ!どこにいるの?もう帰る準備しなきゃだめよって…うぅ、思考を読んだだと!?」
「もうそんな時間!?」
「今は冬休みずら」
「だから?」
「だから…」
滞在時間が限られているため、もう帰る準備をしなくてはいけない…ですが、彼女たちが函館を訪れたのは幸い冬休み。ということは…?
とそんな会話を離れた席から見つめる2人の不穏なオーラを纏う少女たち。
「ここに残る?!」
「そうずら。理亞ちゃんが大変悲しんでいて、もう少し励ましたいずら」
「そうそう、塞ぎ込んじゃってて、どうしようもなくてさ」
「うゆ」
「泊まる場所は?」
「幸い、理亞ちゃんの部屋に余裕があるからそこで…」
バレないように、密かに準備をするために函館へと残ることを選んだ1年生。必死に言葉を並べる姿がまた可愛らしいというか、ちょっと強めの口調になるところとか、まだまだ人生経験の浅い1年生らしいようにも思えます。渋々と言った感じで認めるダイヤ。
「いいんじゃないの?1年生同士で色々と話したいこともあるだろうし…ね?」
そして、何か思わせぶりな言葉をする千歌に目を見張る1年生。
「来てよかったね…」
「うん!…すごく…!私たちの知らないところでも、スクールアイドルは同じように頑張っているんだなって」
「なんか…元気になるよね!仲間がいっぱい…って気持ちになる」
今回の旅は、2年生にとってはプラスだったようですね。曜ちゃん、それは…その、スクールアイドルに向けてなの?それともCAさんの制服を見てかな?制服大好きなブレない曜ちゃん、好きですよ。
「あぁ…ルビィ…」
「何か気に入らない事でもしたんじゃないの?」
「そんなこと!!」
対照的におそらく人生で初めて?であろう妹離れに、心がやられるお姉ちゃんのダイヤ。静岡と北海道と、距離がありますからね…シスコンなダイヤにとっては辛い…。
「お姉ちゃん、実はルビィ…」
「Aqoursを堕天して…」
「今日から…」「Saint Aqours Snowになります!」
「ぶっぶーですわ!!」
<堕天しない?>
Saint Snowに堕天してしまうルビィたちを想像して、声を張り上げるダイヤ。乗務員も驚き、そんなダイヤを宥める果南と鞠莉。
「そうじゃないと思うよ。多分あれは…」
「あれは…?」
「言ーわない。もう少ししたら分かると思うよ」
他の5人が気づいていない中、1人にルビィたちの様子に気づく千歌。あのメンバーの中で唯一「妹」だから、1年生の行動の裏側の気持ちに気づき、言葉をかけたのでしょう。
場所は変わり、理亞の部屋。サバサバとした性格とはいえ、部屋の中は女の子っぽく、可愛らしい部屋ですね。花丸が手に取ったのは、今回のメモリアルアイテムとなったもの。
「雪の結晶?」
「そう…昔、姉様と雪の日に一緒に探したの。2人でスクールアイドルになるって決めたあの瞬間から、雪の結晶をSaint Snowのシンボルにしようって…それなのに、最後のラブライブだったのに…」
<1番大切なもの>
OSTの選曲が神がかっていますよね…。
聖良と理亞が、Saint Snowが生まれたのは、雪の結晶から。自然の中で出会ったもの、「偶然」ではなく「運命」のように結ばれ、彼女たちのグループのシンボルとなりました。Aqoursも同様に「水」という自然から、後にダイヤが砂浜に書き記したものだと分かりましたが、砂浜に「偶然」書いてあったAqoursの文字を見たから、千歌たち3人はこのグループ名で活動していましたね。
「綺麗だね」
「当たり前でしょ!姉様が見つけてきたんだから。ほら、あなたの姉より上でしょ?」「うぅ…そんな事ないもん!お姉ちゃんはルビィが似合う服、すぐ見つけてくれるもん!」
「そんなの姉様だったら、もーっと可愛いのを見つけてくれる」
「そんなのー!…あっ…」
「こんな強気なルビィちゃん」
「初めて見た」
「そ、それは…」
「姉のことになるとすぐムキになるんだから…」
「それは…お互い様だよ…」「そうかも」
