「楽屋は、人の心を写す鏡だ。」
「舞台」
それは私にとって未知の世界。どこか遠い世界だと感じ、自分には届かない領域だと考えていた。触れてみて、何を感じるのだろうか?そんな淡い想い、単純な理由で足を運んだ私の先入観はいとも容易く崩れ去った。積み上げてきた壁を超える、舞台役者による「熱量」によって…。
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皆様、はじめまして。
いつも私のブログに目を通してくださる皆様、ありがとうございます。さらいんと申します。
今回書かせていただきますのは、私の初舞台観劇の作品となりました岩崎大20周年企画『bastidores-楽屋-』の感想等々を書こうと思います。感想を書くにあたり、作品の内容等触れることもありますので、ご了承いただけますと幸いです。また当方伊波杏樹さんの大ファンのため、伊波杏樹さんばかり語ってしまう可能性が非常に高いので、そちらもご理解いただけますと幸いです。
きっかけ
まずは私が舞台へと足を運んだ理由からお話します。
https://twitter.com/anju_inami/status/957237858523217920?s=21
かなり単純な理由ではありますが、2つあります。
1つは伊波杏樹さんが出演されているからです。彼女は元々舞台を基盤に活躍されており、それに加えて声優、「Aqours」というグループでアーティスト活動をされている方です。
私は、彼女の「声優」として「アーティスト」としての側面からでしか見たことがありませんし、舞台女優としてステージに立つ姿は1度も見たことがありません。
今回縁あって彼女が舞台女優としてステージに立つ姿を見させていただくことが出来ました。
もう1つは「舞台」はすごく面白いよと、とある人からずっとお話を聞いていたからです。その人は何度か舞台を訪れており、私と同じように伊波杏樹さんを応援されている方で、彼女が出ている舞台の他にも何度か他の舞台も見に行かれている方です。
その方から何度もお話を聞いているうちに「舞台を見てみたい」という想いが強くなっていました。
今回舞台を見れたことは私にとって大きな経験となりました。
道草
ここからは1度舞台の話から逸れます。いわゆる私の道草話です。
舞台の感想が見たい方は目次から飛んで頂けますとご覧になれますので…。
さて、私がその舞台を観劇しましたのは4月1日、千穐楽の昼公演でした。私の地元から東京の秋葉原までの高速バスが出ており、揺られること1時間40分、久しぶりに降り立った秋葉原の地の懐かしい匂い、「あぁ、来たんだな」といつも思わせてくれる地です。
少し他の地域よりもアニメが広がったこの地は、いつも胸にワクワクを募らせてくれる。
もちろん通常の電車よりもリーズナブル、という値段でこのバスを利用し、秋葉原に来たわけではありません。私にはどうしても今日訪れたい場所がありました。
大通りを抜け、脇道を抜けたその先。
見えてきたその風景、影。
「ラブライブ!」に親しみのある聖地、神田明神へと続く男坂。μ'sの9人が練習として階段ダッシュをしていた縁ある場所。今日の私はパンプスなのでゆっくりと上がることしか出来ませんが、登りきったところから見下ろす景色を見ると、充実感で胸がいっぱいになりますよね。
「あぁ…」
言葉にならないこの想い。どう表現すればいいのでしょうか。ただ無意識にパシャリと1枚。
青葉に変わりつつ、でも桜が未だ多く芽吹くその風景。
スーツを身に纏い、祈願をする新社会人。
入学式前なのか、親子で参拝される方々。
たくさんの想いが交差する場所。
"夢"が集う場所。
きっと新しい未来に向けて、希望に胸を膨らませたり、不安なことを祈願したり、やる気に満ち溢れていたり…思い思いの気持ちを抱いて訪れていたのでしょう。
4月1日、そう2年前にあった「μ's FINALLOVELIVE〜μ’sic Forever♪♪♪♪♪♪♪♪♪〜」
今日は2周年記念ということで縁あるこの地に足を運びたかったのです。
あれから色々なことがありました。たくさんの出会いもありました。そんな今までの「ありがとう」とこれからの「よろしく」を伝えるために…私も1つ祈願させていただきました。
