ほのぼのとした田舎暮らし

ほのぼのとした田舎暮らしをしているような…そんなゆったりとした言葉を贈ります

『ラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ2期 #7「残された時間」』感想カタ語る

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「限られた時間の中で、彼女達は一際眩く輝いている…」

 

 

ひとつの「夢」が叶わないと知った時、人は次に何を目指すのか?どうやって立ち直るのか。それは「涙」による払拭。そして「10人目」の支えからの始まり。また新たな「夢」へと羽ばたくために…その「涙」は、「10人目」は、必要不可欠なものであると私は考えている…。

 

第7話…またひとつ特大な衝撃を受けました。どう考察しよう、どんな感想を述べよう…悩んで、でもやっぱり自分のありのままで書こう、そんな想いで書かせていただきました。

 

 

イントロ

 

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「決勝に進めるのは3グループ…」

「お願い!!」

 

前回決勝大会へ進むための秘策として新たなフォーメーションを取り入れ、見事成功させたAqours。ついに決勝大会へと進む3グループが決まる。お願い!と祈る少女達の願いは…

  

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「やった…やったの…?夢じゃないよね…あっ!ってならないよね…」

「ならないわよ…」

「本当?だって決勝だよ?ドームだよ?本当だったらキセキじゃん!」

「キセキよ…キセキを起こしたの…私たち」

 

<輝きへの階段>

OSTの中で、これ以上に当てはまるタイトルはないと思いました。ひとつ、彼女たちは「輝き」への階段を登ったのです。キセキを起こしたと言いますが、私はこれは「奇跡」と言う名の「必然」だと思っています。彼女たちの悩みや葛藤、そしてひたむきに輝きを追い求める姿がありました。

 

 「キセキ」は望んで手に入れるものではなく、起こそうと思って起こすわけでもない。歩んできた道に、一生懸命に、夢中になって進んできた人に、いつの間にか「キセキ」というものが「備わっている」だけなのかもしれません。

http://nanoha1007.hatenablog.com/entry/2017/10/27/ラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ2期_#3 

 

以前2期第3話「虹」のブログにて触れましたが、私はこう思いたいだけなのかもしれません。「キセキ」のあり方は人それぞれですし、その中で私はこう思いたい、それだけですので…あくまで個人の意見ですので、皆様の考える「キセキ」をぜひ教えて頂けたらなと、今後ブログ等私も読ませていただきます。

 

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「さぁいくよ~!全速前進ヨーソロー!」

 

ライブでもお決まりのこの台詞。ヨーソローは航海用語で「船を直進させること」

MIRAI TICKET」に通ずる言葉であり、これからの活動により勢いをつけ、元気を与えてくれる魔法の言葉。

 

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「からの~敬礼!」

 

の笑顔が眩しいんです。キラキラしてるんです。心からの笑顔ほど綺麗なものはありません。目の前の輝きへ向けて、真っ直ぐに突き進む彼女たちは「無敵」だと思います。

 

Aメロ

 

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「それにしてもアキバドームかぁ」

「どんな場所なんだろうね」

「いい曲を作りたい」

「ダンスももっともっと元気にしよ!」

 

どこか夢見心地な彼女たちですが、確かな自信とこれからの未来を考えている様子から、彼女たちは「キセキ」を起こし、またひとつ成長した瞬間にも感じました。

 

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「見て!凄い視聴回数!」

「本当…こんなに沢山の人が…」

 

<輝きを目指して>

 「キセキ」を起こした「MIRACLE WAVE」のライブ映像の視聴回数は増えるばかり。多くの人々があの瞬間のパフォーマンスや勢いに感動や心の内に秘めている熱い想いを揺さぶられていることが目に見えて分かる数字ですね。

 

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「生徒数の差を考えれば当然ですわ。これだけの人が見て、私達を応援してくれた 」

「あっ!じゃあ入学希望者も…」

「携帯、フリーズしているだけだよね…昨日だって何人か増えてたし、全く変わってないなんて…」

 

生徒数というハンディキャップを覆し、応援してくれる人々を獲得した一方、入学希望者の人数は未だに変わらず…約束の期限まで刻一刻と迫っている中、学校へと戻り、鞠莉は父親へと電話をかけます。

 

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「何とか明日の朝まで伸ばしてもらいましたわ。ただ、日本時間で朝の5時。そこまでに100人に達しなければ、募集ページは停止すると」

 

