ほのぼのとした田舎暮らし

ほのぼのとした田舎暮らしをしているような…そんなゆったりとした言葉を贈ります

『ラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ2期 #8「HAKODATE」』感想カタ語る

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「彼女たちが見たものとは…」

 

 

「妹」にとって「姉」とはどういう存在なのか?

「姉」にとって「妹」とはどういう存在なのか?

血の繋がりを持った家族…それだけでは言い表すことの出来ない何かがある…。

 

初めに読者の皆様に言っておきたいことがございます。

 

「自分のこと、書いてもいいですか!?」

 

つまりは…砕けた口調になったり、自分の話を持ってきたりするということです(前からちょくちょく入れてますが)

今回のお話は、リアルに2つ歳上の姉を持つ妹である「私」の視点、ルビィ理亜と同じ目線でこのお話について語ろうと思っています。ですので、そう言った「私」のリアルの話なんて興味ねえよ!という方もいらっしゃるとは思いますが…ご了承してくださると幸いです。

他の方のブログとは違う「妹」の気持ちを解いていこうと思います。

 

 

 

イントロ

 

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「ここ…どこ?」

「何も…見えませんわね…」

「天はルビィたちを…」

「見放したずら…」

  

突然激しい雪の中で震えるAqoursの描写。 先も見えず、立ち往生するメンバーを見ていると、前回新たな輝きを見つけたにもかかわらず再び道に、地理的にも精神的にも迷ってしまったのかと不安になります。

 

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「これがSnow White!Beautiful…」 

「しっかりして!鞠莉」

  

そんな中でもいつもと変わらない鞠莉果南。倒れそうになる鞠莉果南は抱きとめます。

 

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「雪め!!あまいわ!!」

「善子ちゃん!?」

ヨハネ!避けるべし!避けるべし!避けるべし!!」

 

吹雪と格闘する善子と驚く梨子。奮闘むなしく突風が善子を襲う。ピンポイントですよね。さすが堕天使ヨハネ

 

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「なんだか眠くなって......」

「私も......」

「だめだよ!寝たら死んじゃうよ?!寝ちゃだめ!」

「これは夢だよ、夢......」

「そうだよ…だって内浦にこんなに雪が降るはずないもん」

「じゃ、このまま目を閉じて寝ちゃえば自分の家で目が覚め…」

「…ないよ」

「だって、ここ…」

「「北海道だもーん!!」」

 

<ファイブマーメイド>

今までのことは、なんと茶番劇だったのか…とラブライブ!らしいといいますか、ギャグ線でぐいぐい来るスタイル。嫌いじゃないです(上から目線)

彼女たちは、北海道へとやってきていました。 

  

Aメロ

 

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「いやぁ…はるばる来たね、函館!」

「まさか地区大会のゲストに…」

「招待されるなんてね!」

 

<アクション!> 

北海道地区大会のゲストに呼ばれ、はるばる北の地まで訪れたAqours。(千歌のマスクにはもう突っ込みません)

内浦は比較的に暖かい方ではありますが、そんな環境で育った彼女たちには寒さが厳しいようで、高飛び込みで水に慣れているはずのでさえ「寒い…」と口にするほど。

 

函館の路面は凍り、普通のローファーでは危ないにも関わらず見事その役目を果たす善子。ディスりではないですよ。堕天使の名に恥じぬ運の悪さだと思います。はっちゃけている鞠莉ダイヤが見られたり、完全フル装備で、丸々と太って見える花丸と倒れてそれに巻き添えを喰らうルビィ善子

アップダウンが激しいですね…いきなりシリアスになったり、かと思えばコミカルに描かれていたり。

 

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「あ、Saint Snowさんだ」

「流石優勝候補だねぇ」

 

前回大会でもベスト8という功績を残した2人。今大会でも注目されています。「エリート校」と書かれているあたり、偏差値的にもレベルの高い学校へと通っているのでしょうか。

 