「これからも健康でいられますように、伊波杏樹さんのような女性になれますように…」
2つもお願いしてしまうのは欲張りかもしれませんね。
少しふわりとしたこの感情に浸りたくて、1時間ほど近くのベンチに座り、訪れては去ってゆく人々を眺めている自分がいました。
舞台の時間までもう少しというギリギリまでその雰囲気を味わいたかったのかもしれません。
よし、舞台を見に行こうか。
開演前
舞台の会場があるのはJR中野駅。
中野は活気に溢れる街でした。改札を出ると広場には少し人だかりが。パフォーマーが路上でお客さんを目の前に技を披露していたりとどこか高校生の時にいつも降りていた駅と同じ雰囲気がありました。
「中野ブロードウェイ」という商店街のような通りには人が行き違い、左右にはたくさんの店が立ち並び、街ゆく人を惹きつけるかのように看板が。忙しく行き交う人の波をかき分けるように抜け、中野通りへと。
中野ブロードウェイとは違った中野通り。
先程の喧騒とは打って変わって、まばらに人が入れ違い、自転車のペダルを漕ぐ音、車のエンジン音、歩行者用信号の音…時間の流れが緩やかでまるで別世界へと入り込んでしまったかのように錯覚しました。
はらりと視界の端に見えた白。
頭上からひらひらと舞い散る桜の花びら。
春の風が桜を芽吹かせるかのように、建物の隙間を吹き抜け、私の側を通過していくと、心地よい風と共に桜の花びらが舞い踊り、私を通り越して行く。
道端に連なるようにして植えられた桜たちは、まるで訪れる人々を迎え入れるかのように、優しく、美しくその花を咲かせていました。
思わずその景色に目を奪われ、1枚パシャリ。
中野通りから小道へと入り、スクランブル交差点を抜けたその先に、ひっそりとその舞台となる会場は佇んでいました。
「WESTENDSTUDIO(ウエストエンドスタジオ)」
住宅街にそっと溶け込むよう立つ劇場。
初め本当にここが会場であっているのだろうか?と思いました。ですが、その付近には舞台に観劇に来たであろう方々がいたので、「間違いない」と確信を持てました。
私の中のイメージとして、もっと、こう、見栄えのある建物がドンっと佇んでいるイメージでしたので、最初は本当にここに人が入るの?など色々と不安やドキドキで緊張し、胃がキリキリしていました。それだけではなく伊波杏樹さんの舞台を、そして自分にとっても初舞台観劇ということで、おそらく武者震いをしていたのだと思います。
「整理番号61番から70番までの方〜劇場にお進みください」
入り口では運営委員が声を出し、懸命に誘導していました。住宅街の間とあってか、道端はそこまで広くありません。「バスが通ります」と何度も声をかける運営委員の方に少し同情しながら番号が呼ばれるまで待ちます。
私は最後から2番目、だと思われる。番号が呼ばれると、整理番号順に並び直し、身分確認を入り口で行われました。
緊張なのか武者震いからか、震えた手で出したのは学生証。あ、間違えた!住所書いてない!ともう一度、今度はきちんと免許証を差し出します。
ハガキの端っこをハサミで切り取るとそれが証拠としてなのか…中へと入ると右側にはプレゼントボックスが。お手紙をまだ書いていなかった私はそのまま足を進め、劇場の中へ。
左側へと歩みを進めると、黒のカーテンで左右に仕切られた階段が目の前にありました。ここが入り口のようですね。
何故このようになっているのだろうか…これは意味があるのだろうか…?そんなことをぼんやりと頭の片隅で考えながら、その階段を降りていくと既にそこは人で埋め尽くされていました。
初舞台観劇をよりスリルに楽しむために、事前に下調べなどなし、当日ぶっつけ本番のような勢いで訪れたこの劇場。中がどのような構造になっているのかも知らずに訪れてみましたが、思った以上にこじんまりとしていて逆に驚きました。
いつもLIVEといったイベントとしか縁のない私にとって、未知なことばかりの今回の舞台はワクワクの連続でした。
自由席ということもあり、空いている席を見つけ出すためにぼんやりと客席を見上げると、最後列上手寄りの席がいくつか空いていました。
段を上がるごとにギシギシと揺れる足元が厳かな雰囲気を伝えてくる。
意外にも柔らかなクッションに腰を下ろしたものの、なかなかそのクッションに落ち着かず、そわそわと身じろぎしてしまったり、動悸がはげしく高鳴るばかりでした。
