「キセキは起こったよ」
皆様がこれを読んでいる頃、私はきっとその供給に頭が追いつかず、天に召されているかも知れません。
こんな遺書?のようなものを書き残して置いて、君は死ぬのかい?とでも問いかけられそうな導入ですが…実際脳が考えることを止めていました。「やべぇ」と警報が脳内に鳴り響き、ドバドバと聞こえてきたのは空耳だろうか?血流を巡らせている音だろうか?とぼんやりと考えていました。
さて、今回衝動的に書かせていただいたのは5月16日に放送されました「ラブライブ!サンシャイン!!Aqours浦の星女学院生放送」内にて発表されました「ラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ2期Blu-ray第7巻特装限定版特典CD⑦」の「キセキヒカル」についてです。
初見で聴いた瞬間、私の魂は天に召されました。
「起こそうキセキを!」
起こそうキセキを! pic.twitter.com/8id7B3YibW
— さらいん (@nanoha1007) 2018年5月17日
私が1番愛しているオリジナルサウンドトラック(通称OST)です。なんとこの楽曲をアレンジしたであろう今回の特典曲。やられないわけがないです。即死でした。
衝動で書いた感想記事みたいなものです。
これは個人的な感想が並ぶのでさらっと流してもよし、ぐぐーっと読んでくださるのもよし、ただぽつりぽつりと綴っていきます。
Aメロ
いつの間にかきたね
こんな遠いところまで
彼女たちは気付かぬうちに遠く、遥か彼方まで走り続けてきました。この歌詞を聴いた時、私は2期12話「光の海」の千歌ちゃんの台詞を思い出しました。
「どのくらい走ったのかな…どこまで来たのかな…どこまで続くのかな…。分からないけど、あの時と今思っていること全てがあってここに辿り着けたんだと思う。雲の上だって、空を飛んでるみたいだって、思いっきり楽しもう!はじけよう!そして優勝しよう!私達の輝きと証を見つけに!さぁ行くよ!」
ーラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ2期
第12話「光の海」ー
「輝き」を追い求めて走り続けている時、ここがどこなのか、どれくらい走ったのか、なんてことは考えていない彼女たち。「いつの間にか」辿り着いた場所。ただただ「輝き」を掴みたくて、がむしゃらに走り続けた日々こそが、「私たちの輝きだったんだ…」と2期13話「私たちの輝き」で千歌ちゃんは答えを見出しています。
「分かった…。私が探していた輝き、足掻いて足掻いて足掻きまくって…やっと分かった!最初からあったんだ、初めて見たあの時から。何もかも1歩1歩、私たちが過ごした時間の全てが…それが輝きだったんだ…探していた私たちの輝きだったんだ…!」
ーラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ2期
第13話「私たちの輝き」ー
千歌ちゃんたちの9人の"いま"の気持ちが、そのまま歌詞に落とし込まれているように、そのダイレクトな感情の歌詞が私たちの心を揺さぶる。畑亜貴さん、恐るべし。
あぁ空はいつもの青い空
遠い場所へと来てしまっているのに、いつも見上げていた「青空」がそこには広がっていた。
「青空」というワード。私たちに馴染み深い言葉です。
上を見上げれば、すぐそこにある風景。存在。それはラブライブ!サンシャイン!!においても描写される景色です。
(ラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ2期第1話「ネクストステップ」より)
(ラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ2期第2話「雨の音」より)
(ラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ2期第3話「虹」より)
(ラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ2期第7話「残された時間」より)
(ラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ2期第9話「Awaken the Power」より)
(ラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ2期第11話「浦の星女学院」より)
(ラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ2期第12話「光の海」より)
(ラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ2期第13話「私たちの輝き」より)
TVアニメ2期12話「光の海」で鞠莉ちゃんはこう言っていました。
「一緒だよ!!だって、この空は繋がってるよ。どんなに遠くてもずっと、いつでも!」
ーラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ2期
第12話「光の海」ー
そう、どんなに遠くても、この空は変わらない。いつもの「青い空」が広がっている。それは未来でバラバラな道を歩んでいたとしても、ずっと変わらない景色がそこにあるということ。
「青空」というと、真っ先に思い浮かべる楽曲は、「青空Jumping Heart」でしょうか。
歌詞にもひしひしと彼女たちが「夢」に向かって輝こう!という気持ちが全面に出ていますし、ライブでもこの曲が来るとスっと初心に帰らせてくれる曲ですね。
はじめたい! my story (さあ今だ)
青い空が待ってる
更に「未来の僕らは知ってるよ」でもその空について言及しています。
味方なんだ 空もこの海も
あたらしい青空が 待ってるよ
どんな時でも、どんな場所だとしても、「青空」は味方でいてくれる。「青い空」が待っていてくれる。だから僕らは羽ばたいていくんだよ、という心情を感じました。
何も無かったから
何か掴みたい想いが
あぁ道を作ってくれたのかな
千歌ちゃんはあの日「輝き」と出会い、「輝きたい!」という想いを抱きスクールアイドルを始めました。
「普通の私の日常に、突然舞い降りた奇跡。何かに夢中になりたくて何かに全力になりたくて、脇目も振らずに走りたくて、でも何をやって良いか分からなくて…くすぶっていた私の全てを吹き飛ばし、舞い降りた!」
ーラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ
第1話「輝きたい!」ー
そして「私たちが過ごした時間の全てが…それが輝きだったんだ…探していた私たちの輝きだったんだ…!」という答えに2期13話「私たちの輝き」で辿り着きました。
「掴みたい」という言葉、これは「決めたよHand in Hand」でも出てきましたね。
夢が生まれる 予感はただの
錯覚じゃないはずさ (wow wo!)