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「あのっ!Aqoursの皆さんですよね?」

「えっ?」

「え、えっと…あの…あの!一緒に写真撮ってもらっていいですか?」

 

会場内で声をかけられるAqoursAqoursの名は彼女たちが思っている以上に多くの人に知られているのですね。東海地区予選大会でここまで知れ渡っているとなると、決勝大会にて名を刻むというのは「歴史的瞬間」なのかもしれません。

  

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「決勝に進むって、凄い事なんだね…」

 

ファンサービスに答え一緒に写真を撮影したあと、呟いたルビィの言葉には重みがありますね。5000組ほどのスクールアイドルの中から数グループしか出場することのできない決勝大会に出ること自体、既に誇れることなのかもしれません。でも彼女の表情は暗いまま。現状と心情が結びついていません。ダイヤの横顔を眺めるばかり…。

 

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控え室を訪れるとSaint Snowの2人が最終調整中。聖良Aqoursに挨拶をするのと対照的に理亞は目の前のステージへ向けてイヤホンで音楽を聴いています。

 

「今日は楽しんでって下さいね。皆さんと決勝で戦うのはまだ先ですから」

「はい、そのつもりです」

 

もう既に未来のことを語る聖良。それを裏付ける確固たる自信と練習とパフォーマンス力を持っています。加えてそのパフォーマンスに魅力された人も多くいるのか、差し入れなども楽屋にはたくさんありました。

 

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「お二人共、去年も地区大会は圧倒的な差で勝ち上がってこられたし」

「もしかして、また見せつけようとしてるんじゃないの?自分達の実力を」

 「いえいえ他意はありません。それにもう、皆さんは何をしても動揺したりしない」

「どういう意味ですの?」

Aqoursは格段にレベルアップしました。今はまぎれもない優勝候補ですから」

 

<Conflict with diamond>

以前はAqoursなど眼中に無いと言った様子でしたが、彼女たちの活躍を見て、いちライバルとして見ていることが分かります。

 

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「あの時は失礼なことを言いました。お詫びします」 

 

律儀に非礼を詫びる聖良挑発的な言葉を述べていても、後に謝罪をする。そうそう出来ることではないと思います。彼女の性格が伺える行動ですね。

 

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「次に会う決勝は、Aqoursと一緒にラブライブ!の歴史に残る大会にしましょう!」

 「千歌ちゃん」

「ここは受けて立つところでーす」

「そうそう」

 

聖良による宣戦布告。「好敵手」としてお互いを認めあい、切磋琢磨するその姿はスクールアイドルの鏡ですね。「歴史に残る大会」という言葉選びも、前回「歴史に名を刻む」というAqoursの新たな目標と一致し、より一層ラブライブ!への意気込みを伺えます。

 

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「観客席から観ることでステージ上の自分たちがどう見えているか、どうすれば楽しんでもらえるか、すごい勉強になるはずだよ」

「だよね」

 

Aqoursは既に決勝大会への出場を決めているとはいえ、同じスクールアイドルであり、挑戦者です。普段ステージから「主観的」に見ていたものを「客観的」に見ることで、自分たちのパフォーマンスをより向上させようとしています。

 

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彼女たちのステージから何を得るのか──

 

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「びっくりしたね…」
「まさかあんな事になるなんて…」

「これがラブライブなんだね」
「一度ミスをすると立ち直るのは本当に難しい…」

「一歩間違えれば私達もってこと?」
「そういう事ずら…」

「でもこれでもう決勝に進めないんだよね…Saint Snowの2人」

 

<みかん色の帰り道>

結果は一瞬でした。トップ3にSaint Snowの文字はありませんでした。ステージ上でのひとつのミスが最後まで彼女たちにしがみついて離れなかった。最高のパフォーマンスすることが出来ませんでした。

「1度ミスをすると立ち直るの本当に難しい…」梨子の言葉には説得力があります。彼女自信もピアニストとして発表会に出た経験があったりと、1番ミスの怖さを知っていると思います。

 

パフォーマンスを披露するということは、いつでもミスとは隣り合わせということ。ハイクオリティーなものになればなるほど、それほどリスクも伴います。ここで思い出すのは2期第6話「Aqours WAVE」での挿入歌「MIRACLE WAVE」この楽曲も賭けでもあったわけです。千歌の可能性に賭けて、そしてAqoursのみんなを信じて、難易度の高いダンスフォーメーションを加え、彼女は心に素直に向き合い、自分を信じることでロンダード&バク転に見事成功!地区大会を突破したわけですが…

 

もしあの時ミスをしていたら?