イムリミットをなんとか延ばしてもらったものの、そこまでに100人集まらなくては学校の未来はない。それまでに100人集まるのか、メンバーの頭には不安がよぎります。

 

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「あ!今1人増えた!」

「やっぱり…私たちを見た人が興味を持ってくれたのよ」

「このまま増えてくれれば…あっ…」

「ちょっ、どこ行くのよ!?」

 

1人、また1人と入学希望者が増えていく中、その上がり方が緩慢で焦れったいのか、飛び出そうとする千歌

 

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「駅前!浦の星をお願いしますってみんなにお願いして…それから…それから…」

「今からじゃ無理よ…」

「じゃあ!今からライブやろう!それをネットで…」

「準備してる間に朝になっちゃうよ」

 

何としても廃校を阻止したい想いが前面に出てしまい、周りが見えなくなっている千歌。焦りは冷静さを欠き、時にはそれがマイナスな方向へと動くこともあります。ここでも鞠莉の方へとぶつかる描写が、彼女の冷静さを表すシーンでもあります。

 

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「そうだ!」

「落ち着いて!大丈夫、大丈夫だよ…」

「でも、何もしないなんて…」

「信じるしかないよ。今日の私達を」

「…そうだよね…あれだけの人に見てもらえたんだもん。大丈夫だよね…」

 

そんな彼女を止めたのは、と、そして果南の幼馴染2人。彼女たちは千歌にとって、良きストッパーのような役割でもあると思うんですよ。時には心中に迫るを言葉かけたり、可能性にかけるような、でも辛辣な言葉を言ったり、体当たりで向き合ったり…そんな信頼の強さを感じます。

 

家に帰宅してひとりでいるとイライラと不安が…生徒会長、そして理事長の権限により、9人揃って学校にてその結果を待ちます。

 

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時刻は深夜1時。生徒数も87人とあまり変わらず、残り4時間という中で焦りが生まれます。善子がやり場のないそのイライラをパソコンへとぶつけます。

 

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「ストップ。壊れていないわ」

「これが現実なのですわ。これだけの人が浦の星の名前を知っても…」

「例え街が綺麗で、人が優しくても…わざわざここまで通おうとは思わない」

 

そんな中、静かにその時を待つ3年生。3年生は2年前に浦の星女学院が統廃合になるかもしれない、と噂を聞き、スクールアイドルを始めようと決心していました。だからこそ、誰よりもこの統廃合を阻止したい想いは強いはず。ですが、上級生としての余裕かそれともその責任か、取り乱すようなことはしません。ただ淡々と冷静に分析しているところが、嵐の前の静けさのようで、その表情にまた心がきゅっと切なくなりました。

 

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「全く世話が焼けるったらありゃしない!私はリトルデーモンの事で手一杯なのに…」

「仕方ないずら。今のAqoursを作ったのは、千歌ちゃん達2年生の3人」

「その前のAqoursを作ったのは、お姉ちゃん達3年生3人だもん」

「責任感じているずらよ」

「そんなもの感じなくてもいいのに…少なくとも私は感謝しか…」

 

「責任」その言葉が重くのしかかります。悪く言ってしまえば差し伸べられたその手を、1年生は手に取ったに過ぎません。「廃校」だとかそういったマイナスなことを考えて始めたわけでもありません。それは1年生に限らないと思います。しかし、それでも上級生として少なからず学校を阻止したいという「責任」を感じてしまうのも無理はないと思います。加えて、1年生にはまだ未来がある。2年も猶予があります。それは存続すればの話ではありますが…そういったことも踏まえて、ここの場面は見ることが出来ますね。

  

そして善子「感謝しか…」という言葉。

 

自分を受け入れてくれる場所があるって、それってすごく素敵なこと。ありのままの自分でいられる、ありのままの自分をさらけ出せる場所。善子にとって、自分という存在を受け入れてくれたAqoursという場所に出会って、幸せだったと思います。

http://nanoha1007.hatenablog.com/entry/2017/10/07/輝きを見つめなおして

 

1期第5話「ヨハネ堕天」

この回で彼女は救われたんです。手を差し伸べられ、自分を認めてくれた、受け入れてくれた。だからこそのこの言葉だったと思います。

 

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「り、リトルデーモンを増やしにAqoursに入っただけなんだから!」

「だからまる達が面倒見るずら。それが仲間ずら」

「だね…何かいいな、そういうの。支え合ってる気がする」

 