再び始まりました!仁義なき妹の戦い。どちらの姉が上か…と口論する2人の姿を見ていると、本当にお姉さんが大好きなんだなって思います。自慢ができるということは、姉のことが大好きだし、「誇り」に思っているから。
「こちらこそ急に押しかけてしまってすみません」
「いえいえ。うちは全然平気なんですけど…。では、ご飯が出来たら呼びますね」
「お構いなく」
ノック音と共に入ってきた聖良に対して深々とお辞儀をする善子。善い子の善子ちゃん…1期第5話「ヨハネ堕天」の時から、私は彼女は優しくて、礼儀正しい子だと思っていました。普段のあの姿は仮初の姿!!彼女の本当の姿は、こちらなんですよね。
「みんな意外な一面があるずら… 」
「隠し持ってる魔導力と言ってもらいたい!」
「相変わらずずら」
「でも、そうかも…」
「えっ?」
「ルビィ、最近思うの。お姉ちゃんや上級生から見れば、頼りないように見えるかもしれないけど…隠された力がたくさんあるかもしれないって」
意外な1面を知った時、それをプラスで捉えるかマイナスで捉えるかで大きく変わりますね。ただ今回彼女が捉えたように「隠された力」と見れば、その人の魅力が何倍にも広がります。
例えば、千歌が普通だと言いながらも挑むところ、曜が真正面から言葉をぶつけるところ、果南が意外と怖がりななのに普段はその素振りを見せないところ、梨子が犬に対して克服をしたところ、善子が丁寧に対応するところ、花丸が食べることが好きなのに太らないところ、ダイヤがシスコンであるけどちゃんとしているところ、鞠莉が涙を隠して笑顔で前を向いていたところ…。
全部「隠された力」って思うと、人ってまだまだ秘められたパワーを持っているのでは?と興味が湧いてきますよね。
そんなルビィの話を聞いて、花丸はこれが歌のテーマになると閃きます。
またしても場所は移り静岡へと帰り練習を続ける6人。相変わらずダイヤはルビィのことが気がかりな様子。そんなダイヤに千歌は言葉をかけます。
「大丈夫。大丈夫だよ」
「千歌ちゃん、この前何か知ってる感じだったけど…」
「何か聞いてるの?」「聞いた訳じゃないよ。ただ、自分達だけで、何かやろうとしてるんじゃないかな…」
今回他の5人は気付かず、千歌だけがその気持ちに気づいている…同じ「妹」だから感じ取れるのだと思います。ですが、あえてそれを言葉にしない。千歌はあくまで「観測者」その行先がどうなるのかを見守る立場であるわけです。
「頑張るって決めたら…」
「次、負けないんだって…」
「これでこう、どう?」
「こうして…」
「だったらあとは…できた…」
「うん、すごくいい」
夜遅くまで考えをすり合わせていく2人。大好きな人のために、彼女たちはお互いに手を取り合ってひとつの曲を作り上げていく。
「「うぅー、やったぁぁぁ!!」」
この笑顔ですよ…こんなに喜んでいる姿を見たのは初めてかも知れません。姉から見ると妹が喜ぶ姿を見るのって嬉しいのかな?私は姉が喜ぶ姿が見たくて行動することはよくありますね…。
そんな妹含め後輩を優しく見守る姉様こと聖良。慈愛に満ちた表情がどことなくダイヤを思わせていて、やはり似ている2人なのかな?と思います。
「後はイベントにエントリー出来ればだけど…」
「それに合格しなきゃいけないの?」「ルビィ、知らない人と話すの苦手…」
「姉様がいないのがこんなにも不安だなんて…」
曲が完成し、あとはイベントで歌うのみ。しかし、そのイベントに出場するためには、選考会に合格しなければなりません。
いつもなら、傍にお姉さんがいた。そう、お姉さんの存在って、思っている以上に心強いんです。
私の場合、そうですね…私たち姉妹がバレーボールをやっていることは前回のブログでお話しましたね。小学生の時の話をしましたが、実は中学校は同じ部活でした。姉が3年生で、自分は1年生。この頃から「お姉ちゃん」ではなく「姉」と呼ぶようになりました。多分…先輩後輩を意識したからだと思います。
同じチームの時は、私の姉はエース的な存在で…本当にかっこよかったんですね。心強くて、頼りになって…。