 

考えたくもないことですが…その後のパフォーマンスに影響するだけでなく、下手をしたら千歌の大ケガに繋がっていたかもしれません。または…100人まであと2人という悔し涙も飲むことがなかったかもしれません。

 

それでも彼女たちが「キセキ」と呼ぶものを起こした。起こしたからこそ、今の彼女たちが、新たな輝きを見つけたAqoursがいます。Aqoursとの対比をすることで、より今回のSaint Snowのミスという事実を浮き彫りにさせています。

 

控え室を訪れて見ると、既に2人の姿はありません。 

 

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「今日はいつもの感じじゃなかったから」

「ずっと理亞ちゃん黙ったままだったし」

「あんな2人今まで見たことない…」

「あれじゃあ、動揺して歌えるわけないよ」

「それにちょっと喧嘩してたみたい」

 

いつもとは違うSaint Snow。確かに本番前楽屋を覗いた際、理亞の手は震えていました。まるで何かに怯えているような…。そんな不安が恐らく彼女をステージ上のミスへと繋げた。その小さなミスが彼女たちの揺るがない心に亀裂を入れてしまった…。

 

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「まだ気になる?」

「うん…」

「2人でずっとやってきたんだもんね…」

「それが最後の大会でミスして、喧嘩まで…」

「確かに…」

「やっぱり、会いに行かない方が良いのかな…」

「そうね!気まずいだけかも」

「私達が気に病んでも仕方のないことでーす」

「そうかもね」

「あの2人なら大丈夫だよ」

「仲の良い姉妹だしね」

「うん」

  

やはりライバルでもあり、そして何度も相談相手になってくれた2人のことが気がかりとなり、心配する9人。彼女たちも驚きと戸惑いの境界線に立っています。ですが、彼女たちなら大丈夫と明るい話に持っていく中、1人ダイヤの横顔を見つめ浮かない顔をしているルビィダイヤもそんなルビィの様子に何かを感じ取ります。

 

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翌日メンバーは観光に。またひとつ聖地巡礼の箇所が増えましたね。みんながわいわいと観光を楽しんでいる中、やはり気がかりなのか表情が優れないルビィ

 

 

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「なんか落ち着くね、ここ」

「内浦と同じ空気を感じる」

「そっかぁ…海が目の前にあって、潮の香りする街で、坂の上にある学校で…」

「繋がってないようで、どこかで繋がってるものね、みんな…」

 

遠い北の国に訪れてみて感じるその空気。訪れてみなくては分からないものですよね、そういう雰囲気というのは。「繋がってないようで、どこか繋がっている」

内浦も、そして函館も、縁があった。だからこそ、彼女ら2グループの道も、交わったのかも知れませんね。

 

北海道の寒さはやはり厳しいもので…お茶をしようとひとつのお店へと入る9人。「抹茶」と「くじら汁」というなんとも渋いお店へ。

 

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店内に入ると何かに気づくルビィ。奥へと進むと…

 

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ベッドの上で涙を流す理亞の姿が。2つの「運命」が混じりあった瞬間。

 

Bメロ

 

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「うわぁ…綺麗…」

「凄い美味しそう!」

「とても温まりますよ。どうぞお召し上がり下さい」

 

<想いは波に寄せられて> 

インスタ映えを狙って撮影する梨子はやはり東京の子ですね。彼女たちが偶然立ち寄ったお店はSaint Snowの2人の実家、鹿角家。2人ともそこでお店のお手伝いをしているようですね。