そんな感謝の想いを隠すかのように堕天使へと戻る彼女。Aqoursのことが好きだから、だからこそ見守る。自然と花丸の口から出た言葉。それに寄り添うようにして言葉を紡ぐルビィ。普段わちゃわちゃとしている1年生の少ししっとりした一面が見れた部分でもあったと思います。

 

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着目したいのはこのひとすじの流星の軌道。 

流星物質が地球の大気に突入し、光を放ちながら、大気中で消え去る。その一瞬、星が消える瞬間を私たちは目にしています。これを見て、私は何かの予兆のようにしか感じられませんでした。「限られた時間の中で、彼女達は一際眩く輝いている…」そう思ってしまいました。

「輝き」が…消えていく…

 

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「94人…」

「あと6人…時間は?」

「1時間もない…」

「お願い…お願い!お願い!お願い!お願い、お願い!…お願い!…増えて!…」

 

彼女たちのタイムリミットまで1時間を切ったにも関わらず、入学希望者はまだ100人に達していません。段々と彼女たちの中にも焦りが、願望が積もっていくばかり…。そんな中で、1人壁に寄りかかっている

 

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「寝てないよ。けど…待ってるの、ちょっと疲れてきた」

 

そう言って、千歌果南と共に外へと足を運ぶ千歌のことを1番良く理解しているからこその言葉ですよね。多分彼女の心中を察しての言葉だとも思えるんですよ。「待ってるの、疲れたねって。千歌ちゃんもでしょ?」って幼馴染を気遣う言葉。

  

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朝焼けが綺麗な浦の星女学院。右側には「虹」色の光。

 

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「よっと…はぁ…あと6人!お願い!!」

「お願いします!!」

「おぉぉぉーい!!!浦の星は、良い学校だぞー!!」

「おぉぉぉーい!!!絶対後悔させないぞー!!」

「みんないい子ばっかだぞー!!!」

 

千歌の願いを聞き、声を大にして口にする果南。大声を張り上げたのはこれが初めてではないでしょうか?(合っていなかったらすみません)彼女の内に秘めた想いは、コップに入れられていた水は、この瞬間溢れました。その溢れた水に便乗して、更に水を溢れさせていく2人。

 

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「私が!保証するー!!!!!!」

 

そこへバケツを持った1人の少女が現れ、そのコップの下へとバケツを置き、その水が溢れないように。大きな器へと変えていく。梨子もこの浦の星女学院へと転校という形で来たのであり、この学校の素晴らしさを入学希望者へと伝えることの出来る唯一の存在。

 

彼女もこの浦の星女学院が好き。好きだからこその最善の策を選ぶことも、そしてその困難を笑って乗り越えようとします。

http://nanoha1007.hatenablog.com/entry/2017/10/27/ラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ2期_#3

 

彼女もまた浦の星女学院へと来て、その魅力を知り、好きになった1人。だからこそ、彼女の言う「保証」は説得力がありますよね。そこへルビィから声がかかります。急いで戻ると入学希望者が100人目前。期限までの時間も、すぐそこまで迫っていました。 

 

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「大丈夫!大丈夫…!!絶対に届く…大丈夫…届く…届く…」

 

彼女の想いは、願いは…届くのか。そして彼女たちの未来は…

 

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「募集終了…」

「時間切れですわ…」

 

世界と言うのは残酷で理不尽。ひとりの少女の願いでさえ、叶えてくれるものではありませんでした。無情にも移される「募集終了」の文字。

 

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「そんな…大丈夫だよ…あと1日あれば、ううん半日あればいい。1時間でもいい…それで絶対大丈夫って…」

「それが約束ですから…」

「でもそれだけだったら…」

「そうだよ…ずっとじゃなくていいんだよ?あと1日だけ…」

 

募集ページが消えてもなお、彼女たちは世界の理不尽に抗い続けます。2年性の3人は今のAqoursの初代メンバーだからこそ、人1倍Aqoursと、そして浦の星女学院への想いが強かったのかもしれません。

 

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「何度も掛け合いましたわ。一晩中何度も何度も…ですが…もう既に2度も期限を延ばしてもらっているのです」

「いくらパパでも全てを自分1人の権限で決める事は出来ない。もう限界だって…」

 

悔しさと悲しみを堪えたダイヤの声の震え。その震えが私たちにも、もうどうにもならないことを再度告げてきます。 

 

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「だめだよ。だって私達まだ足掻いてない。精一杯足掻こうって約束したじゃん!やれる事を全部やろうって言ったじゃん…!」