ですが、高校は私と姉は別でした。姉はスポーツ推薦で県内でも強豪と呼ばれる私立に、私は頭だけで県内でも上のレベルの県立に。お互いの道はそこで分かれました。でもお互いにバレー部へと入部しており、同じ地区だったのでぶつかることがありました。
しかし自分は実力がないが故に、そしてユニフォームも貰えず上から試合を見て、自分のチームを応援。ですが、心の底では姉を応援しているんです。大好きで、憧れで、バレー選手としても私の目標で、そして…3年生だったから。負けて欲しくなかったんです。自分のチームなんかあっという間に片付けて、上まで行ってほしい。そんな複雑な気持を抱えていました。
頼りだった姉の存在は、ネットを挟んだ瞬間、それこそ凶器で、身長が170くらいから繰り出されるスパイクが襲ってくるんですね。ネット挟んで、姉とバレーしてみたかったです…今はもう叶わぬ夢ですが、でもいつか、いつか対立してみたいと思っています。
「でもさ、自分達で全部やらなきゃ」
「全て意味がなくなるずら」
そんな2人の手に、自分たちの手を添える善子と花丸。2人とも、理亞とルビィの気持ちを分かっているから、成功してほしいと願っている。そんな想いから出た励ましの言葉だったのかなと思います。
「は、初めまして…」
「ル、ルビィ達は…ぁ、いえ…ルビィじゃなくて、あの…お姉ちゃん…」
窓の外から、緊張でガチガチの2人を見守る善子と花丸。思うように言葉が紡げず、2人は黙り込んでしまいます。そんな時ルビィの脳裏に過ぎったのは幼き日のダイヤとの思い出。
「ルビィは強い子でしょ?ほら、勇気をお出しなさい?」
額へのキスは、勇気の魔法。
「 (そっか。ルビィ、ずっと勇気を貰ってたんだ…)」
妹って、姉を見て成長するんですよね。だからお姉ちゃんって、しっかりしなきゃっていう想いが強いのかも知れません。
ともいう私も、姉から勇気を貰っていました。
姉の後ろ姿を見て、背中を追いかけて…。姉のやること、出来ること、全て正しいというわけではないのですが、「姉と同じこと」をすれば安心って気持ちがあるんです。そして、それも姉と同じ活動をしていれば、助けてくれる。お姉ちゃんに甘えていたんです。
「私達は、スクールアイドルをやっています。今回はこのクリスマスイベントで、遠くに暮らす別々のグループの二人が手を取り合い、新たな歌を歌おうと思っています!」
「大切な人に贈る歌を!」
甘えることを辞めて、自分の足で、力で、前を向いたルビィ。それに伴うようにして理亞も自分の想いを伝えます。
その様子を窓の外から見守っていた善子と花丸。2人の目には涙が。2人の涙って、私たち視聴者を代弁してくれているんですよ。「あぁ…あんなにもお姉ちゃんの後ろを歩いていた子が、自分の力で道を開こうとしているんだな」って。すごく保護者目線ですけど、でもあの瞬間を涙無しで見ることは私には出来ませんでした。
同じようにして2人を見つめる先程の不穏なオーラを纏う2人。この2人はいったい…。
Bメロ
「2人とも、選考会は頑張ったずらね」
「くっくっ。貴様にリトルデーモン10号の称号を授けよう」
「ありがと」
「でも、本当に大丈夫かなぁ?あんなこと言っちゃって…」
「仕方ないでしょ。絶対満員になるって言わなきゃ合格出来そうもなかったし…」
選考会は無事通過し、クリスマスイベントへの参加が決まった様子。絶対満員にするという言葉を聞くと、かの伝説のスクールアイドルの1stLIVEのことを思い出しますね。ここでもやはりよし…ヨハネがいいスパイスを効かせていると思います。
「あ、そういえば鞠莉ちゃん達には連絡したずら?」
「うん!さっきメール来たよ!そういう事なら是非協力させてくれって」
千歌はあくまで「観測者」として見守っていただけ。ルビィたちからのアクションを待っていたんですよね。1年生たちが自分たちの力だけで何かを成し遂げようとしている…その言葉通りになりましたね。
「函館に?」