最後列にも関わらずステージとの距離が近くに感じる。それが第一印象でした。この距離は…私が授業を受ける時に、後ろ過ぎず前過ぎずのポジションに座る場所と同じくらいの距離です。笑
会場内でも物販の販売が既に行われていました。
出演者の岩崎大さんを初め、パンフレットやポーチを購入されていました。私は買う予定はなかったので、皆さんのやり取りを側目で見ながら、座席に置いてあったチラシや広告等を眺めながら開演を待っていました。
すると、突然会場内からざわめきが。最初、なぜこんなにざわついているのか分かりませんでした。ですが、その次の言葉で私も驚愕しました。
「初めまして、伊波杏樹と申します」
「えっ?」と思わず言葉がポロリとこぼれ落ちました。
何故彼女がこの物販販売にいるのか…?SNS等の情報で色々と今回の舞台で伊波杏樹さんが上手側下手側どちらのほうが多くいるのか、やその他伊波杏樹さんに関する情報は…そのエゴサしておりました。
衝撃的すぎて、私の手は自然と口元へ。驚いて開いた口を隠すために…。
「物販販売を手伝いに来ました!!」
とそこからは伊波杏樹さんが手渡しで会場内の観客の方々とやり取りをしていきます。
まず正直に申しますと、「本当にあれは伊波杏樹さんなのだろうか?」というのが1つ目の感想でした。
髪を後ろにひとつに纏め、bastidoresTシャツにデニムと、いつもと違った雰囲気の彼女。
いつも、よく目にしていたのは「Aqours」として出演されているLIVEの衣装。華やかで、鮮やかなその衣装に身を包む彼女の姿を多く見てきたからこそ、キャラクターとしてステージに立つ彼女を見てきたからこそ、今回の舞台は「素の伊波杏樹さん」が滲み出ているように感じました。
伊波杏樹さんによる物販販売は好評。
開演も迫り、買えない人も多い中、なんと開演後の物販販売でも伊波杏樹さんが売り子として表へと出るというお話が。ジェットコースターに乗ったかのように駆け抜けてきた10分にも満たないような時間を終えて、ついにその舞台は幕を開ける。
開演
エピソード毎に語り部の方がユーモアなジョークや実体験をお話されたりと劇の世界へと私たちを溶け込みやすくしてくれる様はまるで案内人のよう。
日替わりで変わるようで、千穐楽の昼公演は寺崎裕香さん。調べてみると…遊戯王5D'sの龍可、イナズマイレブンGOの松風天馬、ドキドキプリキュアのラケル、マクロスΔのハインツ・ネーリッヒ・ウィンダミア…などなど私にとっても馴染みの深い声優さんであることに驚きました。
寺坂さんご自身の体験談を交えた語り部は、どこか安心感があって…ハキハキと話す姿に目を奪わて、今朝の出来事さえも笑い話にしたりとクスリと笑いながらもずっとその声音に耳を傾けていたいと思わせてくれました。
episode1「4文字の嘘」
脚本・・・佐藤秀一
登場人物・・・酒巻一郎(ベテラン俳優) 田中正彦
戸田麗子(演出家) 園崎未恵
市井泉心(新人俳優) 吉成奨人
浅井エリ(演出助手) 伊波杏樹
馬場達也(中堅俳優) 岩崎大
あらすじ
演出助手が2人の俳優の元へと持ってきた劇が酷評だという記事。この記事をきっかけに、周囲の人々を巻き込んだ演出家とベテラン俳優の対立が幕を上げる。
嘘と誤解…スピーディーに代わる代わる変化していくその場面に常に目が離せないくらい惹き込まれている自分がいました。はじめ私たちが入り口として入ってきた階段も舞台の中で使われていて、階段から降りたり上がったり、ステージの裏手から舞台に上がったりと、広く会場を使っていることもひとつの要因ではないのかな?と思いました。
吉成さん演じる新人俳優がキーとなるこのお話。 そのヘタレ具合と言いますか、コミュ障の引きこもりの役柄を演じられ.「もっとシャキッとしろよ!」と客席から言いたくなりました。
伊波杏樹さんは演出助手っぽい、っていう服装でしたね。
緑のカーディガンに白ブラウス、紺のスキニーという格好でした、見習いといった感じで、助手感が服装からも伝わってきますね。途中恋人に甘えるような声で、「イッチー〜!どうちよう。公演が中止になったらあたち…あたち…。」という声で演じられたりと、その演技の振り幅が広くて、本当に同一人物?と思わせてくれました。あざとい…あざとすぎます伊波さん…!!