動きださなきゃ はじまらないよ
その手を掴まえたい
「掴みたい」「掴まえたい」追求する想いが、何も無い場所に道を作った。この道は「彼女たちだけの道」
他の誰かではその先の目的地には辿り着けない。
私はこの道は誰かが、先人達が築き上げた「軌跡」ではなく、彼女たちの歩いた後、後ろに出来た道であると思っています。彼女たちの「輝跡」がそこにはあると思います。
そして「想い」
これは「想いよひとつになれ」にも使われるフレーズ。
想いよ ひとつになれ
どこにいても 同じ明日を
信じてる
他にも「同じ明日を信じてる」=「変わらない日常」=「いつもの青い空」とここでも「青空」と関連を見出すことが出来ますね。
Bメロ
キセキは起こると知ったよ
Bメロで「キセキ」という言葉が入ってきました。
「キセキ」の表記はどれなのか…?公式さんを待ちますが、「キセキ」というフレーズはラブライブ!サンシャイン!!を語るには欠かせない単語です。
楽曲では、「My舞☆TONIGHT」でも使用されています。
今 小さく 燃えてる
まだ小さな焔が
ひとつになれば
奇跡が生まれ
「キセキ」=「MIRACLE」つまり「MIRACLE WAVE」でも大切な言葉にもなっています。
あたらしい光 つかめるんだろうか
信じようよ (YEAH) ‟MIRACLE WAVE”が
‟MIRACLE”呼ぶよ
「キセキ」は「起こせる」ことは、彼女たちは6話で分かっています。
「やった…やったの…?夢じゃないよね…あっ!ってならないよね…」
「ならないわよ…」
「本当?だって決勝だよ?ドームだよ?本当だったらキセキじゃん!」
「キセキよ…キセキを起こしたの…私たち」
ーラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ2期
第6話「Aqours WAVE」ー
千歌ちゃんは、「キセキ」を「起こせる」ことに対して2期第3話「虹」で言葉にしています。
「私、思うんだ。キセキを最初から起こそうなんて人、いないと思う。ただ一生懸命、夢中になって、何かをしようとしている。なんとかしたい、何かを変えたい!それだけのことかもしれない!だから…!」
ーラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ2期
第3話「虹」ー
ですが「奇跡」を「起こせる」ことは知っていても「起きる」ことは知らなかったわけです。
あの頃の僕らへと教えてあげたいよ
「あの頃の僕ら」それは一人一人が悩み、苦しんでいた時期のことも指すと思いますし、廃校が決まった時戸惑った9人のことも指すと思います。
「輝き」に対して、迷い、悩んでいたメンバーそれぞれ、そして「キセキ」は起こせるのだろうか、と悩み続けた日々。
千歌ちゃんは、自分が普通怪獣であり、必死に輝こうと足掻いていた時。
曜ちゃんは、要領が良いからと自分の気持ちに素直になれず、言葉に出来なかった時。
梨子ちゃんは、ピアノが弾けなくなったことから、どうしていいか分からず、もがき苦しんでいた時。
花丸ちゃんは、本の世界で閉じこもったままで、でもやりたいという本心を向いていないと嘘をついていた時。
ルビィちゃんは、スクールアイドルという想いを打ち明けられず、勇気が出せずに迷っていた時。
善子ちゃんは、「堕天使」ということから孤立し、「ヨハネ」という存在を認めてくれる場所を探し求めていた時。
ダイヤちゃんは、「さん」ではなく「ちゃん」と呼ばれたいと言い出せず葛藤していた時。
果南ちゃんは、友達の将来を思うばかりに決裂し、2年間も自分の想いを抑え続けていた時。
鞠莉ちゃんは、あの日失ってしまったものをもう一度取り戻すために奮闘し続けていた時。
それは彼女たちの「貴石」です。
それぞれが持っている「個性」という名の「輝石」
そして「貴方だけの石」自分だけの小さな原石を磨き続けていたのが「あの頃の僕ら」だと思うんです。
サビ
諦めないことが夢への手がかりだと
「諦めない」「夢」もラブライブ!を語る上で大切なフレーズです。
「諦めない」という言葉を聴いた瞬間、真っ先に浮かんだのは「WATER BLUE NEW WORLD」
「諦めない!」
言うだけでは叶わない
「動け!」
動けば変わるんだと知ったよ
そして「夢」という言葉も「夢で夜空を照らしたい」更には「勇気はどこに?君の胸に!」で使われていますね。
夢のかたちは
いろいろあるんだろう
そして繋がれ
みんな繋がれ
Aqours『ラブライブ!サンシャイン!!』 TVアニメ2期ED主題歌 「勇気はどこに?君の胸に!」CM (60秒ver.)