「全部やったよ。そして、決勝に進んだ。私達はやれる事はやった」

 

それでも千歌は諦めません。最後まで足掻くと決めたから。やれる事をやると心に刻んだから…。そんな彼女に果南は現実を伝えます。 

 

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「じゃあ何で、学校がなくなっちゃうの…学校を守れないの…そんなの…そんなの…」

 

やり場のない怒りや悔しさ、悲しみは全て言葉に現れます。モノにあたろうにもあたれず、どうしたらいいのか…この先の未来のビジョンが彼女には見えていませんでした。

  

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「もう一度だけパパに連絡してみる!」

「これ以上言ったら、鞠莉が理事長を辞めるように言われる。受け入れるしかない。学校はなくなる」

 

千歌のその悲痛な叫びにいてもたっても居られなくなった鞠莉はもう1度海外にいる鞠莉の父に電話をかけようとしたところを果南は止めます。これ以上は鞠莉の未来が危ない。友を想うその心が彼女を引き止めたのでした。 

 

Bメロ

 

 

浦の星女学院は、次年度より沼津の高校と統合する事になります。皆さんは来年の春よりそちらの高校の生徒として、明るく元気な高校生活を送ってもらいたいと思います」

 

<くやしくないの?>  

鞠莉の声のトーンはいつもと変わらないはずなのに…私には空元気にしか聞こえませんでした。生徒達もやり切れない想いを抱えています。

 

「千歌ー!!いよいよ決勝だね!ラブライブ!
「このまま優勝までぶっちぎっちゃってよー!」

「またいい曲聞かせてね」

 

そんな想いを吹っ切るかのように千歌へと話しかけ、エールを送るヒフミの3人。彼女たちもまた統廃合に戸惑いを隠しきれていません。それでもAqoursのパフォーマンスを見たい、そんな想いからの言葉だったと思います。

  

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「そうだよね!優勝目指して頑張る!」

 

その言葉でさえ、今の千歌にとっては息苦しいものだったのかもしれません。ガタリと音を鳴らして立ち上がり一瞬静けさが残った後、ぎこちない笑顔でそう口にします。その様子を廊下から見守る梨子

 

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「今は前を向こう?ラブライブはまだ終わってないんだから…」

「分かってる」

 

「前を向こう」その言葉通り、早足で、梨子の方を向かずに歩みを進める彼女。差し伸べられた手を取らず、1人先が見えない真っ暗な道を歩んで行く千歌

 

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「学校が統合になったのは残念ですが、ラブライブは待ってくれませんわ」
「今日から気持ちを新たに決勝目指して頑張ろう!」

 

改めてラブライブ!決勝大会へ向けて練習を再開するAqours。想いは人それぞれ。

 

「本心を隠し、前を向こうとする者」

 

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「もちろんよ!5万5000のリトルデーモンが待っている魔窟だもの!」
「みんな善子ちゃんの滑り芸を待ってるずら」
ヨハネ!!」

 

「暗い雰囲気を打ち払い、声を張り上げる者」 

 

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「そ、それに!お姉ちゃん達は、3年生はこれが最後のラブライブだから…だから、絶対に優勝したい!」

 

「心の底から向き合う者」 

 

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「YES!じゃあ優勝だね!」
「そんな簡単な事じゃないけどね」

「でも、そのつもりでいかないと」

「うん、優勝しよう…」

 

「明るく前向きに考える者」

 

そして「未だに引きずる者」

 

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「そうだよね…今はラブライブに集中してよっと」

 

<嫌いにならなきゃ>

無理にでも自分を奮い立たせる千歌。ストレッチをしながら考え、そして浮かぶのはタイムリミット、100人に満たない入学希望者、そして「募集終了」の文字。そして彼女の目から零れ落ちた何か。

 

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「千歌ちゃん…」

「千歌…」

 

あの「涙」は「心の涙」

心が泣いているから溢れたもの。だから彼女自身は泣いていない。私はそう思いたいです。だって…だって…片目からの「涙」だから。涙を流す時、両目から零れるものだと私は思っています。

「学校の統廃合を阻止する」という「夢」が消え、それでも「輝きたい!」という「夢」は消えていません。

それに…先ほども申しましたが意識的な「涙」ではなくて、無意識な「涙」だから。このふたつの観点から、私はこの「涙」の意味を捉えています。

 