Aqoursのニコニコ生放送などで可愛いに定評がある伊波杏樹さんですが、今回また違った可愛さが垣間見えて、引き出しの多さに驚きました。
episode2「劇場には・・・」
脚本・・・宮本紗也加
登場人物・・・ 馬場達也 岩崎大
出口 剛 細身慎之介
大西 修 三宅健太(吉成奨人)
小笠原彰人 おおたけこういち
斉藤 涼 宇佐見輝
妖精 伊波杏樹
あらすじ
劇場には色々な噂がある。突然身体が勝手に動いたり、気づいたらお菓子が置いてあったり、かばんが動かなかったり、見えない壁があったり…そんな摩訶不思議なことが起こる楽屋のお話。
宇佐見さん演じる斉藤涼で印象的なのは…あの場面ですね。見てくださった皆さんだけが分かる秘密といいますか…簡単に言いますと、彼は伊波杏樹さん演じる妖精の兄であり、彼も妖精です。つまり彼も「魔法」が使えるわけですが、そんな彼が時を戻すために、机の上で正座をして、意味不明…失礼、呪文を唱えるのですが、それがまた精神やられるんだよねと輝さんご本人がアドリブで入れたりと、とにかく笑いました。
妖精役としての伊波杏樹さんは、少し甘えベタでお兄ちゃんが大好きなThe・妹!!って感じでした。
この劇中では、伊波さんはかなりアクティブに動いていました。というのも彼女は妖精役として「普通の人間」には見えていません。人の合間を縫って通ったり、スレスレを動いたりと、ひとつ間違えれば衝突してしまうのではないかとハラハラドキドキ、スリル感ある演劇でした。加えてステージ上の狭い空間で普通に側転を決めるという身体能力の高さも見られ、私は確信を得ました。彼女は絶対Aqoursの楽曲「MIRACLE WAVE」のサビ前でロンバクを決めると。
平然とその動作をやってのける…何度も繰り返し、繰り返し練習したのかもしれませんが、難しいことを難しいと感じさせないその役との向き合い方に、改めてその向き合い方が好きだなと思いましたし、ポテンシャルの高さを感じました。
「Daydream Warrior」の間奏でのキレのあるダンスは、きっと何度も何度もダンスが上手いメンバーに聞いては練習を繰り返し、見事に素晴らしいパフォーマンスをステージ上で発揮していますが、そういった部分も「舞台女優」としての培われた力が生きているのでしょう。
また妖精ということで「魔法」を使えるのですが、指パッチンをすると時が止まったり、壁が出来たりとその姿がかっこよかったです。イタズラな笑みを浮かべて、嬉しそうにはしゃぐ姿は目の保養…いけないいけない、私はロリコンではないですからね…。
舌っ足らずで、妹系の可愛いさを演じきってみせた伊波さん。彼女の演技の底が知れませんね。
episode3「覆水ボンド」
脚本・・・松村武
登場人物・・・ 馬場達也 岩崎大
酒巻一郎 田中正彦
出口 剛 細身慎之介
浅井エリ 伊波杏樹
戸田麗子 園崎未恵
小笠原彰人 おおたけこういち
斉藤 涼 宇佐見輝
大西 修 三宅健太(吉成奨人)
あらすじ
SHOW MUST GO ON!1度お芝居が始まってしまえば、カーテンコールで幕を下ろすまでは、何があっても芝居をやめてはいけない。開演直前に楽屋では様々なトラブルが発生。役者、スタッフの人達はこのトラブルをどうやって乗り越えるのか!?