 

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こうしてSaint SnowAqoursの会話のやりとりを見たのは初めてですよね。いつもはスクールアイドルに関係する話ばかりでしたし、今回のように日常的な話だったり、自分の地域の話をしたりだとか、そういう姿を見ていると「昨日の敵は今日の友」というように、同学年だったり歳の近い友人に見えます。

 

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昨日のことに対して労いの言葉をかけるダイヤとそれに応える聖良を遮るようにして理亞は刺々しい言葉を放ちます。

 

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「さっきのこと言ったら、ただじゃおかないから…」

 

さっきのこと…理亞が自室で流していた涙のことですね。逃げるようにして厨房へと去っていく理亞に声をかける聖良。

 

 

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「ごめんなさい。まだちょっと昨日の事引っかかってるみたいで…」

「そうですよね、やっぱり…」

「会場でもちょっと喧嘩してたらしいん…んぐっ」

「いいんですよ、ラブライブ!ですからね。ああいうこともあります。私は後悔してません。だから理亞もきっと次は… 」

「嫌!何度言っても同じ。私は続けない。スクールアイドルは!Saint Snowはもう終わり!」

「あなたはまだ一年生。来年だってチャンスは…」
「いい。もう関係ないから。ラブライブも、スクールアイドルも」

 

ラブライブ!だから…トラブルはつきもの。後悔はしていない」聖良は言いますが、理亞にとっては後悔ばかりが頭によぎっているのだと思います。そして今回のことをきっかけに、スクールアイドルという輝きから目を背け、ひたすらに自分の殻へと閉じこもろうとしているようにも見えました。目の前の現実から逃げるために。

 

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なにも辞めちゃう事ないのに…」

「でも理亞ちゃん、続けるにしても来年1人になっちゃうんでしょ?」

「メンバーを集めてリスタート!」

「って簡単には考えられないでしょ」

「私たちもそうでしたものね…」

「結局ステージのミスはステージで取り返すしかないんだよね」

「でも、すぐ切り替えられるほど、人の心は簡単ではないってことですわ」

「自信…なくしちゃったのかな…」

 

<すれ違いは霧の中で>

果南の言葉も的を得ていると思います。私もバレーボールの試合中ミスをしました。それはもう…数え切れないほどミスをします。でも、そのミスを取り返すには…自分の力で点数を取るしかないんです。他人にどうこうされても、それはカバーされただけで、むしろまた迷惑を掛けてしまったという想いのほうが強いです。自分の心の解決には向かいません。

 

ダイヤの言うように人の心は脆いものです。少しのほつれも、分解する原因ともなりうる。

ですが例外ももちろんあります。それは…2月26日の出来事ですね。あの日の彼女はメンバーの支えもあって、無事最後まで弾ききりました。私はその精神力を素直に尊敬しております。

 

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「違うと思う。聖良さんがいなくなっちゃうから…お姉ちゃんと一緒に続けられないのが嫌なんだと思う。お姉ちゃんがいないならもう続けたくないって…」

 

同じ妹だから…ルビィ理亞の気持ちを理解していました。お姉ちゃんと一緒だから…ここまでやってきた。理亞聖良は姉妹であり二人三脚でトップレベルのスクールアイドルに成長してきました。だからこそ、人1倍姉妹の絆の強さは強く、でもほんの一瞬些細なことで切れてしまう。年齢という壁は超えることが出来ません。私もそうでしたから…。 

 

そんなルビィの指摘に納得する他の8人。思わずテンパってしまい、先程理亞と約束したことをうっかり口にしてしまい恥ずかしくなったのか、店内から飛び出すルビィとその行先を見守るダイヤ

 

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「綺麗ですわね。理亞さんに何か言われたんですの?」

「ううん、ただ…きっとそうなんじゃないかって。ルビィもそうだから…」

 

店内から走り去ったルビィを追いかけてきたダイヤ

夕暮れの海をバックに姉妹は語り合います。ルビィは、目の前の現実にきちんと向き合っていました。いつか自分の「お姉ちゃん」も卒業してしまって、理亞のような気持ちを抱くだろうと。