「3人を迎えに行ってくれない?」
「何かやっぱり1年生だけだと不安みたいでさ」「全く…仕方ありませんわね」
ルビィの連絡を受けて、函館に向かうように手配する果南と鞠莉。仕方ないと言っているものの、ホクロをかく癖は抜けていません。やはり妹に会えることが嬉しいんですよね。
「さぁ今日は!クリスマスフェスティバル出場者の…えっと…」
「Saint Aqours Snowです!」
北海道の、おそらくローカルラジオ番組でしょうか。その番組に出演し、クリスマスイベントの宣言をする4人。
「クリスマスイブにライブを行います!」
「宜しくず…じゃなくて、宜しくお願いするず…じゃなくて、お願いしますずら!」
しっかりと宣伝をするルビィ。上手く話せず、あたふたする花丸…1年生らしい和気あいあいとした宣伝だと思います。
「あの二人…」
「どなた…?」
「クラスメイト…」
「どうして隠れるの?」
「だって…ほとんど話した事ないし…」
ラジオを終えた4人の前に現れた不穏なオーラを纏う2人の正体は、理亞のクラスメイト。学校ではあまりクラスメイトと馴染めていない理亞はルビィの後ろに隠れてしまいます。
「Saint Snowのライブです!理亞ちゃん出ます!」
理亞のクラスメイトが何か言う前に、ルビィが自分から声をかけました。またひとつ、ルビィは誰かの背中を押してあげたんですよね。待ってるだけじゃ始まらない、自分から行動しなきゃ。今回、ルビィは積極的に自分からいくことが多くなりましたね。
「理亞ちゃん…」
「私達も行っていいの?」
「えっ?うん…それと…今更だけど、ラブライブ予選はごめんなさい…」
「良いんだよ。私達の方こそ嫌われてるのかなって…会場にも行けずにごめん…」
「理亞ちゃんや聖良先輩が皆の為に頑張ってたのは知ってるよ」「Saint Snowは学校の、私達の誇りだよ!」
彼女たちSaint Snowも学校のために…という部分は少なからずあったようですね。リアルでの話、理亞たちの通う高校のモチーフとなった「函館西高校」
こちらは実際に2019年に統廃合となってしまうようで…これなんですよね。このコンテンツがリアルと重なる瞬間があって。なんでこんなに綺麗なんだろうって思います。
廃校になるって、ほんと寂しいんですよね。なんかちょっぴりしんみりするっていうか…。
私の小学校と中学校は統廃合?と言うのかは分かりませんが、義務教育学校として生まれ変わり、小中一貫校として校舎が使われています。それでも生徒数は200人にも満たないそうで…あの頃あった部活動もなく、バレーボール部も…今はありません。あの頃のように部室がポツリと残り、私や姉が写っている写真も残されていました。
自分たちだけの想いではなく、同じクラスメイトの想いまでもを踏みにじってしまった。悔しさで涙を流す理亞にかける言葉が見つかりません。
「(何でだろう…嬉しいのに涙が出てくるの…。お姉ちゃんに早く会いたいよ…)」
理亞がクラスメイトと打ち解ける姿を見て、人知れず涙を零すルビィ。理亞が一歩踏み出したことへの喜びからの嬉しさと、Saint Snowとは決勝大会で競うことのないこと、理亞がもうお姉さんと一緒にスクールアイドルが出来ないこと…それだけじゃないと思います。もう既に廃校が確定してしまっているから…もしかしたら学校のクラスメイトと何人か離れてしまうかもしれない、自分たちの大切な学校がなくなってしまう…そのことに対しての涙でもあったわけだと思うんです。
そんなルビィの想いに呼応するように函館へと降りたったダイヤ。すると一つのメールが。
「聖良さん!?」
「あら、どうしてここに?」
「いえ、ちょっとここに来るように言われまして…」
「えっ?実は、私もです」
メールで指定されて場所へと訪れると偶然、いや必然的に聖良と出会うダイヤ。2人が向かった先には…
「これは?」
「クリスマス」
「プレゼントです!クリスマスイブに、ルビィと理亞ちゃんでライブをやるの!」