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「どうしたの?みんな」

「今日は、やめておこうか」

「えっ?何で?平気だよ?」

「ごめんね…無理にでも前を向いた方がいいと思ったんだけど…やっぱり気持ちが追いつかないよね…」

「そんなことないよ。ほら、ルビィちゃんも言ってたじゃん!鞠莉ちゃん達、最後のライブなんだよ?それに…それに!」

「千歌だけじゃない。みんなそうなの」

 

千歌の気持ちを察して、練習を辞めようと提案する果南千歌の腕を軽く掴むその手は、悔しさ以上に、もうどうしようもないという諦めを感じました。

 

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「ここにいる全員、そう簡単に割り切れると思っているんですの?」

「やっぱり、私はちゃんと考えた方が良いと思う。本当にこのままラブライブ!の決勝に出るのか、それとも…」

 

こんな曖昧な気持ちでは練習に身が入らない。白黒はっきりつけるべきだと果南は考えます。

 

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「そうですわね…」

「ま、待ってよ!そんなの出るに決まってるよ!決勝だよ!?ダイヤさん達の!」「本当にそう思ってる?自分の心に聞いてみて。ちかっちだけじゃない。ここにいるみんな」

 

千歌だけではなく、9人全員が自分の心に問いかけ、そして答えを見出そうとしている。この時私は1期第10話「シャイ煮はじめました」のこの言葉を噛み締めていました。まさしく今彼女たちは向き合っているんですね、自分の心に。

 

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 「その気持ちに、答えを出してあげて」

 

空も心も晴れるから

 

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1度は諦め、でも諦めることをせず再びピアノと向き合った梨子

 

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姉への後ろめたさから離れ、でも大好きなスクールアイドルに嘘をつかなかったルビィ

 

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本の中での物語で終わらせず、自分の気持ちを素直に表へと出した花丸

 

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夕焼けを見つめ、千歌と共に輝きを見出した

 

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ありのままの自分を受け入れてくれた、堕天使としての自分と向き合う善子

 

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フォーメーションノートを見つめ、過去の自分を振り返る果南 

 

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廃校という事実に悔しさと悲しみで涙する鞠莉とそれに寄り添うように支えるダイヤ

 

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輝きとは、自分はどうすべきか、どうあるべきか対立する千歌

 

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「羽根」「夕陽」へと消えていく…

 

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「やっぱり、みんなここに来たね」

「結局みんな同じ気持ちって事でしょ?」

「ギラン!」
「出た方が良いって言うのは分かる」
「でも、学校は救えなかった」
「なのに決勝に出て歌って」
「たとえそれで優勝したって」
「たしかにそうですわね」

 

自分の心と向き合った9人はいつの間にか屋上に集まっていました。想いはひとつ。それはみんな同じ気持ち。

  

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「でも、千歌達は学校を救う為にスクールアイドルを始めたわけじゃない」

「輝きを探すため」

「みんなそれぞれ自分達だけの輝きを見つけるため。でも…」

 

本来の目的は「廃校を阻止する」ためではなく「輝きを探す」ため。2期の大半では「廃校を阻止」という部分が前面に出てきていたように思えます。彼女たちはまだ半分の「夢」を失っていません。ですが…

 

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「見つからない。だってこれで優勝しても、学校はなくなっちゃうんだよ?奇跡を起こして、学校を救って、だから輝けたんだ。輝きを見つけられたんだ。学校が救えなかったのに、輝きが見つかるなんて思えない!」

 

2期第3話「虹」で、彼女たちは言っていました。

 

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「そうね…ラブライブに出て輝きたい。輝いてみたいってスクールアイドル始めたけど…」

「それが出来たのも、学校があったから。浦の星があったから」

 

浦の星女学院という学校があったから、彼女たちは「輝き」を探す探求者でいられた。しかし…

 

「私ね、今はラブライブ!なんてどうでもよくなってる。私達の輝きなんてどうでもいい!学校を救いたい!皆と一緒に頑張ってきたここを…」

 

千歌の口から「輝き」への否定を表した「どうでもいい」という言葉が出るとは思っていませんでした。だからこそ衝撃的で…。こんなにも全否定されるとは、下からアッパーを食らったような感覚に陥りました。絶望の底へと叩き落とされ、迷う少女に声をかけたのは…

 

「じゃあ救ってよ!!」

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「だったら救って!」

ラブライブに出て、優勝して!」

 