 

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「お姉ちゃん…お姉ちゃんも決勝が終わったら…」

「それは仕方ありませんわ」

「でも、あんなにスクールアイドルに憧れていたのに…あんなに目指していたのに…もう終わっちゃうなんて…」

 

ダイヤがスクールアイドルを大好きなことは妹であるルビィが一番よく知っているからこその言葉だと思います。そんな心の本音は、姉妹の前ではお互いに分かりきっているんですよね。俯くルビィと見上げるダイヤの対比。そして…不安や緊張からではない、ルビィが流した悲しみの涙。

 

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「私は十分満足していますわ。果南さんと鞠莉さん、2年生や1年生の皆さん、そして何よりルビィと一緒にスクールアイドルをやる事が出来た…それでラブライブの決勝です。アキバドームです。夢のようですわ…」

 

<素直になれなくて>

十分満足していると語る彼女の瞳は少しの寂しさを含んでいました。誰よりもスクールアイドルが好きだから、そしてある意味昔のAqoursと今のAqoursを繋げたのは彼女でもあるから、ずっと夢見ていたことが叶った。ですが、時というのは残酷で、彼女が一緒にスクールアイドルとして輝けるのも残り僅かしか残されていません。

 

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「でも…ルビィは…お姉ちゃんともっと歌いたい…お姉ちゃんの背中を見て、お姉ちゃんの息を感じて、お姉ちゃんと一緒に汗をかいて…ルビィを置いて行かないで…」

 

分かる…置いていかないで…って気持ち。

姉の背中を追いかけてしまうんですよね、妹って。私もそうでした。

少し私達姉妹のお話をしますが…私達姉妹は、2人とも小学生の頃からバレーボールをやっていました。姉が地元のスポーツ少年団に入団し、私は…多分姉がやっているから、私もやりたい!そういった理由で入団したのだと思います。だから…姉が卒業して、その頃からバレーボールを嫌いになっていました。姉がいないからですよね。一緒に練習に行く人が居なくなるって、凄く寂しいし、何か物足りないんです。そういうことを経験したことがあるからこそ、ルビィの気持ちも、そして理亞の気持ちも痛いほど分かります。

 

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「大きくなりましたわね。それに一段と美人になりましたわ」

 

「姉」として「妹」の成長を喜んでいるこの場面ですが、私にはこれは「対等」に見られるようになったという表れだと思いました。「妹」だけど「妹」じゃない。ダイヤのあとをついていたルビィが自分という存在とは違う、「黒澤ルビィ」として、1人の人間として見るようになったという、ルビィの成長だけではない、ダイヤの成長も感じました。

 

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「終わったらどうするつもりですの?」

「分かんない…でも学校なくなっちゃうし、お姉ちゃん達もいなくなっちゃうし…お姉ちゃんは?」

「そうね。分からないですわ。その時になってみないと…今はラブライブの決勝の事だけしか考えないようにしていますし…」

 

ダイヤたちが卒業した後のこと…かの伝説となったアイドルたちもその問題に直面し、葛藤を繰り返し、答えを導き出しました。そんな未来のことなんて誰にも分からない…今は残り僅かしかない時間を、今この瞬間を、妹と歌って踊ることの出来る最後のステージを最高なものにしたい…ダイヤの言葉がそんな風にも聞こえました。

 

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「どんな感じなの?お姉ちゃんて」
「うーん、どうだろ。うちはあんな感じだからあんまり気にする事ないけど…でも、やっぱり気になるかな。ほら、最初に学校でライブやった時さ、美渡姉雨の中来てくれたでしょ?何かその瞬間泣きそうになったもん。あぁ、美渡姉だ!って…良く分からないよ。だってあまりにも自然だもん。生まれた時からずっといるんだよ、お姉ちゃんって」

 

ホテルの部屋では「お姉ちゃん」について千歌に問います。その答えを導き出した千歌

 