「姉様に教わったこと、全部使って私たちだけで作ったステージで」
「自分達の力でどこまで出来るか」
「見てほしい」
大好きなお姉さんに向けた、ライブという名のクリスマスプレゼント。お姉さんから羽ばたこうと羽根を広げた2人のライブ。それが彼女たちなりのお姉さんへの想いの届け方でした。
「あのぉ…」
「私のリトルデーモン達も見たいって」
「誰がリトルデーモンよ!」「千歌ちゃん!みんな!」
「来てたの?」
「鞠莉ちゃんが飛行機代出してくれるから、みんなでtogetherだって」
「あったりまえでーす!こんなイベント見過ごすわけないよ」
「さすが、太っ腹」
大切なお姉さんに向けて最高のプレゼントを企画していたこのイベントを、Aqoursのメンバーが見逃すはずがありません。自然と笑顔が綻ぶメンバーたち。
「姉様」
「お姉ちゃん」
「「私達の作るライブ、見てくれますか?」」
最愛の妹からの、最高のプレゼント。
「もちろん」
「喜んで」
常に妹の前では「手本」でいなければならない。決して弱音を吐いている部分を見せてはいけない。そんな2人が初めて妹の前で涙を流した瞬間。本当に、これって凄い素敵なことなんですよ。姉が泣いてるところなんて、全然見たことないですからね…何年も一緒に過ごしてきたはずなのに、姉の涙を常に見ることなんかない。むしろ見たことがあるかな?ってレベルで、遠い昔のことを遡らないと思い出せないくらいです。
そんな2人の姉の涙を受けて微笑む2人。サプライズ大成功、してやったりといった満足そうな笑顔。抱きしめられている姉の胸に安心して身を寄せる姿が、本当にお姉さんのことが大好きで、妹が大好きな姉妹なんだなと、深く私たちへと感じさせてくれます。
「それじゃあ、私達も次のサプライズの準備に取り掛かりますか」
「「うん」」
「「「「おぉー」」」」
「2人には内緒だけど」
「衣装もばっちりずら」
「きっと凄いライブになるよ。この景色に負けないくらい…」
大好きな姉のために活動していた妹のために、メンバーも何かサプライズを用意していたみたいです。きっと善子と花丸が、もしかしたら提案していたのかもしれませんね。成長した2人に、何かプレゼントしたいって。そのプレゼントはこの函館の景色に負けないくらいのライブ。その輝きはこの地域を照らしていく…。
「姉様!」
「お姉ちゃん!」「今の私達の精一杯の輝きを」
「見て下さい!」
お姉ちゃんのために、姉様のために作り上げた曲とは…
「「メリークリスマス!」」
Awaken the power
はじまる時は 終わりのことなど
考えてないから ずっと
続く気がして 前だけ見つめて
走り続けてきたから
お姉さんと一緒にスクールアイドルをやれることが嬉しくて、それだけしか初め2人は考えていませんでした。しかし、今回Saint Snowが終わりを迎えたように、いつの日かその日がやってくるかもしれない。そんな素直な気持ちを歌い上げていく…。
圧倒的カメラワークに加えての繊細な光の描写。よくよく見るとあの光は、Aqoursのメンバーカラー。曲のリズムに合わせて灯る光。綺麗ですよね…。
Come on!
Awaken the power yeah!
Are you ready?Let's go!
Come on! の合図で飛び出してきたメンバーたち。千歌たちの言うサプライズとは、一緒に歌い、踊ること。
「お姉ちゃんのために」「姉様のために」の曲じゃなかったの?2人で歌うんじゃないの?という意見を見たりしましたが、私はこれが「お姉さんのための曲」だと思います。彼女たちはスクールアイドル。スクールアイドルなら歌って踊ることがすなわち最高の美学。そして、前回のお話でも言ったように、お姉さんと一緒に歌って、踊ることが出来るから、そんな機会をもう一度実現させた。このこと自体が、もう既に「お姉さん」たちにとっての最高のプレゼントなのです。
世界はきっと
(Hi!Hi!Hi!)
知らないパワーで
(Hi!Hi!Hi!)