 「10人目」である彼女たち、浦の星女学院の生徒達。声を張り上げ、千歌へと想いを届けます。

 

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「みんな…出来るならそうしたい!みんなともっともっと足掻いて、そして…」

「そして?」

「そして、学校を存続させられたら…」

 

彼女もその叫びに、叫びで返します。やりばのない想いを、声を大にして、学校のみんなへと伝えます。そんな千歌に言葉をかけ、そして支えたのは「10人目」でした。

 

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「それだけが学校を救うってこと?」
「私たち、みんなに聞いたよ。千歌たちにどうして欲しいか、どうなったら嬉しいか、みんな一緒だった。ラブライブ!で優勝して欲しい!千歌たちのためだけじゃない!私達のために!学校のために!」
「この学校の名前を残してきて欲しい!」

 

「10人目」による「第3の意見」 

「廃校を阻止」するためにラブライブ!へと出場するのではなく、「輝きを探す」ために出場するのではなく、「この学校の名前を刻む」ために、10人目Aqoursである私たちのために出てほしい。その想いが、言葉が、千歌に勇気をくれます。

 

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「千歌達しかいないの!千歌達にしか出来ないの!」

浦の星女学院スクールアイドル、Aqours!その名前をラブライブの歴史に、あの舞台に永遠に残して欲しい」

Aqoursと共に、浦の星女学院の名前を!」

 

彼女たちの想いは増していく。底から、暗闇の底にいる千歌を引きずり出すかのように、大きな声を出して。

 

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「だから…だから…だから…」

 

彼女たちの想いはひとつ。

 

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「「 輝いて!!」」」

 

「みんなで叶える物語」

 

それがこのコンテンツのコンセプトですよね。ですがここはあえて…

 

「みんなで叶える『夢』」

 

と私は表現したい。かの伝説の、あの人が口にした言葉。あえて「夢」というのは、ここに当てはまるのではないかと私はそう考えました。

キセキを、奇跡を起こすことが、軌跡を描いて、輝跡を残していく…みんなの「夢」へと繋がる。それが彼女たちの輝き…見つけた答えだと思います。

 「10人目」の想いが、願望があるからこそ…彼女たちのライブは、輝きは完成する。

 

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「千歌ちゃん、や・め・る?」

 

お決まりの台詞。千歌に1番効果のある言葉。してやったりと言った表情の2人がまたなんともこの場面の注目する点でもありますね。

 

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「やめるわけないじゃん!決まってんじゃん!ぶっちぎりで優勝する!相手なんか関係ない!秋葉ドームも、決勝も関係ない!優勝する!優勝して、この学校の名前を、一生消えない思い出を作ろう!」

 

地団駄を踏み、顔を上げ、屋上から宣言する彼女の目にはもう一切の迷いもありません。

 

ラブライブ!で優勝し、名前を刻み、思い出を作ること」

 

それが新たに見つけた彼女たちの「輝き」 

 

間奏(感想)

 

さて今回はやはりここですね。 

 

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「白」色の羽根が、「水」色、否「Aqours」色へと変わる。その意味…それは「巣立ち」だと思うんですね。親鳥に餌を与えられていた雛がやがて自分だけの翼で羽ばたくように、μ'sから受け継いだ白い羽根は、何色にも染まっていない。それがAqours色に変わったというのは、自分たちだけの「本当の」輝きを見つけたから。

 

以前のブログでこのような解釈をしていました。

 

私の考えですが、真っ白なキャンバスがあって、そこから描ける絵というのは、描く人自身で変わるからこそいい。何も描かれていないからこそ、無限の可能性がある。

http://nanoha1007.hatenablog.com/entry/2017/10/21/ラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ2期_#2「

 

 このように解釈していましたが、白って何色にも変わるんですよ。何もかもを塗りつぶす黒と違って、白には無限の可能性がある、広がりがある。色は個性ではないのか?と私は思っておりまして…なのでAqours色というのは「Aqoursらしさ」「個性の表れ」と私はあの羽根の色の意味を考えます。自分たちだけの輝きへ向けて、彼女たちは羽ばたき始めたばかり。

 

アウトロ 

6話に引き続き、こんなにも心を揺さぶられる話が続いてきますと、次の話もやばいのか…と身構えてしまいますね。Aqoursが自分たちだけの「本当の」輝きを見つけ、羽ばたき始めた彼女たちは、どこまでだって飛べる。輝けます!!

 

次回「HAKODATE」

「彼女たちが見たものとは…」