「千歌ちゃん…それなんだよなぁ。」

 

姉を「姉」だと思っていないんですよ。その…表現が難しいんですけど…いつもそばにいるから。生まれた時にはもうすぐ横にいて、一緒に生活してる。それが当たり前だと思うから。でも、ふとした時に「姉」になるんですよね。例えば母親に怒られたときに庇ってくれるとか、両親の痴話喧嘩に巻き込まれてメンタルがやられている時とか、自分の悩みを親身になって聞いてくれる時とか…そういう「何気ない」時に「姉」の存在を大きく感じるんです。

 

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ルビィは1人外出していました。1人歩く姿は、どこか儚げで、でもしっかりとした歩調で、目的の場所へと向かいます。それはある意味1人で道を歩み始めた、成長したルビィの姿。

 

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「ただ、あなたが私にスクールアイドルになりたいって言ってきた時、あの時凄く嬉しかったのです。私の知らない所でルビィはこんなにも一人で一生懸命考えて、自分の足で答えに辿り着いたんだって」

 

ダイヤがあの時ルビィに向けて口にした言葉。ダイヤルビィの成長に気づけたことって実は思っている以上に大切なことなんです。このブログを書くにあたり、私は姉へと電話を掛けました。

 

「私が成長したなって思う瞬間ってあった?」と聞きました。すると…こう返答が来ました 。

 

「お姉ちゃんとして接されているわけだからわかんないけどさ、家族間の成長って分からなくない?そりゃ小さい時から比べたら、料理ができるとかそういうのは分かるけど…成長したってのは、家族じゃ分からないと思うんだよね」

 

言われてみれば確かに私も姉を成長したなと思う瞬間は分かりません。お互い結局分からずじまいなんですね。それくらい身近な存在なんです。だからこそ、ダイヤルビィの成長を感じて凄く嬉しかったという言葉が心に響きました。

 

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ルビィが向かった場所、それは理亞の元。彼女と同じ妹だから、気がかりで、でも前を向いて欲しくて、連れ出したのかもしれません。

  

「私の姉様の方が上。美人だし、歌もダンスも一級品だし」

「る、ルビィのお姉ちゃんも、負けてないと…思うけど…」

「バク転出来ないでしょ?」

「日本舞踊だったら人に教えられるくらいだし、お琴もできるし」

「スクールアイドルに関係ない」

「そんなことないもん!必要な基礎は同じだって、果南ちゃんも言ってたもん!」

「でも、私の姉様の方が上!」

 

はい、出ました。お姉ちゃん、姉様大好きなシスコンによる仁義なき戦い。自分の姉のことが大好きな2人だからこそ、お互いの姉の自慢をしたくなるし、ムキになるんですよね。私ももし言葉にしようと思うなら、いくらでも姉の魅力を語れます。

「あなたのお姉さん、バレー上手よね」っていう言葉を聞くだけで、自分のことのように誇らしく思えます。ただ稀にその比較されることが嫌になることもあります。自分の姉は特待生として高校・大学とバレーボールのスポーツ推薦で進んでいます。だから、自分は比較されることが嫌でした。それでも姉のことは、尊敬しているし、大好きなんです。

 

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「やっぱり聖良さんの事大好きなんだね」

「あ、当たり前でしょ!あんたの方こそなに?普段気弱そうなくせに」

「だって…大好きだもん、お姉ちゃんのこと。それでねルビィ、お姉ちゃんと話して分かったの。嬉しいんだって」
「なにが?」

「お姉ちゃんがいなくても、別々でも、頑張ってお姉ちゃんの力無しでルビィが何か出来たら嬉しいんだって。きっと聖良さんもそうなんじゃないかな?」

 

昔の自分もそうだったから。引っ込み思案で言いたいことさえもお姉ちゃんに言えず…姉と比較されることに対して、劣等感を抱いていたと思います。でもやりたい!という言葉を口にする勇気を、自分の心に素直になることの大切さを、その背中を押してくれた人がいたから、今度は自分が誰かの背中を押してあげたい。そして同じ立場の理亞にも前を向いてほしいから、彼女はその言葉を理亞に伝えようとしていました。 