役者というのはどんなことがあっても幕を開けなくてはならない。例え風邪を引いていようとも、手に木材が付いていようとも…。
3つ目のお話は一番ハラハラドキドキしましたね。開演まで○○分です!!○○分切ってます!!などなど、役者だけでなく私たち観客にも切羽詰まっていることが感じられて、間に合うのか?!間に合え!!!と心で応援している自分がいました。
凄いな、どうやってるんだろうか?ということがひとつありまして、物語の中で強力ボンドによってひとりの役者の手には木材が付いて離れなくなってしまい、最終的には役者それぞれが壺を付けたり、椅子を付けたり、梯子を持ったり…とみんなで何かをボンドで引っつけて舞台へと上がるのですが、その際に持ってるような素振りがなくて、本当にボンドでくっつけているように見えたんですよね。
あれには驚きました…どうやって持っていたんでしょうか…特に壺なんて丸みを帯びているのに、中指、薬指あたりは離れていましたし…これは円盤化した時にもう一度確認したいポイントですね。
伊波杏樹さんの役は舞台監督。今回の舞台を指揮する人なのですが、冒頭から「今日は本当に申し訳ありませんでしたあ!!」と熱心に謝る姿が見られたりとその一生懸命さがひしひしと伝わってきて、役者さんたちと同様に「いや、もう謝らないで!顔上げて!ね?」っていう気持ちを抱かせられ、本当に演技とは思えません。
また階段を走って上り下りしたりと尋常ないほどの体力を消耗するにも関わらず、終始その役柄に入り込み演じるその姿は、これこそが「舞台女優としての伊波杏樹さん」なのか、と強く思わせてくれました。
3つのオムニバス形式の舞台…どれも全く違ったストーリー性を持っているにも関わらず、繋がっている部分があったり、また役者さんたちの本気の演技が、まるで日常を見ているように思えました。
自分も同じ楽屋にいて、そのやり取りを近くで見て、聴いているみたいだと感じました、目の前でそのキャラたちが生きていました。
命を吹き込むってこういうことなんだな、と舞台を通じて知ることが出来ました。
声だけで表現する声優はもちろん好きですが、舞台は舞台としての魅力があって、声だけじゃない、顔の表情、仕草、動きでそのキャラクターを自由に生きさせているんだと思います。
終演
カーテンコール。
去り際に役者の衣装の背中に一文字ずつ書かれて作られた「bastidores」の単語。キャラクターの苗字や名前に沿って並べられた意味のある語。横一列に立ち並んだ後ろ姿に視界がぼやけ、会場が大きな拍手に包まれたことが今でも忘れられません。
終わってしまった…あっという間の2時間でした。
絶えず笑いが零れ、コロコロと変わる喜怒哀楽を表現する役者、その演技とストーリーに心を奪われていました。
「楽屋は、人の心を写す鏡だ。」
語り部である寺坂さんが冒頭で仰っていた言葉です。
その言葉を体現するかのように、楽屋の中では人の心が筒抜けのように表れていました。それは役者さん達の演技の「熱量」があったからだと思います。舞台はライブとは違った「生」の迫力を感じました。ライブは心の底から熱くなれる、そんな熱ですが舞台はその世界に惹きこまれる。気づかないうちに自分もその世界に迷い込んでしまったかのように錯覚してしまう。今回舞台を見たことは私の先入観を打ち壊し、視野を広げてくれました。
『ブログ』というツールは私の心を写す鏡であると思いました。Twitterでいざ感想を呟こうと思うと、あまり言葉が見つからず、何を呟こう…と140字で纏めることができません。ブログなら気軽に書けて、文字数も気にならない。気づいたら1万字を超えてしまい読みづらい文章に…なんてこともよくあります。
上手く言葉が見つからなくて頭の中がぐちゃぐちゃで「うがぁぁぁ」となりますね。私がブログを書くのが遅いのはそれがほとんどです(あとは純粋に書く量に対しての時間の確保ができていないというのもありますが)
ですが…書く理由として…「何か自分に残せることはあるのでは?」「自分にも何かひとつでいいから自信のあることを身に着けたい!」「体験したことを忘れないうちに文字として残しておこう!」そんな様々な要因があって書き続けています。
これが重荷になっているということはないですし、これからも「私の心」を伝えられるような…そんなブログを書きたいと改めて思いました。
今日、舞台の感想を初めて書かせていただきましたが、難しいですね…また別の舞台でも見に行こうかなぁ…。
ここまで長々と文章を綴ってきましたが、読んでくださった皆様、ありがとうございました。
この先にもありますが、本編はここまでです。
読んでくださった皆様、本当にありがとうございました!!