何度だって 追いかけようよ
負けないで
失敗なんて 誰でもあるよ
夢は 消えない
夢は 消えない
「諦めない」こと、何度でも追いかけること、それが「夢」に向かうための手がかりであり、地図になること。廃校を阻止するために、足掻いて足掻きまくって、最後まで諦めずに全力で打ち込んだAqoursメンバーは、「優勝」という大きな「夢」を叶え、浦の星女学院の名をスクールアイドルとして「夢」の舞台あるラブライブ!にその名前を刻みましたね。
今だから言ってもいいかな?言いたいね
迷いに揺れるココロ
それでも前を向いて
「迷い」この言葉も。言い回しだったりとその形は変えられていますが「ダイスキだったらダイジョウブ」には、はっきりとその言葉が綴られています。
やってみたい
動きだした心は
まだ迷いをかかえて揺れているよ
それでもスタートしたのは
運命かな
気持ちがつながりそうなんだ
「迷い」があるから、人は前を向いて頑張ろうと思える。
「迷い」と「成功」は表裏一体だと考えています。迷って、悩んだ先に見つけた「輝き」
止まない雨は無いと走ってきたよ
「止まない雨はない」それは必ず空は晴れるということ。
そう考えた時、脳裏に「未熟DREAMER」の歌詞が浮かび上がりました。
嵐がきたら 晴れるまで遊ぼう
歌えばきっと楽しいはずさ
ひとりじゃない 乗りこえられる
不思議なくらい怖くはなくなって
「晴れるまで遊ぼう」
それは必ず雨は止むという自分の中の自信を信じていること。「止まない雨はない」という部分はここに通ずると思います。
他にも、「未来の僕らは知ってるよ」にも「止まない雨はない」に対するフレーズが込められています。
歌いながら 雨に濡れながら
「絶対晴れる!」と信じてるんだよ
更には「空も心も晴れるから」にも類似したフレーズが込められています。
うまくいかなくて
泣きそうになる時は
くちびる噛みつつ願うんだ
「あしたは晴れ!」
「絶対晴れる!」ここでも自分の中にある確かな自信を信じています。嵐が来ても、雨が降っても、必ず空は晴れる。どんなに激しくても、必ず「太陽」が顔を出す。
見上げれば熱い太陽
そしてその「太陽」=「Sunshine」=「輝き」
たくさんの困難を乗り越え、時には立ち止まり、がむしゃらに駆け抜けてきた先にその「太陽」がありました。
彼女たちだけの「輝き」
「輝き」と言うフレーズは、ラブライブ!サンシャイン!!に置いて最もキーとなるワードだと個人的に考えています。
ラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ第13話「サンシャイン!!」にてステージで披露された「MIRAI TICKET」にもその言葉は歌われています。
輝きは 心から
あふれ 出して もっと
先の景色 望むんだ
そして忘れてはいけない、Aqours1stシングル「君のこころは輝いてるかい?」
初めて彼女たちが命の息吹を吹き込まれ、歌声を披露した大切な楽曲にもこの言葉は歌われています。
君のこころは輝いてるかい?
胸に聞いたら "Yes!!" と答えるさ
この出会いが みんなを変えるかな
今日も太陽は照らしてる 僕らの夢
ここまで色々と綴ってきましたが、私が何よりも嬉しかったのは、OSTに歌詞がついて、彼女たちが歌っているということ。アニメ2期が始まる前に私はOSTに魅力され、その音楽をもっと知りたいと思いました。歌詞の無い、音だけで感情や想いを表すその音楽たち。
ですが、時折考えることもありました。
「もしこの曲たちに歌詞がついて、9人が歌っていたなら?」
と、思う自分もいました。
その想いは「キセキヒカル」という形で叶えられました。
「起こそうキセキを!」から「0から1へ、1からその先へ!」から「キセキのかけら」が生まれ、その「輝石」が「キセキヒカル」となって、私たちの元へと届けられた。
加藤達也さん、このOSTを作ってくださってありがとうございます。そして、ラブライブ!サンシャイン!!に携わる関係者の皆様、私が1番大好きなOSTである「起こそうキセキを!」を、新たに曲して、歌詞を、歌声を込めてくださって、本当にありがとうございました。
この「キセキヒカル」は彼女たちが歩んできた「輝跡」が詰まった曲です。まさしく彼女たちの「WONDERFUL STORIES」です。
13話で輝きに気付いたように、2期1話から流れ続け、数多くのOSTの「基石」となったこの曲は、もっと沢山の人に知ってもらいたい、聴いてもらいたい。
そう思います。
OST…オリジナルサウンドトラック、それは音だけで感情を伝えるもの。
そのOSTから生まれた「キセキヒカル」
これからもずっと大好きです。
「キセキは起こったよ」