 

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「そんなの分かってる。だから、頑張ってきた。姉様がいなくても一人で出来るって、安心してって。なのに…最後の大会だったのに… 」

 

姉と自分をどうしても妹って比較しちゃうんですよね。そして不安になる。それでも姉に「大丈夫だよ!」って「心配しないで!」って、本当の気持ちを隠して見栄を貼ろうとする。私だってそうです。

今は姉は一人暮らし。正直寂しいです。だから帰ってきた時にその分甘えるんです。逆に姉の家に定期的に泊まりに行ったり…姉というよりは本当に歳の近い友人みたいな感覚で。姉と会えた時にはとびっきりの笑顔で迎えるんです。「おかえり」「ただいま」って。

私なんて、一緒に試合に出たことはありません。実力が足りませんでしたから。でも、遊びとかでパスをしたり、大会ではないけど、ちょっとしたゲームだったりで一緒にプレーをすると、やっぱり姉とバレーボールやるの好きだなぁってしみじみ思います。

 

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「じゃあ、最後にしなければいいんじゃないかな?」

「あ、ちょっと…」

 

自分が友人に背中を押され、先輩に導いてもらったように、今度は自分がその手をとって、前へと導く…。ルビィが自分から誰かのために行動しよう!と成長した部分でもありましたし、そんなルビィに手を引かれることで自然と笑みが零れる理亞 

 

 

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「歌いませんか?一緒に曲を。お姉ちゃんに送る曲を作って、この光の中で、もう一度…」

 

目線の先、彼女たちが見たものとは…2色の光。これはまるでSaint Snowの2人を象徴する光にも見えました。「一緒に歌おう」自然とルビィの口から出た言葉ですが、ある意味これは歴史的瞬間でもあるわけです。スクールアイドル同士が手を取り合い、ひとつの曲を歌う。これはかのスクールアイドルたちが築き上げたスクールアイドルの素晴らしさを伝えるために取った方法でした。しかも、それをお姉ちゃんのために…姉様のために…なんという姉妹愛でしょうか。もう自分はこの2つの姉妹が微笑ましくて、素敵だなと改めて深く思います。 

 

間奏(感想)

 

今回着目しようと思ったのは、この部分。 

 

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ラストシーン、ルビィ理亞が見上げたツリーの頭上で光る流星です。あれ?流星と言えば…前回のお話でも出てきましたよね。

  

前回のブログにて「流星は儚く、消え去るもの」とマイナスな方向で捉えました。輝きが失われていく…そう表現いたしました。ですが、今回の場面に対しては、星が空から零れ落ち、2人に何か希望をもたらした。とプラスな方向で捉えようと思います。小さな輝きが空から零れてきた…そう表現しようと思います。

 

この僅か一瞬、誰も見向きもしないような場面…そんな場面を私は着目したい。

 

ラブライブ!サンシャイン!!」において何一つ無駄な場面などありません。それ以上に、その小さな場面でさえ何かの意味を含んでいると、拡大解釈かもしれませんが私はそう思っています。前話でも登場し、今回の話でもその存在を示している。

この流星に意味があるのか…その真意は分かりません。ですが、この場面での流星=一瞬の煌めきが今後もしかしたら関わってくるのかもしれません。

 

アウトロ

 

「HAKODATE」というタイトルから何を持ってくるのかと思えば…こんなにも素敵な姉妹愛を、そして「姉」に対する「妹」の想いの大きさを見せられるとは思ってもみませんでした。だからこそ、私にとってはリアルと照らし合わせながら見ることができ、共感する部分も多くありました。「お姉ちゃんのために…」「姉様のために…」そんな姉を大好きなふたりが作る曲は、どうなるのか…。

 

次回「Awaken the power」

「お姉ちゃんのために、姉様のために作り上げた曲とは…」