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ここからは自分があの日体験したことを記します。自分の自己満足のために書いているので、読まれる方によっては不快な想いをされますことをご了承ください。どうしても記しておきたい…記憶の中ではなく、文章として残させてください。
会場内での物販の際、当初購入予定のなかった私。ですが、伊波杏樹さんが渡してくれるということで購入させていただきました。お恥ずかしながら、こんなにも間近に伊波さんを見たのが初めてでしたので緊張で目を合わせられたかどうか…。
そして、伊波さんと直接お話もさせていただきました。とは言っても去り際でした。開始10分程度ではありますが、伊波さんは物販のほうで売り子をしていました。ブロマイドを買おうと並んでいたところ、私の前で伊波さんは諸事情によりここで下がることに…(おそらく夜公演にむけての体調を考慮してか、それともファンの人数を考慮してなのか…)
どうしてもお話がしたくて、「伊波さん!」と声をかけさせていただいたところ、去り際にも関わらず、真摯に対応してくださったその心の広さに感動のあまり言葉が見つかりませんでした。
時期が過ぎておりますが、お誕生日おめでとうございましたという言葉と伊波杏樹さんへの誕生日の際にプレゼントを送らせていただいたことを伝えると、ファンの人から貰ったものは大切にとっていますよ、と笑顔を向けられそこでまた幸せでいっぱいになりました。ですが、それ以上に私が伝えたいことがありました。
「伊波杏樹さんに憧れています、女性としての理想像なんです、伊波さんのような女性を目指して頑張ります」
今思うと、よくそんな言葉を言えたなと、まるでもうひとりの自分が声にしてくれたような気分でした。それほど現実味がありませんでした。「えぇ、照れる/////」と口元で手を隠すあの仕草。「公演、ありがとうございましたー」と最後の最後に伝えることも出来たので…無性に泣きたいのに泣けなくて、どこか浮遊感があって、足元が地面に着いていないような感覚でした。
言葉を本人に直接伝えられたこと、多分それが一番この時の私の中では大きかった目標なのかもしれません。"日々精進"という言葉を掲げ、自分にストイックに、努力を積み重ね、私たちが想像する以上のパフォーマンスと力を発揮する彼女の存在は遥か彼方。
ですが、これからも彼女のような女性を目指して頑張ろうと改めて思いました。彼女を追いかけて、自分がこれだ!と思った道に進むこと、それが今の目標です。
"夢"というものは私にはありません。確かに今教職の資格を取ろうとしてはいますが、あなたは教師になりたいですか?と問われて、100%「Yes!」と言える自分がいない。
まだまだ先と考えている就職も徐々に迫ってきていますが、今は出来ることを、色々な経験を積もう、そんな風に考えています。客観的に見れば考え方もまだまだ未熟なのかもしれません。
吸収出来ることは吸収して、いつか納得出来る道を歩めるように、また今日からスタートです。いつだってゴールは始まりの合図。
現実味がなくて、どうしたらいいのか分からなくて、ふらふらと辺りをぶらついた時、「新井薬師寺」というお寺を見つけました。通りではバザーのようなものが行われ、賑わっていました。
少し気になり足を伸ばし、境内へと踏み入るとそこには…桜が。
大通りに咲いていた桜の木よりも近くで見ることが出来たことになんだか運命のような、どこか不思議な気持ちをこの桜に抱きました。
桜芽吹く。
一春は一瞬。
その花びらは散りゆくも、またその花を芽吹かせ、淡く咲き誇る。
春は出会いと別れの季節──
遅咲きでも、自分だけの桜を咲かせることのできるように…座右の銘に誓って…やり遂げてみせるよ。