輝いてる
今回のタイトルでもあり、楽曲のタイトルである「Awaken the power」
知らないパワーがたくさん潜んでいて、でもそのパワーがあるから、世界は輝く。たくさんの人がいれば、その分だけ「覚醒する力」もあるわけで、これもひとつのエール曲でもあると思います。
my power
new power
こころの 奥底で
my power
new power
新しい世界 探してる
wake up
wake up
my new world
人は誰しも心の奥に力を持っていて、でもその力を上手く発揮できない。けれど、誰かその心の扉を開いてあげることで、その隠された力を覚醒させて、大きな力へと生まれ変わり、自分だけの新しい世界へと旅立つ。
今の理亞とルビィの気持ちが込められた、そしてお姉さんに向けたメッセージでもある曲ですね。
「姉様…私、Saint Snowはやっぱり続けない」
「えっ?」
「だって…これは姉様との思い出だから…世界に一つしかない、雪の結晶だから。だから、新しいグループで違う雪の結晶を見つけて、姉様にもみんなにも喜んでもらえる、スクールアイドルグループを作る。見てて」
理亞は聖良のあとを追いかけるだけではなく、自分の道を歩み始めました。涙と共に新たなスタートを切った彼女に対して目を伏せる聖良。そのことに嬉しさを感じると同時に一抹の寂しさを抱いたような表情。姉としての想いがそこに詰まっていましたね。
「理亞は昔から恥ずかしがりやで誰ともなかなか話せなかったんですよ」
「2人とももうすっかり大人ですわね」
「はい」
「祝福しましょう。2人の新しい羽ばたきに」
ついに妹から離れる時が来た。それを嬉しくも感じると同時に寂しさを感じている2人。それでも前を向く2人の妹を、姉として見守っていこう。そういった2人の決意を改めて感じました。
間奏(間奏)
今回は雪の結晶です。
Saint Snowのシンボルでもある雪の結晶。
雪の結晶は「空からの手紙」だと言われています。雪の結晶は上空何千メートルもの雲の中でうまれます。まず最初に小さな水滴が凍って六角形の氷の結晶になります。それは0.01ミリほどの大きさの「雪の結晶の赤ちゃん」です。
それから、この結晶に水蒸気がくっついて、そしてそれはより大きく重くなるのです。その結晶は雲の中を通って落ちていくうちに、数ミリの大きさに成長します。
その結晶がうまれてから地上に落ちるまでに1時間ほどかかります。雪の結晶は単純な六角形から始まって、独自の独特な形に成長します。
その形を決める二つの主な要因があります。
一つは雲の中の大気の温度です。
温度によって、雪の結晶は広がって板のような形になったり、あるいは、長く伸びて柱のような形になったりします。
もう一つの要因は、その(雪の結晶の)まわりにある水蒸気の量です。
水蒸気が多ければ多いほど、結晶の形は複雑になります。
雪の結晶の形が、私たちに空の状態を教えてくれるのです。
全く同じ形をした雪の結晶は2つとありません。
だからこそ、最後の理亞の言葉はSaint Snowの理にかなっていると思います。Saint Snowは理亞と聖良だからSaint Snow。聖良が欠けてしまったら、Saint Snowという雪の結晶は生まれません。
そんな意味の込められた雪の結晶だと思います。
アウトロ
8話、9話と私は、このブログをリアルに「姉妹」の「妹」の目線から書かせていただきました。書いてみて、改めて思いました。
「私は姉を一人の人間として尊敬しているし、そんな姉が大好きで、自慢のお姉ちゃんなんだ!」
って。それと同時に自分も姉を追いかけるだけじゃない、いつか追い越そうと思いました。唯一追い越せているのは勉強だけ。スポーツもオシャレも運動も、全て姉の方が勝っています。だから、自慢のお姉ちゃんなんです!
今回、2人の妹たちが2人の姉たちのために、聖夜に最高のプレゼントをしました。
誰でも力を持っている。この世界にはまだまだ私が知らない、秘められたパワーで満ち溢れているんですよね。もしかしたら、すぐそばにいる子が実は物凄い特技を持っていたり…とか、そういった発見の繰り返しが、人と人とを結ぶ線になって縁になっていく…。それって、とっても素敵なことですよね。
次回「シャイニーを探して」
「彼女たちの探すシャイニーとは…?」